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私が魔法の開拓者(パイオニア)~転移して来た異世界を魔法で切り拓く~  作者: 夢乃
第十一章 婚約と魔鉱石

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11-0.現状維持

 極東地域に続いて欧州までも異変に呑まれて、世界は混迷の淵にあった。


 巨大マーケットを続けざまに失った世界の経済は混乱し、株価は乱高下した。

 各国の首脳部が集まり、異変に対抗すべく、情報を共有するための会談が開かれた。


 主たる情報源は、一度目の異変時に、日本と韓国に軍の駐留している米国と、国土の一部を異変に呑まれ地続きの隣国が異変で“消失”した中国・ロシアの三ヶ国だ。これらの国は、本音を言えば自国の知り得た情報を隠しておきたいところだろうが、世界のどこで次の異変が起こるか判らない以上、隠し通すこともできなかったし、他国の知り得た情報も欲しかった。


 その会談で最も驚きを持って受け止められたのは、魔法の存在だった。会談当時、魔法使いが確認されていたのは日本のみ、それも一部地域に限られた。そのため、公式には米国しか知りようがないその情報は、疑念を持たれるのは当然だった。

 それでも、会談でそれが事実の一つとして受け入れられたのは、米国以外の一部の大国が米国から寄せられたその情報を受け入れたためだ。それらの大国が日本に諜報員を放って情報を得ているだろうことは、想像に難くなかった。


 魔法の存在は最大の驚きだったが、最大の問題とされたの通信障害の拡大だった。異変の影響を受けた生物は魔力を発し、その魔力の残滓が通信を阻害する。

 すでに行われていたことではあるが、異変からの人流を防ぐことが合意された。しかし、二度目の異変に襲われたのは大陸の一部だ。すべての国境線を封鎖するなど、不可能に近い。おまけに、通信障害を引き起こすのは人間だけでなく、野生動物もだ。種子を飛ばす植物もあるだろう。それらすべてを防ぐことなど無理を通り越して無茶だ。


 異変発生地帯を焼き払うべきでは、という過激な意見も出たが、半径一,〇〇〇キロメートルにも及ぶ広大な土地のすべてを焼き払うことなど、人流を防ぐこと以上に無謀な話だ。言った者も、本気で提案したわけではないだろう。


 具体的な対策案は出ることもなく、ほとんど情報の共有のみで会談は終わった。異変に対して、世界は無力だった。


 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


 米国は、魔法使いの扱いに悩んでいた。異変の影響を免れた国で、魔法使いに直接接触したのは米国だけだ。それも二人。一人は日本、一人は欧州。欧州の魔法使いは、米軍基地の一つを襲撃して、たまたま居合わせた日本の魔法使いに無力化され、自らが襲撃した基地に収監されている。


 悩むのは日本の魔法使いの扱いだ。米軍としては、また敵対的な魔法使いが現れた時の切札として、また、戦力の一つとして、確保しておきたい。しかし、何しろ軍でも手をこまねいた飛竜、海竜、地竜を、たった一人でいとも容易く制してしまうのだ。扱いを一つ間違えば痛手を負いかねない。

 何かあった時に迅速に現場に送れるように、本来なら米本国に置きたいところだが、それを彼女は望まないだろうし、その上、本土で通信障害が広がる心配がある。


 結局のところ、彼女の希望のままに日本に居住させ、必要な時に協力を要請する現状が最善とされた。せっかく友好的な関係を築けているのだ。その関係を無理に壊すことはない。そうでなくとも、問題は山積みなのだから。

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