坂の上から毎日のように転げ落ちる無愛想くんとどんな怪我でもあっという間に治してしまう不思議な包帯を持つ爽やかくんのお話
ここからは「坂の上から毎日のように転げ落ちる無愛想くんとどんな怪我でもあっという間に治してしまう不思議な包帯を持つ爽やかくんのお話」のネタバレを含みます。
ネタバレを好まない方は、ぜひ本編を読んでからいらしてください。
では、どうぞ──
続いて紹介いたしますのは、「坂の上から毎日のように転げ落ちる無愛想くんとどんな怪我でもあっという間に治してしまう不思議な包帯を持つ爽やかくんのお話」です。
タイトル長いっ!!
以下「たむたむ」と表記します。
ではまずは簡単にあらすじをば。
海道美好十六歳。生まれてこの方記憶の限り、こけなかった日の記憶がない。
高校生になったある日、学校の花壇の上に転んでしまい、そこで水やりをしていた半澤通と出会う。
ボーイミーツボーイから始まる青い春の出会いと別れ。
ってな感じで。
毎度ながら私の作品紹介文って少々恥ずかしい気がするけど気のせいだよね!
まあ、それはいいんです。この話は四部構成で春夏秋冬が章タイトルになっています。最初は文学フリマに出すはずだったのに春だけで文字数にリーチがかかり、夏が終わる気配を見せないのに40000字突破したよ、あははー! となった作品です。
その言葉遊びは最後の写真の並びですね。さわくんがうみくんに残した願いのメッセージ。
キバナコスモス
白詰草
ハナミズキ
紫苑
ペンペン草
菜の花
イチョウ
デイジー
だったか。少し完結から日を置いたので自信がありませんが、順番は合っているはずです。
この作品はこのメッセージのために作ったものですから。
全て見ると、ちゃんと作中に出てきた花なんですよ。そして、共通して"うみくんが写真に撮った花"でもあります。
さて、実はこの表記だけでは謎を解けません。この写真たちに込められた本来のメッセージを読み解くには少々花の知識が必要です。
まあ、知識といってもそんなたいそうなものではなく、単に名前の知識ですが。
メッセージを浮かび上がらせるためには二つの花の名前を別称に置き換えることが必要です。
まずは"白詰草"。これは三つ葉です。
それから"ペンペン草"。これは春の七草の一つで"ナズナ"と言います。
それぞれ今言った名前に置き換えてみましょう。
キバナコスモス
三つ葉
ハナミズキ
紫苑
ナズナ
菜の花
イチョウ
デイジー
カタカナで揃えるとわかりやすいかもしれませんね。
キバナコスモス
ミツバ
ハナミズキ
シオン
ナズナ
ナノハナ
イチョウ
デイジー
気づきましたか?
つまり、こういうことなんですよ。
キ
ミ
ハ
シ
ナ
ナ
イ
デ
「君は死なないで」
唯一人の親友に伝えたかった言の葉──




