表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第五章 公爵

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

166/371

165.面会

「仮眠したい」

「お心のままに」

 というわけでネグリジェに着替えさせられてベッドへ。

 グレースに起こされると疲れは消えていた。

 若いって素晴らしい(泣)。


昼餐(ランチ)の前に入浴なさって頂きます」

 お風呂に放り込まれる。

 食事の後の方がいいのではないかと思って聞いたら髪を乾かす時間が必要なのだと。

 こういう手順は専門家(プロ)が立てているんだろうな。

 簡易型のドレスを着せられる。

 昼食はフルコースかと思ったらアフタヌーンティーだった。

「時間が押しておりますので」

 私が寝過ぎてフルコースを食べる余裕がなくなったそうだ。

 すみません。


 さっさと片付けてまた着替えて髪を弄られお化粧されて戦場へ。

 高位貴族ってこういう生活をしているのか。

 一段落つくごとに着替えて。

 それは下位貴族と付き合ってる暇なんかないよね。

 それから日が暮れるまで延々と同じようなことをくり返した。

 途中で何がなんだかわからなくなってきて、会った相手はその場で忘れた。

 いいの?


「問題ございません。

 我ら臣下が控えております」

 家令(ヒース)家令見習い(アーサー)に加えて初めて見る人達がお部屋の隅で一心に何か書いていた。

 聞いてみたら書記や右筆なのだそうだ。

 私やお相手の言動を全部記録しているらしい。

 しかも間違いや見落としを避けるために複数人で。

 だから私が何も覚えて無くても必要になったら聞けば教えてくれると。

 有り難い。

 でも、だったら私が王国貴族や領地について覚える必要はないのでは。

索引(インデックス)くらいは覚えて下さい」

 さいですか。


 それはそうか。

 何も知らなかったら質問とかしようがないものね。

 何となくもやもやしたまま本日の予定(スケジュール)を終える。

 家令(ヒース)に「お疲れ様でございました」と言われたときには日が暮れていた。

 疲れたよ(泣)。


 ちなみにシシリー様によれば、こういう時は家令(ヒース)が私に「ご苦労様」と言うのは間違っているそうだ。

 それは目上の者から目下に対してかけるお言葉だから。

 私が家令(ヒース)に言うのはいいんだけど。

 尚、私が「お疲れ様」と言うのは許される。

 別に目上から目下に対してだけ使う言葉じゃないから。

 つまり私は何を言ってもいいのだ!(違)


 専任メイド(グレース)に連行された衣装部屋(ドレッサールーム)で服を剥ぎ取られ、そのままお風呂へ。

 お腹がペコペコだったけど、それ以上に脱力して動くのが億劫だったからされるままだ。

 そして待望の夕食。

 晩餐(ディナー)だった。

 私の希望で一人で食べる。

 いや、食事の時くらい気を遣いたくないし。


 私、孤児院時代からずっと大勢で食べていたんだけど、どっちかというと孤独というよりも孤立が好きなので一人がいいのよね。

 むしろ憧れていたりして。

 貴族はそういう人が多いんじゃないだろうか。

 だって一日中、誰かと一緒にいてずっと気を遣っているのよ。

 煩わしいことは出来るだけ避けたいのが人情でしょう。


 食事の後、例によって模様替えされた応接室に移ってコーヒーを楽しんでいたら家令(ヒース)が来た。

「これで貴族との会見はとりあえず終了でございます」

「良かった。

 もう帰っていいの?」

 王宮はやっぱり落ち着かない。


「明日、王家の方々との会談が予定されております。

 お疲れでしたら延期も可能ですが」

「無理でしょ。

 判りました」

 これで最後のはずだ。

 パパッと終わらせて自分ち(タウンハウス)に帰りたい。

「離宮でございますが」

 いいんだよ!


 翌朝はゆっくりで良いと言われたのでだらだら過ごした。

 ベッドで朝食を摂ったりして。

 私の前世の人が読んだ小説にそういうシーンがあったのよね。

 怠惰な貴族令嬢がベッドから出ずに生活するという。

 さすがにそれは無理だけど、ベッド食はやってみたかった。


 専任メイド(グレース)に頼んでみたらあっさり頷かれた。

 ベッドの上に広いテーブルが広げられる。

 そこにやっぱりアフタヌーン・ティー的な食事が。

 私、大食い(そういう奴)だと認定されてしまったらしい。

 深窓の貴族令嬢だと小鳥みたいな食事で済ませるという話を聞いたことがあるけど、私は違う。

 食わないと力が出ないタイプだから。


 例によって全部平らげてコーヒーまで飲んでからベッドを出るとお風呂だ。

 髪を乾かしていると家令(ヒース)が来た。

「おはようございます」

「おはよう。

 もう?」

「いえ、まだしばらくかかるかと」

 それからちょっと躊躇ったみたい。


「何か?」

「王家より連絡がございました。

 本日のご面会のお相手は王妃殿下および王太子妃殿下とのことでございます」

 国王陛下や王太子殿下じゃないのか。

 だから謁見じゃなくて面会になると。

 女性同士ってこと?


 ちなみに今家令(ヒース)が言った二人は両方とも公爵()より身分が高い。

 別にいいんだけど。

「お話しするだけ?」

 そういえば凄腕のお化粧メイドを譲って貰ったお手紙を書いてお礼を送ったっけ。

 その関係なのかも。

「それは何とも。

 ですが、どうも極秘のようで人払いを命じられました」

 ぎくり。

 何かヤバい?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ