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逆鱗のハルト  作者:
逆鱗のハルトⅠ

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名前、くれませんか。②

本日分の投稿です。

仕事始めでした。


皆様、今年もぼちぼちがんばりますので、

よろしくお願いします。

その日は遅くなったから朝帰ることになった。

焚き火の向こうでボーザックは何か考えていたけど、そっとしておく。


俺には、ボーザックの気持ちもカルアさんの気持ちもわからなかったし、口を出せることじゃないからさ。


それでも、ボーザックなりに飲み込めたらいいなと思う。

応援だったらいくらでもするし。


他のメンバーもきっとそう思って、黙ってるんだ。


やがてボーザックは、カルアさんの所へ向かった。


******


「おい、ハルト-、ちょっと来な」

「えっ、俺?」

しばらく後に何故かカルアさんに呼ばれた。

ディティアに見てもらいながら双剣を磨いていた俺は驚いて口をぱくぱく。

苦笑したディティアが行っておいでと言うので、席を立つ。


行ってみるとボーザックの姿も。

眼はなんというかきらきらしている。

んー?思いの外元気そうだな…。


「ハルト、カルアさんの説得手伝ってよ!」

「は、はあ…?」

「俺さ、自分のこと色々考えたけど、結局よくわかんないんだよ。母さんの背中を押してたとして、後悔してないかどうかなんてわからないじゃん」

「えっ?あ、あぁ」

ボーザックの勢いがすごかった。


俺は若干引きながら、相槌を打つ。


「だからさ、俺は決めたの。カルアさんが俺を子供扱いしないくらい強くなって、2つ名をもらおうと思う」

「……んっ?えっ?2つ名?」

「そう!でもカルアさんがいいって言わないから、説得手伝ってよハルト-」


ん?2つ名?

これそういう話だったか?


「俺が強くなった時、カルアさんの言葉に納得できるかもしれないし、結局出来ないかもしれないけど、そういう1つの強さは身に付くと思うんだよね」

「お、おう…」

カルアさんを見ると、額に手を当てて空を見上げていた。

お手上げで俺を巻き込んだんだろう。

「カルアさん」

「…わかるかいハルト…」

「俺が言えるのは1つだけですよ、ボーザックをお願いしますね」

「うっわ、あんたねぇ…」

「ほらあ!ハルト-俺信じてた-!カルアさん、俺、強くなるからよろしくね」

「そうさなぁ…来月の王国騎士団の剣術闘技会で優勝でもしたらね」

カルアさんは投げやりになったらしい。

「そんなのあるの?」

思わず聞き返す。

「あるともさ。王国騎士団の技比べで冒険者と勝負する伝統の大会だよ」

「うわー!俺、それ出る!」

えー。

きらきらした瞳で、ボーザックは意気込んだ。

おいおい…俺達、来月までいることになるの?

「そうと決まれば次はグランだ!」

うわあ。

これ、皆巻き込まれるやつだ。


俺が頭を抱えると、カルアさんがざまみろ!と笑った。


******


結論から言おう。

グランは承諾した。

っていうか、せざるを得なかった。


今回の遺跡調査がまだ途中だったからだ。


そうだった。

終わったつもりだったけど、地図は出来てない。

俺はレイスとも戦ってない。


結果、グランとアイザック、カナタさんはギルドとの交渉に。

俺、ディティア、ファルーア、爆炎のガルフで調査を続けることになる。


トロントさんはクラクとユキを連れて、別の依頼を熟しながら腕を磨くそうだ。


そして同じくボーザックは、カルアさんと依頼をこなして大会に備えるそうな。


そこで鍛えてあげちゃうところは、カルアさんは中々に面倒見がいいと思う。


******


「この人数で何日かかるかなぁ」

アイザックの代わりにファルーアとガルフが火の玉を浮かべ、俺がバフを重ね、ディティアが前衛をこなす。


そんな遺跡調査が始まった。


「これはこれで新鮮だよハルト君!」

やたら元気そうなディティア。


ファルーアからすれば、爆炎から学ぶことは多いだろうし万々歳だろう。


俺は折角だから範囲バフを練習することにして、それぞれに必要なバフを重ねたら手のひらの上で魔力の塊を広げた。

…んだけど。


「ほれ、逆鱗の。早くメモせんか」

「わ、わかったよ」

爆炎のガルフの人使いが荒い。

むしろ全員の俺に対する扱いが悪すぎる。

「ハルト君、次は五感アップバフ多めにしてくれる?」

「ん?わかった」

「ハルト、魔力感知バフ」

「あれ、さっきかけたぞ」

「違うわよ、もっと重ねてって言ってるの」

「えぇ…」

何だってこんなに忙しいんだろうか。


というか、ディティアのおかげで異常な速度で調査が進む。

ファルーアと爆炎のガルフは途中から彼女に丸投げし、魔力感知しながら魔法についてを延々語り出してしまった。


ディティアは疾風の名に違わぬ動きで建物を駆け抜けていき、俺がメモするという構図だ。


「最初はクロク君とユキちゃんが一緒にいたから、ペース落としてたんだけど」

そう言う彼女は、たぶん飛び回るのが好きなんだなと思う。

「ハルト君、二階は3部屋、三階は広めの2部屋だよ。次行くね」


あまりのスピードに、俺はバフの練習を諦めたのだった。


******


1ヶ月はかかりそうな調査を、ほぼディティアだけで2週間で終わらせた。

端から端まで一直線に歩くと大体2時間くらいの遺跡が姿を顕わにする。


それより先はすでに土に埋もれているので、発掘するとしたら長い時間を要するだろう。


ちなみに、パーティーで受けた依頼なので、報酬はパーティーごととなる。

誰かひとりでも参加すれば報酬の対象となり、調査期間に応じて金額も変わるので、今はいないクロクとユキに関しても充分な報酬があるとのこと。


便利なシステムである。


この遺跡調査に関しては、大量の魔力結晶が手に入ってるしな。


途中、十数体のレイスがいたが、双剣の練習だからとディティアにスパルタ教育を受けた。


筋肉痛になったの何年ぶりだよ…。


ちなみに、誰ひとり追加メンバーはいない。

交渉していた3人はギルドに捕まって書類を作ったりなんだり。

はは、忙しいんだろうなぁ。

グランの目の下の隈に爆笑して殴られたしな!


トロントさん達は遠くの依頼を受けたらしく姿すら見てない。


ボーザックはというと、日々傷だらけ、泥だらけで、腹一杯に食べては泥のように眠り、早朝また出て行くそうだ。


あれ、俺、何もしてない気がするぞ?


「やっぱり範囲バフを覚えよう」

思わず口にすると、隣でディティアが笑った。

「身体全体も鍛えるから覚悟しててね!」

「ええ…。ディティア可愛くないこと言うようになった…」


本当にひどい話だよな。



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