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泥状のギギルコン「と」  作者: がら がらんどう
とんかつととんかつ
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第12話 図書館/倍の人生

 

 11月16日。図書館の日。おれはうれしくていつもより早く起きて支度を始めた。


 公園は人の目も辛い上に、退屈なのに退屈していると思わせない演技もしんどい。ただ、だからこそ。


 歯磨き、シャワー、着替えを終えたおれは、お茶を飲みながら思う。


 人は心掛け次第で幸せになれる。図書館に行くだけでうれしいんだよ。雨の日も公園は中止だから雨もうれしいんだよ。


 どこかで調整しないと早く着きすぎる。それをわかっていながらおれは7時50分に家を出た。

 そしてかなり強引に季節を感じながら遠回りして歩いたが、8時30分には図書館前に着いたおれは目の前にあった公園のベンチに座る。


 外から見たらね、やってることは一緒だよ。結局公園行ってるじゃないかって。でもね、やってみたらわかるよ、全然違うから。まず退屈してない演技しなくていいもん。普通に公園で図書館が開くのを待ってていいから。これは楽だわ。この公園なら耐えられる。あー、朝の空気が気持ちいね。


 そのまま図書館が開く9時まで公園で過ごした後、空腹の限界であった午後2時まで図書館で過ごしたおれは予約していた本を含め全部で6冊借りた。


 最初は10冊までだから10冊借りていたよなあ、あの時のおれは馬鹿だったよ。ドリンクバーとか詰め替え用の洗剤をぎりぎりまで入れるようなもんだ。次でいいじゃない。無くなったら、また欲しくなったら、次でいいじゃない。

 

 空腹と肩に掛かる6冊の重さを忘れるためおれは考えを進める。


 でもまあ図書館の存在自体がね、作者とか出版社によっては、おっとこれはデリケートな問題だからやめて、どこ寄っていくかなあ。おれは季節を感じるためのルートとは別の実務的な道を通り、途中にあったスーパーに入った。


 適当にいつものコースを流していると、大量のうどん(3玉入り)が半額になっているのを見つけ、おれはショックのあまり口を開けたまま、早足で入口にある買い物かごを取り、陳列してあるうどんをすべて入れた。


 レジで会計を済ませたおれは、計12袋を半笑いでレジ袋に詰め込む。

 おいおい、うどんはおれの主食だぞ。ということは人生の一部だ。つまり半額のうどんを手に入れるということは人生が倍になったと同じだ。

 

 本の重みを忘れるとは言えない程度の負荷を右手に感じながら歩き、マンションに着いて部屋に入った瞬間、おれはうどんの期限を確かめた。

 

 すべて明後日までだったが、別に関係ない。本当に全然関係ない。だって普通に冷凍するもん、おれ。

 2袋だけを残してすべて冷凍した後、昼食はいいことがあった時、もしくは激しく頑張った時用の2食入りの生ラーメンを1つ食べることにした。


 最高だ。今日は本当にいい日だ。西日を浴びながらラーメンを食べる午後3時。


 これで終わろう。この前のスタンプからの流れは。浅瀬でぱちゃぱちゃやってただけだし。というか1年前からぱちゃぱちゃなんだよ、おれの生活は。あんまりよくないね、こういうのを続けるのは。今日で終わろう、ボランティア100日編。ありがとう、どうもありがとう。

 で、まず公園と図書館は今日で完全終了ね。でもボランティアに関しては予定入ってる分はきちんとやらないとな。交通費とかスタンプで助けてもらったし。

 

 おれは何らかの方法でこの光景を記録しておきたいと思ったが、これまでの繰り返しになりそうなので止めた。


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