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恐怖探究  作者: 篠田堅
27/44

テレビ

投稿者:Bさん

 鏡は古くから不思議な力が宿ると信じられてきました。

 その魔力は歴史上の美女を虜にしたともされ、風水的にも欠かせないアイテムにもなっております。

 鏡は基本的、姿を写す役割の他に良い気を引き付ける効果があるとされるのですが、扱い方を間違えると逆に跳ね返してしまい、悪い効果を表してしまうそうです。

 例としては四角い鏡は外側に向けておくと邪気を反射しますが、内側に向けていると邪気を反して部屋の中に滞ってしまいます。

 あなたの家の鏡はどう置いてますか? 外側を向いていますか?

 ですが、例え鏡の位置が大丈夫だとしても、“ふとしたモノ”が鏡の役割を果たしてしまうことがあるのでこれにも注意を払っておいてください。


――――――――――


 私の部屋に当時最新式の薄型テレビが置かれることになりました。

 キャンペーンによってだいぶ安くなったお手頃の大きさのテレビは花の無い私の部屋にとってうれしいモノでした。

 自分だけのテレビに私は興奮していたが、しばらくして普通にテレビを楽しむことにしていた。

 最新の予約システムだとかを説明書を見ながらいじくりつつ、その日は夜中まで番組を楽しんだ。


 次の日、朝目覚めた私はさっそく携帯で時間を見ようとしました。

 充電器の場所には携帯がない。いつもの感触がない違和感に一瞬慌ててベッドから私は起き上がったが、携帯はすぐに見つかった。ベッド横のカーペットの上に落ちていた。

 充電が満足に出来てなかったので電池が心もとなかったが、その日は携帯をあまり使わないように努めることにして部屋から出ました。


 思えば、ここから違和感は始まっていたのかもしれません。


 次の日、その次の日と私は必ず物を無くすようになった。無くすとはいっても部屋の中限定です。

 良く探せば必ずどこかで見つかる些細な物だが、そんな事が何度も起こった。

 母に聞けば「ちゃんと物を置かないのが悪い」と諌められるだけで解決にもならなかった。

 だって、ちゃんと棚に入れたのを覚えている物でさえ見つからなくなる事があった。

 でも記憶違いだと飽くまで考えた私には原因を特定することは何もできませんでした。


 そんなことがあって一週間後、次に無くなったのはテレビのリモコンだった。

 これにはさすがに勘弁してくれと感じた。いくら探しても見つからない。

 ようやく見つかったのは約十分後のことだった。なんと服掛けの中の服のポケットに入っていた。

 取り出してリモコンのスイッチを押してみる。けど電源はつかない。

 裏の蓋を取り外してみて電池を交換しようと新しい電池を持ってくることにしたが、ちょうど自分の見たい番組が始まっている所だったので、これ以上のロスは無粋だと考えた私は直接テレビの電源スイッチを押すべくテレビに近づいた。はっきりと見えたんです。


 テレビの黒い画面が光を反射することによって私の部屋の光景を淡く映していました。


 そこに居る筈の無い“小さな子供”が私のすぐ後ろで顔を覗かせている姿も……。

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