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ショートショート7月~

竜のひげ

作者: たかさば
掲載日:2020/07/08

息子は、生まれたときに、ほとんど髪の毛がなかった。

明らかに、毛がない。


乳児検診で、「剃ってるんですか?」と聞かれることが、そりゃあ何度もあった。

一歳を過ぎてなお、薄い髪の毛は、なかなかの目立ちっぷりだった。


そんな息子も二歳になる頃にはようやく人並みにふさふさし始め、ひと安心…。


と思いきや。


まあ、色が薄くて薄くて。

薄茶色の髪が、また目立つこと目立つこと。


今度は、「脱色してるんですか」と来たもんだ。


さらに。

白髪が、生えてきた。

明らかに白い…いや、金髪?

ほっそい毛に混じって、一本、太い、金髪とも白髪ともいえない、怪しげな毛が生えてきたのである。

耳の上あたりに、一本。

ご丁寧に、右も左も生えている。


「ねえ!何コレ!!」

「ただの色の違う毛だよ!!」


娘がいつも触るので、いささか息子の機嫌が悪い。

言葉が遅い息子は、文句も言わずに逃げていたけれど。


おかしな毛は、普段は茶色い髪に紛れているのだけれど、風が吹くとちらりと見えるのだった。

その様子がなんだかおかしくて、ついつい見てしまう。


いつしか金髪は、竜のひげと呼ばれるようになった。


たまに腕に生えてくる長い毛を、宝毛とか言う事もあるんでね。

縁起がいいかもと思って、勝手に命名してみたのですよ。


そんな息子も三歳になる頃に、ようやく初めて髪の毛を切りに行くことになった。


長めの髪が、バリカンで刈り上げられて、一気にかっこいいスポーツ刈りのちびっ子になった。


「うおお!!可愛いのが一気にかっこよくなった!!」

「かっこいい。」


ちょりちょりの髪の毛の手触りを大喜びで触りまくる。

これはたまらん!!


・・・ん?


耳の上に金髪!!

短くなってめっちゃ目立つようになってる!!


「なにこれ!!めっちゃ・・・・」

「めっちゃかっこいいよね!!」

「…かっこいい。」


娘がまた騒ぎ出したので、息子が気にする前に封じ込める。

こういうのはね、騒ぐからいかんのですよ。


かくして目立ちまくった竜のひげ。


若白髪のサラブレットの息子は、小学生にして白髪のある子供になってしまい、竜のひげは紛れるようになった。


「なんか白髪多くて、目立つ…。」

「いいじゃん、今銀髪はやってるし。」

「流行の最先端だ、やったー!」


よーく見ると、見分けつくかな?…いや、よくわかんないや。


すっかり人に紛れてしまったということかね。

…ああ、ただの人だった。


白髪交じりの小学生は、今日もニコニコしながら卵を割るので、あった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ファンタジーかと思ったら、日常系だった。 [気になる点] 卵を割るんですか!? きっと自分より上手 [一言] 自分にもあったらしい。プチッと抜かれましたけど
2020/07/08 21:03 退会済み
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