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VRMMOの錬金術師  作者: 湖上光広
第三章:希望を照らす想い
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特別話:大晦日と言えば大掃除

今年最後の投稿も時間に間に合わず。来年の抱負は「時間通りの投稿」で決まりですね。はぁ~。

12月31日。世間で言う大晦日。


この日だけは普段「掃除なんて面倒だー」という人たちもがんばって掃除をする日。それにちなんでCWOでも大掃除が現在進行形で行われている。


「しかし、多すぎないか?」

「確かに。これはやはり異常だ」


俺が今いる場所は樹海の入り口付近。目の前では多くのモンスターを相手に奮闘しているフェアリーガードに入団したばかりの若者たち。入団したばかりの者たちがこの大掃除に強制参加され、ミシェルのような強者がそれを支援するのがフェアリーガード流の大掃除のありかたらしい。

なお、俺は彼らがモンスターの集団に囲まれたとき用のフレイムボムを作るためにここに呼ばれており、すでに10回以上の調合を行っている。


「この時期になるとなぜか活性化するの。学者たちがいろいろ調べてるけど原因はいまだにわかってないのよ」


今回樹海の入り口を担当するのが第三部隊と第六部隊なのでここにはエイミさんもいる。魔法を用いる第六部隊が魔力の回復をしている間彼らを守る形で第三部隊が戦闘をするというスタイルだ。


(まさかその理由が現実の都合だとはとても言えないよな)


またしてもフレイムボムの爆発が見えたので新しいのを調合しながら俺は苦笑していた。






「ん? メール?」


合計23回の調合を終えたところでメールが届いた。相手はエルジュだ。


「何々。『こっちは300体討伐完了! まだまだがんばるよー』。あっちもがんばってるな」


普通ならあり得ない討伐数だが、これが今目の前で起こっているモンスター大量発生のからくりなのだ。

実は12月29日~31日までの間、全モンスターの出現率が通常の倍、特定の敵については三倍になっており、その期間のモンスター討伐数によって運営から1月1日にお年玉がもらえるプチイベントが開催されているのだ。

当然特定の敵を倒すとポイントが高く、1体倒すと通常のモンスターの1.5体分となる。その特定の敵は各種族のエリアごとに異なっているため、全プレイヤーがそこに集中するような事態にはならない。


しかし、そんなことはCWOで生きているNPCには関係がないのでフェアリーガードのように警備をしている人たちにとってはまさに地獄の3日間となっているのだ。

まあ、多くの敵と戦う機会を得られてるので個人の能力向上や連携を確認する場所として活用されているようだが。







「さて、そろそろ減ってきたな」

「ああ、とある時を境に途端に減り始める。こうなるともう問題ないだろう」

「そうね。今回も無事乗り切ってよかったわ。死者もいないし」

「あとはこの減り始めるきっかけさえ判明すればいいのだが」

「そこは学者たちに任せましょう」


二人の会話が聞こえてきたのでウィンドウを表示し、時刻を確認してみれば22時過ぎ。どうやら現実の時間で残り2時間となれば減り始めるようだ。


「結局、そこそこの量を調合したな」

「ああ、少し問題だな。フレイムボムの存在に頼っている部分がある」

「まあ、しょうがないわよ。魔力を消耗せずにあの威力があるのだから頼りにしたくなるわ。特に魔法を武器とする私たち第六部隊は」

「しかし、それに慣れてしまったら怠惰につながるぞ」

「わかってる。だから明日は休ませるけど、明後日からは少し厳しく訓練しないとね」


どうやら無事に今日を生き残ったら一日の天国を満喫して、再び地獄に落とされるようだ。とりあえず、合掌。







「さて、こちらも準備OKっと」

「待ちわびてました!」

「だったら手伝え。皿とつゆくらいは出せるだろう?」

「はーい」


場所は変わって現実の俺たちの家。まもなく今年の終わりを告げ、新しい年の始まりを祝う瞬間だ。

テーブルにできたばかりのそばを乗せ、空が用意してくれた皿につゆを入れる。個人的に濃い味付けが好みなので水は少なめだ。反対に空は薄味が好みなので水を多く入れる。


「そういえば、今年はどうだった?」

「まあ、楽しかったよ。来年も楽しくなるよね」

「それは現実? それともCWO?」

「どっちもだな。向こうもそばを食べてる頃かな」


俺が放った一言に空がかなり反応した。


「そはあるの!?」

「そばみたいなものだな。味はそこそこおいしかったぞ」

「いいなぁー」

「今度買える場所教えてやるよ」

「やったー!」


想像以上に喜ぶ空に少し驚きながらも苦笑してそばを食べ始める。うん、美味い。


「あ、結果発表されてる」

「何の?」

「今日まで行われてた討伐イベント。ああー、やっぱり400体到達しなかったからトップ10には入ってないか」

「メールをもらった時点で300だから400は突破してると思ってたが」

「その後急に人増えたんだよ。たぶん仕事終わった人たちがダイブインしてきたからだね。あの人たちさえいなければ400以上だったよ」


けっこう悔しがってるからおそらくあと少しだったのだろう。あんまり追及するとそばをやけ食いされかねないのでここまでにしておこう。


「まあ、がんばったからいいじゃないか。少しはお年玉もらえるんだろう?」

「うーん、10位が438体だから参加賞程度だろうけど」


わお、想像以上だな。まあ、プレイヤーからすればスキルレベルを上げるいい機会だったからな。そう考えるとそうでもないのかもしれないな。


「まあ、今年もよくがんばりました」

「うん! 来年も楽しもうね!」


俺たちはグラスをカチャンと合わせ、同じタイミングでそばをすすった。


来年もまた楽しい年になりますように。

改めて、今年最後の投稿となります。来年最初の投稿がいつになるかは今のところ不明です。そこそこ忙しいので、どうかご理解お願いします。

おそらくは4日くらいには投稿できると思います。そして次第にいつも通り水曜日投稿に戻っていくと思います。


今年一年CWOを読んでくださり、誠にありがとうございました! 

また来年も、読者の皆様が楽しんで読んでいただける作品を目指して執筆を続けていきたいと思っています。


それでは、もうすぐですが、よいお年を!

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