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少し残念なお嬢様の異世界英雄譚  作者: 雛山
第四章 魔王領再建準備編
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第五九話 感動はしない再会

59話の更新です!!

 今回の移動は前回ほどの人数でもないので移動はスムーズに進んでおりますわよ。

 そろそろマウナさん達も出発している頃ですわね。

 事前に少しでも情報が欲しいのでベティさんに少し聞いておきましょう。


「昨日言っておられた方の事を、もう少し詳しく聞いておきたいのですがよろしいかしら?」


 ワタクシは御者をしているベティさんの横に座り、話を聞きますわ。

 ベティさんは少し思い出す仕草をすると、ポツポツと語りだしましたわ。


「そうねぇ、もう五年ほど会ってないけどそれでいいのなら」

「構いませんわよ」


 ベティさんは少しだし携帯電話懐かしそうな顔をしましたわ。


「私が薔薇の園だった時の依頼がきっかけで出会ったのよね。貴族のお抱え錬金術師だった彼の依頼でね」

「錬金術の材料集めですの?」


 錬金術師なら当然の依頼でしょうね。

 しかしベティさんは首飾りを振りますわ。


「残念ながら違うのよねぇ、大根百本納入って仕事だったのよね」

「……ぇー」


 引き受ける四等級冒険者も冒険者ですわね……


「この依頼からも分かるように変人よ」

「ですわね……ナルリアちゃんの教育上よろしくない方のようですわね」

「それでもまあ、腕は確かよ」

「これで腕も悪かったたただの変態じゃないですの」


 ワタクシ達が話をしているとサティさんがワタクシ達の方へやってきますわ。


「クナギ様、ベティ様。そろそろ一度休憩にいたしましょう。お茶をお淹れいたします」

「そうですわね、ベティさん少し休憩いたしましょう」

「了解よー」

「――座りっぱなしでお尻が痛い……」

「乗り心地あまり良くないですものねぇ」


 ほんと適当な馬車ですので乗り心地が悪いのですわ、これは馬車を新しく作る必要性があるかもしれませんわね。


 ――

 ――――


 こうして休憩しつつほぼ何事もなく目的の村に着きましたわ。

 ワタクシ達は馬車を出て周囲を見回しますが……何と言いますか寂しい村ですわね。


「あらー、前に来た時よりさらに寂れてるわねぇ」

「廃村じゃないですわよね?」

「違うわよ、廃村に失礼ね!……間違えたわこの村に失礼ね」


 ベティさんは急いで言い直します。

 おそらく廃村なんじゃないか? と思っておりましたわね。


 ワタクシはサティさんの方を見ますと、サティさんが村を見回しております。

 あと、村人が怖がらないようにサティさんは人間に変身しておりますのよ。まあ、肌の色を変えてるだけですけどね。


「人の気配はあまりしませんね、宿も無さそうですよ」

「あら? 困りましたわね」


 宿が無いとなると……野宿ですわねぇ。

 野宿はなるべく避けたいのですが……あら? 何か騒がしいですわね?


「何か騒がしいですわね」

「あっちみたいねぇ、あっちは確か私たちの目的地の方向よ」


 ベティさんが指さしながらそう言います。


「まさか? 彼の所じゃないわよねぇ?」

「何かあってはいけませんわね、急いで見に行きましょう」


 ワタクシ達は全員で走って向かいますわ。

 少しすると兵士らしき男が四名ほど家の前に集まっておりますわね。


「あの家よ私が言っていた錬金術師の家よ」

「――兵士たちが怒鳴ってる」

「クナギ様どうされます?」

「もう少し近付きましょう」


 更に近付くとベティさんが兵士の盾を見て怪訝な顔をしましたわ。


「あれ、センネル家の紋章よ……」

「何か言い争っておりますわね」


 ワタクシとベティさんの様子をていたサティさんが


「クナギ様どうされますか? 何でしたら私が彼らを排除しますが?」

「――ワタシもいけるよ?」


 それでもよろしいですが状況が分からないのに排除するのはいささかリスキーですわね。


「いいえ、それはリスクが高いですわね」

「そうねぇ、なら何気ない顔で近付いきましょうよ」


 ベティさんがそう提案いたします、確かにこそこそするより面白い事になりそうですわよね。

 ベティさんの提案を採用し、ワタクシ達は正々堂々と家に向かいますわ。

 すると男と兵士たちが言い争う内容も聞こえてきましたわね。


「センネル様の誘いをお前は何時まで断り続けるんだ!」

「なーに、言ってるのよアンタたちに味方なんてするわけないじゃないのよ」

「なんだと? 前の雇い主の倍の給金を支払うと言ってるのだぞ」

「お金じゃないのよこのスットコドッコイ、わたしの元の雇い主を蹴り落としたのはアンタ達でしょ!」


 ……まさか、またオカマか……ワタクシがそう思っているとナルリアちゃんが思ったことを口にしております。


「――ベティと同じ喋り方!」

「あらー? 言ってなかったかしら? 彼とお姉さんは乙女同盟よん」


 ベティさんが衝撃のカミングアウトを涼しい顔して聞いていたサティさんが、どうでもいい疑問をベティさんにぶつけておりましたわ。


「男なのに乙女同盟なのですね?」

「あらぁ? サティちゃん男とか女とかは些細な問題なのよぉ、心が乙女なら誰でも乙女同盟になれるのよ? サティちゃんも乙女な心を持ってるならどうかしら?」

「是非」

「是非じゃありませんわ!」


 止めないと延々に続きそうだったのでワタクシが間に入ります。

 どうやらあの兵士たちもワタクシ達と同じ目的のようですわね、しかし歓迎はされてないと……ならば排除しても問題はなさそうですわね、センネル家? 知ったこっちゃありませんわね。


「さて、あの兵士達はワタクシ達と同じ目的のようですわね」

「そのようですね」

「――排除するの?」

「ええ、排除しますわよ。ですが行き成りではダメですので声を掛けますわよ」


 ワタクシは皆さまの前に出ると兵士たちに声を掛けますわ。


「そこのムサイ方々、申し訳ありませんがワタクシここの家の方に用事がありますの」


 ワタクシの声に兵士たちがこちらを見ます。


「なんだお前たち? こっちは取り込み中なのが見てわからんのか?」

「見てわかるから声を掛けましたのよ」

「なんだと? 邪魔だ引っ込んでいろ」


 錬金術師もワタクシの登場に驚いておりますわね。


「ここの方も困っているようですわよ? 引っ込むのはどちらかしら?」


 隊長らしき男がワタクシを睨みつけます。


「貴様! 俺たちが誰の遣いだか知らないと見えるな」

「知りませんわよ」

「痛い目をみないとわからんようだな」


 ワタクシが頷くと三人が動き隊長以外を一撃のもと戦闘不能にいたします。


「おい! お前たちこいつ等にお灸をすえてやれ……おい?」


 隊長は辺りを見回すしますが味方は誰もおりません、其処ら辺に転がっておりますものね。

 ワタクシが地面を指さし教えてあげますと、隊長は下を見ます。

 驚いた顔をする隊長。


「な……お前たち! これは一体?」


 ワタクシは腕を組みドヤ顔で隊長に詰め寄ります。


「排除させていただきましたわ」

「う、うぅ……」


 後ずさる隊長、ワタクシは更に詰め寄りますと隊長はアホヅラを晒しております。

 ワタクシは地面を音が鳴るように踏みしめるて前に出ると……


「くそ! 今回は見逃してやる」


 そう言って走って逃げていきましたわ……部下を置いて薄情な上官ですこと。

 ナルリアちゃんが逃げていく隊長にアッカンベーをしておりますわ、可愛らしいですわね。


「こちらが見逃したはずなのですが……」

「サティちゃん、アレは負け惜しみよ」

「なるほど」


 ワタクシ達は転がってる兵士を適当に隅に寄せて置いておきます。

 そしてワタクシ達は錬金術師と対面することになりましたわ。


「久しぶりねぇ、ハスター」

「あらー、ベティじゃないのよぉ」


 ……oh

次回は8/31更新予定です


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