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VRMMOの錬金術師  作者: 湖上光広
第三章:希望を照らす想い
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第二話:ミッションスタート!

またしても時間に間に合わず。体調もなかなか戻らずで、せっかくの1000万PV企画も発表できないでいる。

本当に今年は暖冬なのだろうか?


では、暗い作者はほっといて本編どうぞ。

ダイブインしてから「どこのギルドにも所属しません!」と宣言してみたがいなくなったプレイヤーはだれもいなかった。中には「え~!?」と言う人たちもいたが、彼らもそれで店を去るのではなくそのまま並んでいた。

一応訊いてみたが「ギルドに招待できればいいが、そうなるとここに並んでるプレイヤーたちに恨まれちゃうよ」と笑っていた。


結局昨日より若干少ないだけで今日も調合だけして終わった。【特級錬金術】のレベリングにはなるけどさすがにそろそろ在庫が厳しい。

フレイムボムやポーションなどはいまだにフェアリーガードが協力して素材を持ってきてくれるがそれに頼るのも限界がある。

レインティアやスノープリズムに必要な水は聖樹の枝のおかげでなんとかなるのが救いか。


(そういえば、同じく忙しそうなシュリちゃんはどうやって資材を調達してるんだろうか?)


そんな疑問が浮かんだのでフレンドリストを見てみればまだインしてるので会いに行ってみることにした。




「さすがと言うべきか……」


すでに日付が変わっているにもかかわらず長蛇の列だ。自分の家は0時に閉店するがここはいったいいつが閉店なのだろうか?

と思ったが例の女性NPCが出てきたのでどうやら閉店するようだ。名残惜しいが今日は諦めて帰ろうとして、結局NPCに見つかって連行された。


「またしてもごめんなさい」

「いや、ちょうど用事があったからよかったよ」

「そうなのですか? あ、お茶どうぞ」


いつかあったようなシチュエーションのような気がするが思い出せないままお茶をもらう。熱めにしてあるのが素晴らしい。やはりお茶は熱いほうがおいしい。


「それで、どのようなご用件ですか?」

「実は、なんか恥ずかしいだけど、相談に乗ってほしいんだ」


そう言うとシュリちゃんは途端に目を輝かせた。


「わ、私がですが!?」


言葉だけを聞けば驚いているようにしか感じられないが、今正面にいるシュリちゃんは確かに驚いているものの、なぜかすごくうれしそうだ。


「私、相談されるの人生で初めてです!」

「人生で?」

「はい! 私ってドジッ子なので……あ! これも前に教えてもらった話しちゃいけないことですかね?」


「うん、そうだね」と言えばいいだけなのだが、なんだろうこの罪悪感は。


「まあ、自分に話してくれたことは忘れるよ」

「えっと、それはそれで悲しいかなって」

「ん?」

「いえいえ! 何でもないです!」


何かささやいていたような気がするが本人が否定してるんだから追求しないでおこう。


「それで、相談というのは?」

「ああ、実は……!?」


今まさに話そうとしたタイミングで目の前にいきなり現れたウィンドウ。見ればシュリちゃんの前にも同じようにウィンドウが表示されている。

そしてそこには驚くべき表示が記されていた。


『プレイヤーが第三エリアに到達しました。これよりエリアミッション〚魔族対戦・王城を奪還せよ!〛を開始します』






結局あれからは相談どころではなくそのままアトリエに戻ってダイブアウトした。

翌日、朝食の準備をしていると慌ただしく空が下りてきた。


「兄さん! 昨日の見た!?」

「見た見た。少しは落ち着け」

「これが落ち着けるわけないよ! 朝ご飯は!?」

「もうできるよ。ほれ」


焼きあがった目玉焼きを皿にのせるとすぐさま食べ始める。


「ありがと! すぐに努さんと合流しないと!」

「努と?」

「ブレイズは昨日エリアボス討伐隊に参加してたから間違いなく情報持ってるはず!」

「あれ? お前は?」

「私は新入りの教導してたから! 行ってきます!」


今まで見たことないほど早く食べ終えた空はそのまま一目散に家を出て行った。その姿に苦笑しながら俺は自分の分の目玉焼きを焼き始めた。


のんびり登校しているとたまに聞こえてくる「第三エリア」の言葉。どうやらCWOプレイしてる学生はうちの学校にもそこそこいるみたいだな。


「おはよう」

「あら、おはよう。ずいぶん遅いのね」

「そうか? 大して変わらない気がするが」

「五分も違えばそこそこ遅いと思うわよ」

「その記憶力はどうなってるんだ委員長」


そういえば委員長もCWOをプレイしてるって言ってたよな。ちょっと訊いてみるか。


「なあ、委員長は第三エリアについて何か知ってるか?」

「ああ、そういえば昨日解禁されてのよね。残念ながらまだ何の情報も仕入れてないわ」

「そうか。ありがとう」


しばらくしてチャイムが鳴ったので席に戻り、教師よりも後から入ってきた努は出席簿で叩かれた。痛そうー。





昼休みになり、いつものメンバーで中庭に集まる。当然話題は第三エリアだ。


「じゃあ、まだ街にはたどり着いてないんですね」

「ああ。でも今日休みのプレイヤーもいるだろうからすでに情報は掲示板に載ってる、が」

「確かにこれだけだと少しわかりづらいですね」


俺も努から教えてもらったURLを入力してその掲示板を見ているが、判明していることをまとめると『第三エリアは最初の街を除いて魔族に支配されている』『期待していた魔武器は製造できない』『森の奥にある洞窟を解放すれば鉱石が手に入り、それが魔武器の素材では?』のみっつになる。

他にも情報はあるがどれもバラバラで信憑性がない。


「あと、最初の街の転移泉が使えないんだっけ?」

「ああ、封印がされているらしい。これは他の街から魔族が侵入してこないのを防ぐためらしいからエリアが解放されないと封印は解けないだろうな」


うわ、それは面倒な話だ。となると第三エリアに行くには第二エリア最後のダンジョンを突破しないといけないのか。


「でも、特殊な転移ができるって聞きましたよ?」

「それはね栞ちゃん。どうやら第二エリア最後のダンジョンの近くにダンジョン出口まで転移できる特殊な魔法陣が出現したみたいなんだ」

「なるほど~。それは便利ですね!」


少し前のクエストでいっしょに戦ったからか努と栞ちゃんの距離が縮まったように見えるな。まあ、この二人はCWOでしか共通点が無いからここから恋愛にはならないだろう。


「とりあえず、今日の教導は私たちで引き受けるよ」

「そうですね。任されました」

「うん。よろしくね心ちゃん、世羅ちゃん」


どうやら空は早速第三エリアに挑むつもりらしい。しかしこうなるとまたしても錬金アイテムの需要が高まりそうだな。

おもわずため息をつくとそれを見た空が心配そうな表情を浮かべた。


「どうしたの? その顔は本気で困った顔みたいだけど」

「ああ、実はそろそろ素材の在庫が危ないんだ。でもこの調子だと錬金アイテムの需要が高まるから休むといろいろ怖いと思ってな。どうしようか「でも錬金術ギルドができたじゃないか」……と?」


おい待て努。今なんて言った?


「錬金術ギルド?」

「ああ、一昨日できたぞ。お前知らなかったのか?」


シーンと静まり返った中庭に鳥の声が響いた。

次回も水曜日には投稿しますが22時なるかは不明。そこそこ体調戻ってきたのでたぶん大丈夫……と信じたい。

では、また。

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