第89話 何度目か解らない白い空間
3人は、受付のオバチャンが運転する車で
ダンジョンが昨日まであった入り口の施設に向かっている。
…
……
………
何度目になるか解らない何時もの時間が止まった感覚が斑鳩に襲いかかり
白い謎の空間にいた。
『ダンジョンクリアオメデトウ!』
「又何かあるんですか?クリアしましたよね?」
『モンスターが溢れかえる前にクリアも出来た。そこには問題はない』
「じゃあ何処に問題が?」
『君達が仕掛けた罠が良くなかったよ
出入口付近にモンスターが溜まってたせいで
ダンジョンのボスが倒された瞬間
ネズミ型なだけあって危険を察知した奴等は入り口から一斉に外に飛び出した。
今施設は大変な事になっている。
まあ施設?小屋?周辺の敵を掃討してくれ』
「マジカ……
そういえば今回は長い間ここにいれるんですね。」
『ダンジョンが踏破された近くだからだ
それと、又便利なスキルをあげるから頑張ってくれ』
そう言うと、再び元の世界に戻り始める。
………
……
…
「えっ?ちょっと!」
「どうしたんだ?何かあったのか?」
瀧山講師が変な人をみる目で覗き込んでいる。
相変わらず時々顔が近い
「何かあったのね。」
辻本さんは察しがいい
「ええ、、、入り口にあった施設付近でホーンラットが大量にハグレ化して荒らしているらしいです………」
「「えええ!」」
「手遅れだったのか?」
「そんな感じです。」
罠のせいで溢れ出たのは、オバチャンがいたので言わなかった。
「そうか……まだ時間はあるホーンラット如き掃討してしまえばいい」
「あんた達何を話してるんだい?ホーンラットが溢れ出てるってほんとかい?」
「ええ、時々『直感』というスキルが発動するらしく解ったみたい」
白い空間の事は知られると面倒なので辻本さんが適当な嘘をついてくれた。
「それと、変なスキルをくれました。『笛吹き』らしいです。
口笛でスキルを使う事が出来るようで、スキルを使うと周辺にいる小型のモンスターや小型のハグレが寄ってくるらしいです……」
送迎用のワンボックスカーの後に3人はいたのでオバチャンには聞こえてい様に小声で説明する。
「何か又、よく解らないスキルが増えたもんだね。変なスキルのコレクターかなんかかい?ハハハハハ」
「それを使って掃討しろということなのかな?」
「そうらしいです……小型限定とか微妙……」
バカにしている瀧山講師が、この後に
置いていた車が破壊されて発狂する事になることはまだ誰も気付いていない………
施設の少し手前で3人は降ろして貰う。
念のためにオバチャンには、帰って貰うことにした。
本当に溢れかえっていたら、ダンジョン協会に連絡して貰うために一応、電話番号を交換しておいた。
施設からはまだ数百メートルは離れているが敵が小さい事もありまだ周りには何もいない
「あ〜こんな事ならオバチャンの家で何か食べさせて貰ったらよかった〜」
「ちょっとそれはいくら何でも、図々しくないですか?」
瀧山講師は、辻本さんに怒られる。
「でもお腹がすきましたね。携帯食だけじゃ物足りない…」
そうこうしていると、施設が見えてくる。
「何かちょこちょこ走ってない?」
「何か動いてますね」
「何か動いてるわね」
遠目に何かがいる事が解る。
「ちょっとスキルで呼んでみてよ。数が解らないし
もし大量にいたらこのまま行くのは危険だわ」
「解ったちょっとスキルを使ってみます。警戒をお願いします。」
斑鳩は少し控えめに口笛を吹く
『ピーーー』
「ちょっとなんで、そんな控えめに吹くのよ」
そんな言葉を尻目に
周りの茂みからガサガサ音がしてくる。
「そっちかい!前から来ると思ったよ」
「いえっ前からも来てます。」
「後からも来てるわよ」
小さいし弱いがホーンラットは数で攻めてくると一筋縄では行かない
まだ離れた位置で控え目に吹いたが
前後左右から来ているホーンラットは推定でも100匹は居そうだった。
「背中合わせで死角を無くして戦うわよ、数が多過ぎる!」
瀧山講師のその言葉を皮切りに、ホーンラットとの泥沼の戦いが始まった。




