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逆鱗のハルト  作者:
逆鱗のハルトⅠ

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皇帝は偉そうですか。①

ラナンクロストからノクティア、ハイルデンを巡り。

いよいよ、最後の国だ。


ヴァイス帝国。


4国の中で唯一、王ではなく皇帝が統治する国だ。


俺達はまずサーシャのくれた馬車手形で帝国との国境まで行き、国境である河を越えて入国。

そこから西へと進路をとって、ヴァイス帝国の帝都まで行く予定だ。


東西に長い国土を持つヴァイス帝国は、農業が盛んな国。

広大な土地を利用して様々な作物を育てている。

ただし、帝都ともなれば相当発展しているらしく、田舎だなんて口が裂けても言えない。


******


「それじゃあ世話になったな」


ギルドで挨拶を済ませていると、扉が軋んだ。

振り返ると、そこには…。

「あらあら!皆さん、間に合ってよかったわ」

「ルーシャさん」

サーシャとドルムの母、ルーシャさんが優雅に微笑んでいた。


「よお、間に合ったか!」

一緒にドルムも入ってくる。


「これから発つんだろ?母さん連れて見送りに来たんだ……ほら、持ってけ」

「何かしら?」

ファルーアが受け取ると、ドルムが笑う。


「うちのメイドのエリーゼが作った弁当だ!」


「へえ、あの子、やっぱり残ったんだな」

「ルーシャさんのこと大好きなのわかったもんね」

ディティアと話していると、ルーシャさんが首を傾げた。

「それがねぇ、私のところの子は皆、使用人として残ってくれたのよ」

「ははっ、元々お給料もあって居心地良かったら、そりゃあ残るんじゃないかな」

俺が笑うと、ルーシャさんは左手を顎の辺りに添えて、首を傾げた。

「せっかく奴隷制度が廃止になったのに……まあまあ、そうだわ。皆さん、本当にありがとうございました。お礼を忘れていたわね」


何だか、改まってお礼を言われるのはくすぐったい。


すると。

「なんだ、ルーシャも来ていたか」

するりと入ってくる、礼服の…。


「…って、マルベル!?王様が何してんだよ」


「何してんだよとは心外だなハルト。我が国の英雄であり友を見送りに来たんだぞ?」


ギルド内がざわつく。

そりゃそうだ、奴隷制度をいきなり廃止した王様だもんな。

傍に控えたガイアスも苦笑していた。


「そ、それは嬉しいけどさ。…危ないだろ?そもそも知らせてなかった気がするんだけど」

とりあえず窘めると、マルベルはからからと笑った。

「これから忙しくなるしな、これくらいは許せ。伊達にギルド行き来してた訳じゃないんだぞ」



俺達はマルベルとガイアス、ルーシャさんにドルムと、そして迷惑を掛けまくったギルド員に見送られ、馬車に乗り込む。


そこで、マルベルが俺を呼んだ。


「なあ、ハルト」

「うん?」

「皇帝は偉そうだぞ、気を付けろ」

「…え、そうなの」

「ああ!すごーくだ!」

「うわあ…不安しかないや…」


「それからグラン!」

「お、おお?」

「2つ名、どうするんだ」

「ああ…実はな、4国の王族全員に俺を認めさせようと思ってな」

「ほう?」

「皇帝を落とせりゃ俺の勝ちだ」

「そりゃあいい!楽しみにしてるぞ」


そこで、そろそろ行きますと御者が声を掛けてきた。


「じゃあな、白薔薇!暫くしたら、また遊びに来てくれ」

「ああ、絶対来る!その時はもっと有名になってるからな」


俺は見送ってくれるマルベル達に手を振った。


******


お昼はヤマシシの煮込みが入ったおにぎりに、色とりどりのおかず。

馬車の中で堪能した俺達は、これからのことを相談した。


国境の街に着くのはおそらく3日後。

まずはヴァイス帝国に入らないことにはどうしようも無いけど…マルベルが話してたことも気になる。


「偉そうな皇帝って、やっぱ感じ悪いのかなあ」

思わずぼやくと、ボーザックが唸った。

「でもさー、王様なんだから偉くて当たり前じゃないのかな」

「ん…確かに?」

思わず納得しかけたけど、俺はいやいやと首を振った。

「いや、でもさあ、王様だからこそ、偉そうなんじゃなくて、威厳がある方が………うん」

言いかけて、やめる。


「アナスタ王もマルベル王も変わってたな」

グランが鼻で笑って付け足す。

「そうだよなあ」


結局のところ、会ってみないとわからないとは思うけど。

とりあえず、街で聞き込みくらいはしておきたいな。


「とりあえず国境の街まで行って聞いてみればいいわね。山越えじゃなくて渡し船があるんでしょう?」

「私、長い橋もあるって聞いたなー」


ファルーアとディティアが会話を引き継いでくれて、俺達は分担を決めた。


俺とディティア、フェンはギルドへ。

ボーザックとグラン、ファルーアは街へ買い物ついでに聞き込みへ。


「あとひとつで終わりかー、長かったな」

「ふふ、でもあっという間な気もしたよ」

「確かにそれなりに忙しかったよな」

ディティアと話しながら、馬車の外を見る。


岩場は段々と山道になり、峠を越えれば国境だ。


「あ、忘れる前に」


俺は精神安定のバフを広げて投げた。


「たすかるー」

ボーザックが笑う。


…いざ、ヴァイス帝国へ。


本日分の投稿です。

毎日更新しています!


平日は21時から24時を目安に更新しています。


ハイルデンから、

ヴァイス帝国編へ入ります!

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