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第111話 【王妃様の魔法?】


 俺は、王妃様に「何か無いか」と言われた後暫く考えたが何も思いつかなかった。


「う~ん、やっぱ今パッと思いつくことは無いですね。また、後日頼みをするって事で良いですか?」


「そうね。まあ、いきなり欲しい物って言われても直ぐに出ないものね。それじゃ、何かあったらシフォンに「会いたい」って伝えてくれたら大事な会議が入ってない限り会うようにしておくわね」


「はい、よろしくお願いいたします。」


 そう言った後、王妃様は「それじゃ、さっきの部屋に戻るけどここでの話は言っちゃダメよ。あの人にも私が転生者だって事言ってないから」と言われ俺自身転生者だと俺の事を分かっているのは、王妃様と学園長とアルフさんだけなので約束して部屋に戻った。


「っ!毎度毎度、その能力はビックリするの」


「そう?まあ、ごめんなさいね。この能力消えた場所に戻る物だから、慣れてちょうだい。あっ、そうそうレイ君と話した結果レイ君とは大事な会議以外は面会できるようにするって約束したから連絡しといてね」


「う、うむ、分かった。」


 …これって、あれだよな王様、王妃様に完全に尻に引かれてるよな、男としては可哀そうに見えるがあの王妃様に逆らえないだろうから素直に俺は心の中で王様に「お疲れ様です」と送った。

 その後、俺達は帰宅しようとしたが王様から「最近、学園はどうだ?」と話を振られ学園の話をしている途中でギルド長が「今日は、王妃様も居る様だから大丈夫だろう。儂はギルドに戻るの」と言って出て行きその後も俺達は王様達と話し続けた。


「そう言えば、もう直ぐで学園大会の日が近い様じゃがレイ君はもちろん出るのか?」


「そうですね。一応自分の腕試しの為に出るつもりですよ」


「今年は、運営側で良かった。弟にやられるところだった…」


 俺が王様から学園大会出場に聞かれた時横に座っていたリック兄さんがボソッと小さな声でそう言った。リック兄さんの横に居たレック兄さんは「科が違くて良かった…」と呟いていた。


「ふむ、シフォンも今年は出るのだろう?」


「はい、魔法も上手くコントロールが出来るようになり今でも時々レイ君達とダンジョンに行く時も魔法の練習を続けていますので良い所まで行けそうな気がします」


「なるほどの、してどうだレイ君?シフォンの魔法の腕は」


「そうですね。まあ、今の学生の中では魔力量も換算して入れるのであれば上位に位置すると思いますよ。魔法の腕は元々勘が良かったのもあり直ぐに掴めています。ただ、魔力操作を取得するまでに時間をかけ過ぎたのが欠点ですね。もっと、早くに魔力操作をマスターしていれば僕の母位にはなっていたと思いますよ」


 俺がそう言うと母さんが「あら、私だってまだまだ現役なんだから日々成長してるわよ」と少し威嚇気味に俺に言ってきたが、それ以上にシフォンの可能性のが大きかった。魔力量は転生者でもないのに高く勘が元々良いおかげで俺が教えた魔法は直ぐに覚え自己流に変えている。


「レイ君、ほめ過ぎだよ。レイ君の教え方が良いおかげだよ」


「いやいや、シフォンの覚えるスピードは並みの人とは比べ物にはならないよ」


「ふむ、やはりシフォンはロイゼの血を色濃く受け継いでおるのかロイゼも魔法に関してはトップクラスだからの」


「えっ?私は、別に魔法が得意じゃないわよ?得意な物が魔力を使う物なだけで魔法はそんなに得意じゃないわよ?」


 王様が「えっ?あれって、魔法には入らないのか?」と逆に質問をして俺達は王妃様達が言っているアレと言う物が気になった。


「ん~、そうね。レイ君に見て貰った方が早いわね。ちょっと、ここじゃ使えないから練習場まで来てくれる?」


「はい、分かりました」


 そう言って、俺達は王様達と話していた部屋を出て王宮内にある練習場に向かった。

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