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VRMMOの錬金術師  作者: 湖上光広
第二章:新たな力
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第九十六話:答え

タイトル通り答え合わせです。それと前回描写が少なくてすいませんでした。文字で推理物って難しい。


*感想コメントに書かれていた致命的な誤字を修正しました*

さて改めて室内を見渡す。


広さはそこまでない。よくあるダンジョンの広間程度だろう。

周りの石壁にも一切の装飾はない。つまり、この部屋自体に意味はないものと思われる。


肝心の宝箱だが5列に並んでおり、真ん中である3列目だけ6個、他の列は5個ずつ宝箱が置かれている。看板にもあるように計26個だ。形状としてはよくゲームで見るような金色の装飾が施された赤色の宝箱だ。おそらくこれが一番のヒントになるだろう。


ヒントと言えば『いろんな5』と看板には書かれていた。

最初に思い付いたのは漢数字の五だ。例えば五の字を上から当てはめてそれに該当しない宝箱が正解……いや、明らかに1個以上の宝箱が該当するからこれは無い。


続いて英語のFive。しかしこれも違うだろう。

そもそも英語にしてもここでは全く活用できないし、Fiveは四文字だ。その時点で違うと思われる。

















「……わからねぇー!」


あれから10分以上あれこれ考えてみるが全く当てはまらない。一応英語以外の5も考えてみたが、だれでも特典を得られるように作られていると考えると一部しか知らないことを答えにはしないだろう。


一体何が答えなのかと思っているとメールが届く。誰からだ?


『勉強つまらなーい!』


相手はエルジュ。つまり空だって勉強会はどうした!


『なんでINしてるんだ!?』

『気分転換♪』


あ、だめだこりゃ。これは補習終わっても追試ダメだろう。なお、空は追試のことは知らない。実は空の担任は俺が一年の時の担任だったので相談されたのだ。ガンバ、空。


まあ、一応空の頭でも試験時間ギリギリで解けるような問題にしてもらえるようお願いしておいたから、夕飯までには帰ってくるだろう。その間にダイムセールにいけば少しはいいものを作れ……!


「なるほど。そういうことか」


思わず空に感謝のメールを打ちたくなるが多分同じ試練だろうから途中まで書いていたメールを削除する。後の問題はどの宝箱かだ。


(いや待て。もし俺の予想通りと考えると、この宝箱はあの法則によって並んでいるはず。そしてアレを使う物はいつも左上から始まっていたはず!)


頭の中でアレを使う有名な歌、というより覚えるための方法を思い出し順番を確認する。そして5列目、俺からすると一番近い列の一番左の宝箱にカギを差し、回す。


『パンパカパーン! おめでとうございまーす!』


俺の目の前に突如ウィンドウが現れ天井からファンファーレが鳴り響く。どうやら正解だったようだ。


中からは扉のカギらしきものを獲得する。視界を上げると石壁だけだったところに木製の扉が出現していた。


『特典はスキル枠増強剤といっしょに獲得されます。先に進んでください』


ウィンドウに表示されたメッセージに従い、扉のロックを外し、開ける。


その先は先ほどよりも豪華な宝箱と天使の姿をした女性が立っていた。


「こんちゃす!」

「こ、こんにちは?」

「なんだよー、固いねー!」


えっと、何だこの人?


「あ、私は……名前何だっけ?」

「おい!?」

「冗談冗談。私はギフトだよ!」


ギフト=贈り物ってことは彼女が特典?

……いらねー


「すいませんが、こちらの世界の知り合いは十分にいますので」

「えっと、なんか勘違いしてない?」

「……あなたが特典ではないのですか?」

「まっさかー! だって私運営のアバターだよ。ありえないって♪」


え、運営なの!?


「それは、失礼しました」

「いいよ♪ このネームにしたのわざとだから♪」


うわぁ、殴りてぇと考えていたのが表に出ていたらしく気がつけばこぶしを握っていた。それに気づいたギフトと名乗った運営は慌てて両手を振る。


「さて本題。そこの宝箱にはスキル枠増強剤が入ってるから確認して。大丈夫、それ手に入れたら特典を与える前に転移するとかないから♪」


伸ばしかけた手を思わず引っ込める。ニコニコ笑っている顔を見るとやはり殴りたくなるがここで運営に暴力を振るってCWOにダイブインできなくなるのは嫌なので、指示された通り宝箱を開ける。


中には香水とかでよく見るガラス瓶があり、手に取ると『〝スキル枠増強剤″を獲得しました』とメッセージがでる。


「問題なく手に入れられたそうだね。いよいよ特典だけど……そのまえにいくつか質問に答えてね♪」

「質問って……」

「第一問! 君が一番鍛えているスキルは!?」

「……【錬金術】だ」

「オーライ! 君に与えるプレゼントは……」

「一問だけかよ!?」


なんなんだこいつ、マジで疲れる。


一方ギフトは手で空中に魔法陣を刻む。ああやって特典を決めてるのか?


「おお! これは珍しい!」


そう言いながらギフトは魔法陣か現れた光の珠を俺に差し出す。ギフト曰く、出てくるときはいつも光の珠だが対象が受け取るとそれに応じた特典に変化するらしい。そして光の珠が大きいほどよりいいもので、その大きさは先ほどの宝箱の試練を何回目の開錠で当てられるかで決まる。

俺は一発で当てたので一番大きい光の珠となるな。


光りの珠を受け取ると光が俺の体に浸透する。なんらかのパワーアップかと思ったがその特典はまさに俺が欲しいものだった。




『〝解読モノクル″を獲得しました。

 

〝解読モノクル″・特殊アイテム・Sp

 どんな書物も読み取りできる魔法のモノクル。

 *一度使うとその書物以外には効果が消え、ただのモノクルとなる*』




これがあれば上様からいただいた〝秘伝の巻物″を読むことができる!

喜びの余り思わずガッツポーズした俺をギフトさんがゲラゲラ笑っていた。当然殴った。


「君、運営にケンカ売る気?」

「ならおまえが逆の立場ならどうする?」

「~♪」


下手な口笛を吹くギフトをほっといて出現した魔法陣に進む。何度も見た転移魔法陣だ。


「さようなら錬金術師。君の未来が黄金に輝くことを祈ってるよ」


最後にきざなセリフを言うギフトに手を振り、俺は転移魔法陣の上に立った。

ちょっと短いですが、今回はこれまで。次回からエピローグです。それぞれの話となるので分けて投稿します。


では、土曜日にまた。





あ、答えですが、5をローマ数字のVに置き換え、アルファベットのうたに合わせて左上から順に数えていくと22番目、5列目の一番左となります。

ローマ数字だとひらめいた人、おめでとうございます!

*ローマ数字をアラビア数字と間違えていました。ご指摘ありがとうございます。恥ずかしい……*

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