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第87話 遭難

不思議な浮遊感でいつの間にか外にいた3人

持ってきていた荷物も一緒に外に放り出されている。

荷運び用の一輪車やノコギリは受付のオバチャンの私物なので無くさなかったのは幸いだった。


但し問題が1つ出て来てしまった。


「これってもしかして、遭難ですか?」


「いい!言わなくてもそのままだ遭難だ」

酒を飲み始める、なかなか酔えない体質なのに取り敢えず生中みたいな感じで飲んでいる。

飲んでいるのは、何処から取り出したか解らないけどウイスキーのボトルを直飲みしている。


「流石に困るわね。圏外みたいで連絡も取れないし地図も開けないわね」


「流石にダンジョン内を、2-3kmかそれ以上歩いてたらどっちの方向に向かってたか解らないし

こうも木に囲まれてたら、目印になるものもないしどうしたものか…」


山奥のダンジョン、何キロも進んだ後に地上に放り出されるとダンジョンクリアできたはいいが普通に遭難してしまう。


「遭難したら動かない方がいいってよく言われるけど、これじゃあね…周りは木しかない…」

斑鳩は、一緒に出てきた一輪車を両手で持ち上げ被るように持っている。

レベル効果もありそんなには重くないようだった。

重くないのと見た目とは別問題で、瀧山講師には格好をバカにされている。


「斑鳩君

もうちょっと持ち方何かないのかな?なんか凄く間抜けな感じがする」


「しょうがないでしょ、森の中で一輪車なんて押せないし返さないといけないし」


「そうか〜ならしょうがないわね。プププ」

瀧山講師が笑いを堪えている。

「辻本さん、スキルで何か出てこないの?」


「一応出てきたわ

山の上に向かう→明日助かる

山の下に向かう→明日助かる

どっちに向かっても明日には助かるみたい」


「良かった〜明日中に助かれば仕事に間に合うわ」


「瀧山講師って、意外と真面目なんですね。遅刻とか欠勤とか気にしないたちだと思ってました。」


「気にするわよ

適当に生徒に教えて、適当に弱いハグレ退治してたら良いだけのこんな職場辞めれないわよ。意地でもしがみつくわ」


真面目なのかどうなのか解らない回答が返ってきた。


「どっちに行くかだけど、どっちに行く?

山の上に行く場合は大変だし

山の下に行く場合は、崖があったら大変

斑鳩君に任せるわ」


「どっちに行っても助かると解ってるなら、下りでお願いします。」


「じゃあ下山しましょうか、恐らくだけど山と山の間みたいな所に到着すると思うから助かりはまだしないけど、平らな場所があればそこで野営の準備でもしましょう」


「了解」「解りました。」


3人は予想通り、山の下には辿りついたが特に道路とかには到着出来ず

ただ最初に居た場所よりは平らな感じの場所に辿りついたのと、湧き水が出ている所を見つけた。

湧き水が出てはいるが、小さな沼みたいなのが出来ている場所で川には繋がっていなかった。

湧き水を沸かしたら飲めそうな透明度だったので、この際気にせず水を使うことにした。


「この沼からちょっと離れたこの岩を中心に場所を切り開いてテントを建てましょうか」


「そうね。暗くなる前にやりましょ」


3人は、ナタやマチェットを使い5m四方を切り開いた。


岩を中心にしたのは、岩が20-30cmほどの高さでそれほど高くなく尚且つハグレよけの簡易結界を置くのに丁度良かったからだった。


「ハグレは、簡易結界があるからいいとして野生動物が問題ねっと言いたい所だけどそれも実は大丈夫

簡易電気柵も持ってきてるから棒を立てて針金を周りに張り巡らせるわ

丁度いいわ一輪車の荷台に機材を置いてそれを起点に伸縮槍を3本立てれば四角になるから、やるわよ」


斑鳩は(こっちの世界には便利なものがあるんだな〜)と思いつつ簡易電気柵を設置した。

バッテリーみたいな所に魔石をジャラジャラ入れておくと電気に替えてくれるみたいだった。


「まあこれで大丈夫でしょ、一般人ならこれでも心配だけど1番弱い斑鳩君でさえレベル20以上だから一般人の2倍の能力値があるさずだし武器もあるからイザとなったら野生動物でもヤルわよ」

瀧山講師は、ヤル気まんまんだった。


その後、瀧山講師主導で野営準備が完成した。

そしてなんといっても驚いたのが、テント1個に3人で寝ることになった事だった。

ただし、寝るといっても警戒を怠らないのと深く寝すぎ無いように座って3方向に向いて寝る事になっている。


食事は携帯食で済ませ

暗くなる頃には眠りについた。


失敗したのは、水場の近くだったので虫が大量に飛んでいて五月蝿かったが

虫除けの線香の煙でなんとか対応できた。


問題だったのは

定期的に水を飲みに来た野生動物が簡易電気柵に当たり叫び声とかが五月蝿かった事だった。これはどうしようも出来なかった。





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