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17章 少年期 ~リスター帝国学校 2年生 アルメリア迷宮編~

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第269話 下僕

2031年12月21日 3時過ぎ



「マルス、走りに行きましょう」


 クラリスたちが起きてマラソンをしようと言ってくる。みんなは俺が夜中にマラソンをしていたことは知らない。


「あ、ああ……そうだなアイク兄たちも誘っていくか」


 さっきトラウマ級の出来事が起きてすぐに戻ってきてしまったので、俺も体を動かしたいことは動かしたいのだ。


 部屋を出るとすでにアイクと眼鏡っ子先輩が俺たちの部屋の前に来ていた。


「あ、おはようございます。もしかしたらずっと待っていたのですか?」


「そんなことはないさ、ちょうどノックしようと思っていたところだ。マラソン行くんだろ? 俺たちも同行させてくれ」


 アイクは張り切っていたが、どう見ても眼鏡っ子先輩は無理矢理連れてこられたという表情をしている。


「バロンはどうする?」


 俺がクラリスに聞くと


「バロンの部屋は正直ちょっと怖くて開けたくないのよね……誰か勇気のある人いる?」


 クラリスの問いに誰も答えなかった。こういう時にミーシャがいれば絶対にミーシャが開けたがるのだが、ミーシャは今サーシャと一緒に寝ているからここにはいない。


「じゃあやめておくか。ブラッドとコディを誘ってから行くか」


 俺の言葉にみんなが頷き、ブラッドとコディの部屋をノックする。


「ブラッド、コディ? 走りに行こうと思うんだが一緒に行くか? クラリスたちも一緒だぞ?」


 部屋をノックしても外から呼んでも返事がない。


「どうする? このまま2人を放っておいて行くか?」


「でも置いて行くとまた拗ねるわよ? 部屋の中に女の子がいる訳じゃないから開けてみない? もし鍵がかかっていたら諦めましょう」


 クラリスの言葉に従いドアを開けようとすると、鍵はかかってなくすんなり部屋のドアが開いた。


「ブラッド、コディ、今から走りに……わぁぁぁあああ!!!」


 部屋の明かりをつけてベッドの方を見るとブラッドとコディが抱き合いながら寝ており、珍ガールの悪夢がフラッシュバックし、思わず大声を出してしまった。


 俺以外のメンバーも全員ドン引きしていた。


 なんでベッドが2つあるのに1つのベッドで寝ているんだ?


「……なんだ……どうした……せっかくクラリスといいところだったのに……」


 コディが俺たちに気づき、目をこすりながらブラッドを引きはがそうとするが


「……姐さん……むにゃむにゃ……みんな見てますぜ……むにゃむにゃ……こんなところで……」


 ブラッドが寝言を言いながら必死に引きはがそうとしているコディを抱き寄せる。


 こいつ夢の中でクラリスとイチャついているのか……まぁ夢の中では自由にしていいが……


「くそ!……俺だってもう少しでいいところだったのに、ブラッドだけいい夢見せてたまるか!」


 コディの嫉妬にまみれた拳がブラッドの腹に突き刺さると「ごふっ」と言う声と共にブラッドが起きた。


「な、何しやがる! 今姐さんが俺にパンを買ってこいと微笑んでくれていいところだったんだぞ!?」


「うるせー! 俺だってクラリスから忘れ物をしたから取ってきてと可愛くお願いされた時に起こされたんだ!」


 イチャついている夢を見ていたのかと思ったのだが……こいつら2人はクラリスの近くに居られるのであればパシリでもいいらしい。


 2人もすぐに用意をして屋敷を出ようとするとバロンとミネルバも起きてきてミーシャと先生たちを除いた11人でアルメリアの朝の街を走った。


 当然珍ガールの前は避けて通った。もう一生あそこの通りにはいかない。



2031年12月21日 6時



「ライナー先生、昨日本当はどこに行っていたんですか?」


 いつもよりも少し早い朝食を取りながらライナーに聞く。


「なんだ? 本当はも何も昨日言ったとおりの場所だぞ? 名前は確か……『珍ガール』だったかな? あそこのブロリーちゃんっていう子が面白くてな。背が高くて筋肉質、緑色の髪の毛で長さはマルスくらいか、脇を刈り上げていて声が低くて、なんといっても黒目がどこにあるか分からない。たまんないだろう?」


 昨日の俺の肩を掴んだ奴と身体的特徴が一致してやがる。マジでブロリーって顔していたからな。サーシャがかわいそうにと思ってサーシャの方を見ると腹を抱えて笑っていた。


 楽しい? 食事も終わり各々が迷宮に潜る準備のために部屋に戻る。


「クラリス、男のロマンを渡しておいてくれないか?」


 男のロマンはクラリスが管理しているから装備するのにも許可が必要なのだ。


「そうね、ちょうどここにあるからいいわよ」


 クラリスから男のロマンを受け取り、身に着けるとクラリスのいい匂いが俺の体を包み込む。


 準備が終わり、屋敷の玄関ホールに向かうとすでに全員揃っていた。


「みんな、迷宮に入る前にこれを装備してほしい。強制ではないがこれは偽装の腕輪といって自分のステータスを偽る事ができるんだ。俺とクラリス、エリーがいつも装備している物だ。今の自分よりもステータスを低くしたり、スキルをごまかしたりできる」


 ほとんどの者たちが偽装の腕輪を装備したが、2人だけ装備したくないと言った者たちがいた。


 ブラッドとコディだ。2人はわざわざ自分を弱く見せたくないとの事だった。むしろ強く見られたいとも言っていた。まぁ自分を強く、大きく見せたいという気持ちはみんなも少しは分かるだろう?


「ブラム先生、義姉さん専用の矢と昨日のクラリスの食材も収納してありますか?」


 この為にブラムと眼鏡っ子先輩を同じ班にしたのだ。眼鏡っ子先輩のMPが尽き、攻撃手段がなくなると困ってしまうから、大量の矢をブラムの空間魔法で収納してもらっていたのだ。ブラムは首を縦に振り完全に準備OKだ。


 ちなみにジークとマリアは見送りには来ない。


 今2人はリーナとカインの4人で遅い朝ごはんを食べている。


 もしも俺が今からアルメリア迷宮に行くと言ったらリーナが一緒に行くと喚くかもしれないから、俺たちとジークたちの朝食の時間をずらしたのだ。


 セボンと数人のメイドにだけ見送られて屋敷を出ると、屋敷の前には見覚えのある顔が3つあった。


「マルス様、アイク様、クラリス様にエリー様! お久しぶりです!」


「ガイにマック、それにオルじゃないか!」


 皆覚えているだろうか? 獣人で狼族の黒い三狼星が俺たちを見送りに来てくれたのだ。


「久しぶりじゃないか? 今3人はどういう事をしているんだ?」


「イルグシア迷宮上がりの経験の浅い冒険者たちが死なないようにアルメリアの迷宮をずっと監視しております」


 さすがジークだ。冒険者の事もしっかりと考えているな。


「1つ気になったことを伝えたいのですがよろしいでしょうか?」


 ガイが3人を代表して聞いてきたのでアイクが頷く。


「【鬼哭】のパーティーメンバーなのですが、6人いるのです……ほかのパーティは5人以下が多いので少し気になりまして……それにズルタン以外全員髪の毛や眉毛などすべて剃っているので見分けがつきにくいです」


 なんか威圧感が凄そうなパーティだな。6人いるのは神聖魔法使いがいるからだろう。


「分かった、ありがとう。じゃあ俺たちは行くよ。3人も気を付けてな」


 アイクが黒い三狼星にそう言って立ち去ろうとすると


「おい、お前ら3人奴隷なのか?」


 ブラッドが3狼星に聞く。


「はい……失礼ですがどなたですか?」


「セレアンス公爵家嫡男ブラッド・レオだ」


 ブラッドの言葉に3人が動揺するがすぐに敵意をブラッドに向け、今にも飛び掛かる勢いだ。


「バーンズ様を追放したヴィクトリーの息子か!?」


 そうか、黒い三狼星はバーンズ派か……かなり嫌な空気が流れたが


「……やめて……もう終わった……」


 エリーが3人を制すると


「え、エリー様がそう仰るのであれば……」


 3人はすぐにエリーに従順な態度をみせた。


「そうか、お前たちは伯父上と一緒に居たものたちか……お前たちはなぜ奴隷になった? もしも嫌ならばジーク様に直談判して解放してやるぞ?」


 ブラッドの言葉に3人は頭を上げ強い口調でこう言った。


「私……俺たちは自らの意志でブライアント家の奴隷となった。契約しているのはジーク様だが、俺たちの主人はマルス様だと思っている。自分よりも弱い者に仕える気はないからな。それにここでの生活は十分に満足している。衣食住だけ用意してくれれば構わないと言ったが、そこらの騎士以上に給金も貰っている。敢えて不満を言うとしたら主人のマルス様が近くに居ないことくらいだ。だから余計な事はしないでくれ」


 あえてガイはブラッドに敬語を使わなかったらしく、ブラッドもそれを咎めなかった。


「そうか。獣人の奴隷といえば物扱いされることが多いと聞いていたのでな。マルスとエリーがいるからそんな事はありえないか……余計な事を言ってすまなかった。心から謝罪する」


 ブラッドが謝罪をすると3人は相当驚いたらしく顔を見合わせていた。


 獣人の長であるセレアンス公爵家の嫡男から謝罪されるなんて夢にも思わなかっただろう。


 アイクはもう大丈夫だと思ってすでに歩き出している。


 アイクに続きみんなも歩き出しており、ここには俺とブラッド、クラリスとエリーしか残っていない。


「マルスとエリーもすまない。疑うようなことを言って。そして人と同様に……いやそれ以上に扱ってくれて親父に代わり感謝する。親父がどうしても獣人の奴隷をなんとかしたいとずっと言っていたから、3人を見て我慢できなくてな。この3人のように奴隷でも幸せな獣人がいると分かって本当に良かった」


 ブラッドがそう言って俺に深く頭を下げた。


「ブラッド、分かった。もう行こう」


 俺がブラッドに言ってもブラッドは頭を下げたままで、動こうとしなかった。それを見ていたクラリスが手に持っていたバッグでブラッドの背中を軽く叩き


「ほら、お義兄さんとマルスがもう行くって言ったんだから行くわよ。今回は特別に私のバッグをブラに持たせてあげるから絶対に落とさないようにしなさいよ」


 ブラッドはすぐに頭を上げ、嬉しそうにバッグを受け取り、クラリスの歩いた後をなぞるように歩きだした。


お待たせしました。次話からようやくアルメリア迷宮です。

Twitterでも書きましたが、ステータス表記いまだに迷っております(笑)


Twitterやってます。

フォローして頂ければ喜びますのでもし良ければお願いします。


https://twitter.com/qdUYSDZf8XzNaUq

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― 新着の感想 ―
[良い点] 急にブロリー出てきて草! パラガス「今日はここに大人のお姉さんを求めてやってきたという訳だぁ!!」 ブロリー「ブロリーです」 パラガス「避難だぁ!!」
[良い点] 忠犬ブラ
[一言] ブロリーてwwwwwwしかも容姿が完全に一致してるwwwwww
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