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13章 少年期 ~リスター帝国学校 2年生 魔の森編 ~

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第207話 砦建設

2031年5月29日 10時



 魔の森が見える所まで【暁】、【紅蓮】、そしてヒュージの13名でやってきた。魔の森まで2kmくらいの距離だろう。


 そのほかの冒険者たちはバーグットで警戒をしてもらっている。相変わらず魔の森には魔力のヴェールのようなものがかかっているが、以前に来た時よりも禍々しく感じる。


「外から見る魔の森は何も変わらないわね。やはり領域(テリトリー)の中に入らないと様子は分からないか」


 サーシャが魔の森を見て言う。


「テリトリーってなんですか?」


 俺がサーシャに聞くとサーシャが


「テリトリーっていうのはね、魔の森から1kmくらいの所まで魔の森から魔力のカーテンのようなものが発せられているの。魔の森と外界を隔てるカーテンね。そのカーテンの中の事をテリトリーと呼んでいるの。魔の森の中で激しい戦闘があったとしても、その魔力のカーテンのせいで外には音があまり聞こえないのよ。またこのカーテンのせいで魔の森の中もテリトリー内に入らないと分からなくなっているわ」


「じゃあテリトリー内に砦を作った方がいいですか?」


「危険ね。みんなB級上位であればいいかもしれないけど……最初はこの辺に建てればいいと思うわ。それにほら……森への侵入者を撃退する魔物がやってきたわよ」


 サーシャが魔の森の方を見ると地獄の蛇(ヘルスネーク)がシャーシャーとこちらを威嚇していた。地獄の蛇(ヘルスネーク)を見たミーシャが


「マルス! 地獄の蛇(ヘルスネーク)は私に任せて! 5年前の恨みを今晴らしてやるんだから!」


 ミーシャの言葉にヒュージが


「ミーシャ! 1人では無理だ! ミーシャは知らないかもしれないが脅威度B-の魔物だぞ!」


「ヒュージ様! 大丈夫です! 1()()1()なら蛇には負けませんから!」


 ミーシャが地獄の蛇(ヘルスネーク)に向かって走り出す。ミーシャ、それはフラグではないか? 案の定ミーシャが地獄の蛇(ヘルスネーク)に近づくとテリトリーからもう1匹の地獄の蛇(ヘルスネーク)が現れた。


「キャー! 2匹は無理!」


 と少し緊張感を欠いた悲鳴でミーシャが戻ってくる。相変わらずの暴走具合だ。地獄の蛇(ヘルスネーク)を鑑定すると昔は分からなかった弱点が表示された。


【詳細】水魔法に弱い。


 考えてみれば蛇って寒さに弱いんだった。当時は必死だったから思い出せなくても仕方ないが、流石に今の余裕のある状況で、予想も出来なかった事に少し自己嫌悪になる。


「クラリス、ミーシャ! 地獄の蛇(ヘルスネーク)は水魔法に弱いぞ!」


 俺の言葉にクラリスが


「分かったわ! 私のこれまでの訓練の成果を見せるわ!」


 クラリスが両手を天にかざして魔法を唱えた。


氷結世界(ダイヤモンドダスト)!」


 クラリスがダイヤモンドダストを発現させると地獄の蛇(ヘルスネーク)の周辺の温度が急激に下がり、徐々に地獄の蛇(ヘルスネーク)が凍り付いていく。


 完全に凍る事はなくても俊敏な地獄の蛇(ヘルスネーク)の動きが非常に遅くなりその隙をクラリスが魔法の弓矢(マジックアロー)で2体の地獄の蛇(ヘルスネーク)に止めを刺した。


「やった! 出来た! まだ完全じゃないけど!」


 クラリスが飛び跳ねて喜んでいた。おい! そんな無邪気に飛び跳ねると……男性陣の視線が一か所に集まった事は言うまでもない。クラリスはそんな俺たちの視線に気づかず


「ねぇマルス! ちゃんと見てくれた!? どうだった!?」


 とても嬉しそうに聞いてきた。もちろん俺は


「さ、最高だったよ……目が離せなかった……」


 正直に答えると満足そうにクラリスが俺に抱き着いてきた。



「す、凄かったな……クラリスはマルスと付き合っているのか?」


 ヒュージが先ほどのクラリスの魔法か別の物か、どちらを褒めたか分からないが声をかけてきた。


「私はマルスと婚約しているのです。【黎明】の女子メンバーは全員マルスと婚約していますよ」


 ヒュージが驚き俺を羨ましそうな顔で見たのは言うまでもないだろう。


「それにしてもクラリス、本当に凄かったな。鑑定するぞ」



【名前】クラリス・ランパード

【称号】弓王・聖女

【身分】人族・ランパード子爵家長女

【状態】良好

【年齢】11歳

【レベル】46

【HP】98/98

【MP】1632/1742

【筋力】71

【敏捷】72

【魔力】90

【器用】86

【耐久】70

【運】20


【固有能力】結界魔法(Lv4/A)

【特殊能力】剣術(Lv6/C)

【特殊能力】弓術Lv(8/B)

【特殊能力】水魔法(Lv7/C)

【特殊能力】風魔法(Lv4/F)

【特殊能力】神聖魔法(Lv8/A)


【装備】ディフェンダー

【装備】魔法の弓(マジックアロー)

【装備】聖女の法衣(セイントローブ)

【装備】神秘の足輪ミステリアスアンクレット

【装備】偽装の腕輪



 水魔法の才能がCになりレベルも7に上がっていた。ステータスも全て70を超えている。神聖魔法が使えてこのステータス。十分すぎる戦力だ。



 少しクラリスの匂いと感触を堪能すると


「ヒュージ様。今から砦を作ります。ヒュージ様たちはこの辺の警戒をしてもらってよろしいでしょうか? 恐らく僕はMP枯渇で眠ってしまうと思うのでよろしくお願いします」


 俺の言葉にヒュージが頷くとさっそく俺は土魔法で砦を作った。まずは1階部分の皆の待機場所をかなり分厚くする。


 俺の土魔法にヒュージだけではなく【紅蓮】メンバーも目を見開いている。俺達がここを去ったことを考えて待機所を30人位は余裕で収まる広さにした。


 しっかりとした柱を中央付近に4本設置したところでMPが枯渇した。死の森の砦を増築した時よりも広さが有る分MPの消費が激しかった。


 この魔の森に近いところでMPを枯渇させるか迷ったが、ヒュージやサーシャは魔の森の中に入ったことがある人達だ。きっとうまく乗り切ってくれるだろうと思ってMPを枯渇させたのだ。


 3時間後、目が覚めると俺の隣にはなぜかエリーが寝ていた。そしてエリーだけでなくカレンとミーシャも同じベッドで横になっていた。


 まぁここにエリー達が居るという事は平和なのだろう……と思ったが、外が何やら騒がしい。すぐに外に出ると、アサルトドッグの群れをアイク以外の【紅蓮】とアリスで一生懸命倒そうとしていた。


 アイクとクラリスがそばにいて、ヒュージやサーシャは別の所を警戒している余裕もある。


 俺はその戦闘をよそに2階部分を作り上げた。2階はいつものように居住空間だ。風呂は6つ、寝室を8つ作った。


 寝室の一部屋だけ、6人で寝られるように大きくし6人で寝られる大きなベッドを作った。


 またMPが枯渇しそうだったので、1階の待機所の仮設ベッドで寝ているエリーをお姫様抱っこして新しく作った6人寝られるベッドまで連れていった。


 同様にカレンとミーシャも1人ずつお姫様抱っこをし、エリーと同じベッドまで連れて行った。俺は新しく作った風呂に入り、エリーの幸せそうな顔を見ながらMPを枯渇させた。


 18時を過ぎたころに目が覚めると、カレンとミーシャも俺と同じころ起きた。


「あれ? ここどこかしら? 私たちは確か待機所で寝ていたんじゃなかったっけ?」


 カレンが少し寝ぼけた様子で現状の確認をすると


「おはよう、カレン、ミーシャ。ここはさっき作った砦の2階部分の寝室だ」


「6人ベッドじゃない! これで揉め事が起きることもなく……いえ……ガルが居たわね……アリスが一緒となると絶対に怒るわよ?」


 カレンの言葉にミーシャが目をこすりながら


「ガルっちが文句言ったら追い出しちゃえ! ここはマルスが家主だから出て行けって!」


 そんなことが言えるわけない。まぁ言われたらエリーの精神状態を見て考えるとしよう。


 エリーはまだ寝ているので3人で1階に降りるとみんなが待機所で集まっていた。


「マルス! お前本当に凄いな! この壁の分厚さは死の森の砦と同じくらいじゃないか! これだったら安心して拠点として過ごせる! マルスは土魔法も使えたのか!? 相当レベル高そうだが?」


 ヒュージが手放しで俺を褒めた。そう言えば最近自分自身を鑑定していなかったな。



【名前】マルス・ブライアント

【称号】雷神/風王/聖者/ゴブリン虐殺者

【身分】人族・ブライアント伯爵家次男

【状態】良好

【年齢】11歳

【レベル】43

【HP】111/111

【MP】8125/8125

【筋力】105

【敏捷】104

【魔力】121

【器用】101

【耐久】97

【運】30


【固有能力】天賦(LvMAX)

【固有能力】天眼(Lv10)

【固有能力】雷魔法(Lv9/S)

【特殊能力】剣術(Lv9/A)

【特殊能力】火魔法(Lv5/D)

【特殊能力】水魔法(Lv5/D)

【特殊能力】土魔法(Lv7/C)

【特殊能力】風魔法(Lv10/A)

【特殊能力】神聖魔法(Lv8/A)


【装備】雷鳴剣

【装備】火精霊の剣(サラマンダーソード)

【装備】鳴神の法衣

【装備】偽装の腕輪


 おぉー。いつの間にか土魔法がレベル7になっていた。

 まぁこれだけ普請していれば上がるよな。

 最近はどの街に行っても街壁と街門を修理しているからな。



「土魔法は得意です。あとでもう少し改修します。3階に見張り台を作ろうと思いますので」


 俺の言葉にヒュージが満足そうに頷いた。


「さて分かっているとは思うが、夜はマルスとエリー、カレン、ミーシャで警備をしてほしい。バーグットの町全体を守るよりここの砦を守るだけの方が楽だとは思う。ヤバそうだったら俺を起こして構わん。俺たちも起きたら警戒にあたる。いいか?」


 俺がヒュージの言葉に返事をするとアリスが


「マルス先輩! 私少しは強くなったと思うのですがどうですか? 昼間にアサルトドッグと戦って、とても時間がかかりはしましたが倒すことができました!」



【名前】アリス・キャロル

【称号】-

【身分】人族・平民

【状態】良好

【年齢】10歳

【レベル】22

【HP】44/44

【MP】32/97

【筋力】29

【敏捷】36

【魔力】30

【器用】33

【耐久】29

【運】20


【特殊能力】細剣術(Lv6/A)

【特殊能力】神聖魔法(Lv3/C)


【装備】聖銀のレイピア

【装備】身躱しの服



 アリスは順調に強くなっていた。アリスがレベル30になるまではみなでここを拠点にしてレベルを上げる事にしよう。


 皆が休憩に入るとエリーを起こして4人で警戒にあたることにした。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 第130話で なぜブリザードで倒そうと思ったかというと地獄の蛇ヘルスネーク対策だ。 多分だけど地獄の蛇ヘルスネークは寒さに弱いと思う。 とマルスが発言しているのに、今回は 考えて…
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