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「みんな大人にならないといけない」って、高校の先生は言っていた。

 僕がそれを聞いて思ったことは一つである。つまり、「そんなことを言っているあなたは、大人なのか?」ってことである。当時の僕が、先生に対して反抗的だったからそう思ったわけではない。いまでもそう思う。


 たしかに、高校生よりも先生の方が多くのことを知っているだろう。なぜなら、人生を長く生きていて、経験を積んでいるからだ。しかし、それで大人といえるのだろうか。もっと経験を積めば、あるいはもっと多くのことを考えれば、自分がもっと成長するかもしれないのに、「自分は大人だ」と言い切れるのはなぜだろうか。上には上がいると考えると、自分なんてまだまだと思うのは僕だけだろうか。


 もし自分が大人だと言いたいなら、単に年齢を積み重ねれば大人になれると考えればいい。そうすれば、自分は大人だと言い張れる。しかし、それだと何もせずともみんな大人になれる。だから、高校の先生は「大人な人間になるように」とわざわざ言う必要はない。


 他にも、「早く一人前になってもらいたい」というセリフも挙げられる。つまり、「あなたは、もう一人前なのか」と。ある企業の入社式を見ると社長さんが、「皆には早く一人前になってほしい」と述べている。一人前になるには、少なくとも経験が必要であろう。しかし、経験は急げばすぐに得ることができるものだろうか・・・。


 「一人前」、「大人」という言葉自体が、そもそも曖昧な言葉なのである。何を意味しているのかよくわからない。だから、曖昧な言葉を周知のこととして扱うと、なぜだか急に怪しく見える。自分の言っていることをその人はわかっているのかな、と。


 考えすぎかなぁ。



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