異世界行っても穴を掘れ! 2.5
ということで、今に至る。
いやこれじゃあ、ひん剥かれて目隠しされてる理由が分からないだろっていうのはごもっともな意見なんだけど、正直、説明のしようがない。
今僕が受けてるのは、平たく言えばアルバイト。
国が出してる求人なら安全だからって理由でこれを選んだんだけど、実態は理由すら教えられずに全裸拘束からの目隠しでの移動。
公的な仕事なのは確かなのだけれど今のところの扱いは罪人と変わらず、なんの作業なのかすらまだ不明。
一抹の不安。
ピリついた緊張感だけが辺りに漂う。
揺れが収まり、数秒の間を置いてから声がかかる。
「着いたぞ、専用の着替えを渡すから着替えてから降りろ」
拘束を解かれ、作業着らしきものに着替えさせられた僕らは、見張り役の指示のもと、僕らは止まった馬車からおりる。
久々の日光の眩しさと共にそこに見えたのは、
「何だ、この穴……」
森の中に突如と現れる巨大な穴。
「驚いたか、新入り。俺らの仕事はこいつだ! 」
深さはまだそれほどだけど、その大きさは下手なドームくらいは余裕にある。
際に立って見下ろしていると、ガラガラともう一台、後ろから馬車がやってくる。
「メアリィ、降りるよ」
「だからメアだって……! 」
華美な服装に身を包んだ2人の女性。
片方は日傘までさして、とてもじゃないが働きに来た様子では無いけど、彼女たちも、ここのアルバイトの参加者なんだろうか。
…………って、あっ!
「あの人……ここ来て初めてあった人だ」




