第四十一話
「リブラ……」
「カグラ様……」
私は目を閉じた……。
……あれ? 私の顔に……水滴が?
私がゆっくりと目を開けると……カグラ様が……泣いている……?
「カグラ様……?」
「リブラ!」
「うわぁ!?」
カグラ様が、押さえつけていた手を放し、私に抱き着いてきた!?
いきなりなんですか!?
「リブラ……行っちゃやだぁ……」
「……」
まさか……カグラ様も私と同じ思いを……?
「私……心配なの……ここから離れて、リブラがまた自ら命を絶つんじゃないかって……」
「……」
私はカグラ様に手を差し伸べ……頭を撫でた。
昨夜、カグラ様が私にしてくれたように、私はカグラ様を包み込んだ。
「カグラ様……私はもう、そんなことは考えません」
「え……?」
「だって……生きる希望ができましたから」
「それって……どういう事……?」
私はずっと心の中に秘めていた。
昨夜からずっと思っていた気持ちを打ち明ける決断をした。
どの道、ここには二度と来ることはできない。
それならば、今打ち明けてしまおう
拒絶されてもいい、ただ、今は……気持ちを伝えたい!
「カグラ様……私は……貴方を……愛しています!」
「……え?」
カグラ様は私の拘束から離れ、私と目線を合わせた。
「それって……どういう事?」
カグラ様は、私の言葉を再確認を求めた。
私は再び言うのが恥ずかしかったが、勇気を出して、もう一度言った。
「カグラ様! 愛しています! 私は、貴方の事を愛しています!」
私は大声でそう言った。
その言葉に嘘はない、私の本心だ。
私はカグラ様を愛している、何度でもそう言える。
「……」
カグラ様は何とも言えない顔で、私を見つめる。
私は目を閉じ、カグラ様の返事を待った。




