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お題「食欲がわかなくて本読んでいたら、本食べてました」

 食欲がわかなくなったから、本を食べるようになったのか。本を食べるようになったから、食欲がわかなくなったのか。今となっては分からない。


 遠い夏の日を境に、まともな食事を摂れなくなってしまった。1日1ページずつ、俺は替わりに本を食べる。


 綺麗な状態で保存してきた本を力任せに破る。かなりの抵抗があった。もう止めよう。今日で最後にしよう。幾度となく、そう考えた。


 ぐちゃぐちゃの本の重なり。引き裂かれて、投げ捨てられた本たち。過ちを繰り返すたびに、目頭が熱くなる。


 どうしたって、食べずにはいられない。ぐっと固く握り締めた手中。すっかり小さく丸まった紙。それがお気に入りのページであればあるほど、甘くて美味い——。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 野田さんの心境が出ていて面白いお話でした!! 活字への飽くなき欲求ですね! 読んでいて、ライトノベルの文学少女シリーズを思いだしました!
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