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少し残念なお嬢様の異世界英雄譚  作者: 雛山
第四章 魔王領再建準備編
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第六十一話 鍛冶屋説得前編

61話の更新完了です


 私達は準備を進めてまずはコルリスの鍛冶屋へ向かう事としました。

 今回こちらのメンバーは私、アルティアさん、バウス、シェンナ、コリーの五名で向かうことになりました。

 マナカさんが言ったように、魔王領にはまともな馬車が無く数も多くは無いので、ここもどうにかせねばなりません。マナカさんはどうも馬ではなくキャピラータを移動手段に使おうと考えているようでした。

 一応、可能な限りでの道路の整備も進めてはいますが、作業をする人数がまだまだ足りない状況です。


「では、マウナ様。シェンナ達の準備及び出発の準備全て終わりました、何時でも出発できます」

「分かりました、シェンナ、コリー、バウスにアルティアさん今回はよろしくお願いします」

「「「イエス・マイロード」」」

「は、はい」


 シェンナ、コリー、バウスの三名が私に傅きます。

 アルティアさんはオロオロしております。


「三人とも、そうかしこまらずに行きましょう」


 バウスが御者を務め馬車は出発しました。

 マナカさん達とは別行動で前衛のマナカさんもベティさんもおりませんが、シェンナとバウスはとても頼りになる前衛でもありますし、コリーも中衛として優秀な弓使いです、アルティアさんもおられるので何かあっても戦力は問題ないですね。


 こうして今のところは順調に進んでいます。

 マナカさんは元の世界での知識をフル活用して国の事を考えてくれています、米田中尉もベティさんも色々な知識で私を助けてくれます、そしてアルティアさんもこうして一緒に行動してくれて助けてくれます、孤児院の事もあると思うのに私によくしてくれます。


「マウナ様、どうかなされましたか?」


 コリーが私に声をかけてきました。


「いえ、少し考え事をしていました」

「そうですか、何かございましたら私かシェンナにお申し付けください」

「ありがとうございます」


 私はアルティアさんの方に向かうと、アルティアさんに話しかけます。

 アルティアさんのためにも何かできないかを考えていた結果を提案するためにです。


「アルティアさんよろしいですか?」

「な、なんでしょう?」

「私、一つ考えたのですが。アルティアさんのいる孤児院をファーレ魔王領に移しませんか?」

「え?ど、どういうことですか?」


 マナカさんもいずれはこの事についても考えるはずです、なので私は先にアルティアさんにこの事を伝えようと思います。


「言葉のままです。コルリスでの孤児院の経営は思わしくないと聞いています」

「は、はい、そ、そうですね。正直言えばギリギリです」

「ですので、孤児院をファーレ魔王領に移しましょう。そしたら魔王領は補助金を出し孤児院を助けようと思います、幸い土地はまだまだ余っていますからね」

「え? い、いいんですか?」

「はい、アルティアさんさえよければ、孤児院兼治療院として仕事の斡旋も考えています。アルティアさんの薬の知識や治癒魔法は、いずれその方面で活躍していただきたいと考えています」


 そう、医療関連も重要な課題です、魔物でも亜人種でも怪我や病気にはかかります。

 それを考えれば治療院は必要になってきますからね、アルティアさんに向いた仕事だと思います。


 ――

 ――――


 その後はこれと言って何事もなく無事にコルリスの街に着くことが出来ました。

 今日はもう遅いので熊の干物亭に向かいます。

 アルティアさんは孤児院に一度戻るとの事なので明日の朝また熊の干物亭に集まることにしました。


 今、私はバウスにシェンナとコリーを連れて熊の干物亭に来ております。

 シェリーさんを見かけたので私は声を掛けます。


「こんばんは、すいませんが部屋は空いてますか?」

「あ、マウナさん。なんか久しぶりね」

「そうですね、最近は街から出る事が増えましたから」


 最近は城と別の街に行くことが多かったためか、この熊の干物亭は久しぶりな気がします。


「ああ、えっと部屋ねマウナさんとマナカさんの部屋はそのままだし。一応小さいけど一部屋空いてるわよ」

「では、その部屋をお借りします」


 私はバウスの部屋を取ると四人で夕食を取ることにしました。

 シェンナとコリーは熊の干物亭のショウユ料理に興味津々でした。


「この味は……なるほど香草が隠し味になっていますね」


 コリーはすっかり熊の干物亭の名物になりつつあるコケクックの照り焼きを食べながら味を盗もうとしています、マナカさんのレシピを改良しているようで前より味が良くなっています。

 シェンナの方もカウンターの奥と肉料理を見比べていました。


「あんな熊みたいな人がここまで繊細な包丁使いをするなんて凄いですねぇ」


 シャエンナもコリーも料理に興味津々です。


「あの二人は喜んでくれてるみたいですね、バウスはどうですか?」

「たいへん、おいしゅうございます。しかし我々がマウナ様と同じ卓に付き一緒に食事なんてしても良いのでしょうか?」


 バウスは真面目です、私としては食事は皆で取る方が楽しいという事をマナカさん達と冒険者をするようになってから知る事が出来ました、私はこれからも皆と共に食事を一緒に食事を取りたいと思っています。


「いいのですよ、皆で一緒に食事をすることの大切さを、私はマナカさんとの冒険で知る事が出来ましたからね」

「そうですか、それは良い事ですな」


 こうして私達は食事を終え、明日に備えて休むことにしました。


 ――

 ――――


 次の日、私達はアルティアさんと合流し目的地となる鍛冶屋へと向かう事にしました。


 鍛冶屋へ着くと、どうしても緊張してしまいます。


「マナカさんでなく私だけで説得できるでしょうか?」

「わ、ワタシも手伝いますから、が、頑張りましょう」


 アルティアさんがそう言ってくれます、そしてバウス達三人も頷いてくれます。

 なんとしても成功させないといけません! 私は気合を入れると鍛冶屋の中に入っていきました。


 さあ、スカウトの開始です!


次回は9/13の予定です

明日は私用のため更新はお休みになります

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