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VRMMOの錬金術師  作者: 湖上光広
第二章:新たな力
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第八十三話:空を制する力

誠に申し訳ありません。今回かなり短いです。


話の内容を読み返してみて変えたいところが出てきたので一度本文の1/3を消し、書き直したのですがうっかりそれを保存し忘れ、さらに自動保存がなぜか動いてなかったためです。さすがに4年も使えば寿命ですかね。


一応書き直しを補填中なので明日の22時までには完成版を公開します。


本当に申し訳ありません!


*追記*

8月20日、午前1時40分ごろに完成版を投稿しました。

ご迷惑をかけてすいませんでした。

次の花札に描かれていたのは緑色の武者鎧。一番面倒だな。

視界を上げてみれば相手はすでにステージに上がっている。黒の武者鎧みたいに腕が砲身になっているが、バズーカ砲ではなく両腕がガトリングになっている。さらに両肩に三連装の砲身が見えており、それがかなりの大きさであることや元ネタを考えるとほぼ間違いなくロケット砲が飛んでくる。


正直戦う気力が出ないが、次の相手のことを伝えるとすぐにエルジュが口を開いた。


「今回は私と兄さんで出撃します」

「俺?」

「そう。できればここで倒しておきたいから。兄さんは私を守ること、できれば攻撃を自分に集中させてほしいの」


守るだけなら何とかなる。そして攻撃を集中させるのは〔ハウル〕を使えば問題ない。〔ハウル〕は【盾】で比較的早く習得できるアクトで敵の注意を自分に引き寄せる効果がある。普段全く使わないがまあ、アクトだからしっかり発動してくれるだろう。


それと言葉と表情からどうやらエルジュは切り札的な何かを使う気配がする。こんな序盤で切っていいのかわからないがエルジュなりに作戦があるそうだから信じるしかない。


とりあえずエルジュの判断に従って俺とエルジュで出撃する。


光の壁に包まれ俺とエルジュ、敵である緑色の武者鎧がステージに揃う。いちいち何色の武者鎧というのも面倒なので今後はアリサさん的に緑武者と名付けよう。

後で他のみんなにも話しておくか。そのほうが楽だろうし。




そして戦闘開始の音が流れた瞬間、緑者鎧は両腕さらに両肩から攻撃を開始した。両腕に搭載されたガトリングの弾丸と両肩のロケット弾が俺たちに向かって一斉に飛んできたので慌てて〔ワイドガード〕を発動させる。


「なあ! これファンタジー系のゲームじゃなかったのか!?」

「さすがにこれは予想外だよ!」


〔ワイドガード〕越しに響く爆音と発生する煙。剣と魔法がメインのゲームで近代兵器なんて実装するな運営! 実装するならこっちにもその装備寄こせ!


個人的にはP-90出てこないかな。改造して〝フレイムボム″ならぬ〝フレイムバレット″で乱れ撃ちしたい。……無理だろうけど。そもそも作れるのか〝フレイムバレット″。


〔ワイドガード〕で防いでいるとはいえ当然無制限に防げるわけではない。防ぐごとにMPを消耗し、すでに四割が消えている。このままでは持たないとエルジュに俺から離れるよう言い、頷いたエルジュは空へと飛翔する。俺も隙を見て離脱しよう。

そのまま待っていると、さすがに向こうも無限に撃てるわけではなく撃つのを止めた。さらにしばらく動きを止めている。弾補充中?


「今!」


すかさずエルジュが矢を放つ。俺は敵の行動に戸惑っているのにすぐさま対応するのはさすがゲーマーというべきか。

しかし装甲が固くほとんどダメージを与えられない。今更だが、この戦闘では相手の武者鎧はHPゲージが見えている。二階では見えなかったし、先ほどの戦いでも見えなかったが、特殊環境のせいか特別にゲージが見えている。

このシステム、今後も実装してくれないかな。もしくはそれ用の新スキルでも登場するのだろうか。


しばらくして緑武者が動き出し、またしても弾丸が襲い掛かってくるがエルジュは自慢の航空機動で回避し、俺は盾で防ぐ。俺一人なら〔ワイドガード〕が無くても問題ない。仮にもボスクラスの相手の攻撃を普通に防げるとは、使用したインゴットもそうだけどやはりシュリちゃんの盾ってすごいんだな。






その後もエルジュは空中で避けながら動きが止まった途端矢の雨を降らせる。一方俺も動きが止まっている間は錬金アイテムを使っているが大したダメージは与えられない。つまり、物理防御だけでなく魔法防御も高いらしい。


そしてまもなく制限時間1分前となるタイミングエルジュが「兄さん、お願い!」と大声で叫んできたので〔ハウル〕を発動させる。〔ハウル〕は文字通り大声をあげて注意を集めるアクトで結構恥ずかしいと思ったがやってみるとそこまででもないな。

〔ハウル〕はうまく発動し、緑武者は俺に砲撃を集中させてきた。


(って、これはきつい!)


さすがに盾だけで防ぐのは無理だと思ったので【盾☆】で覚えた新アクト〔シェル〕を使う。〔シェル〕は盾の周りにMPを消耗してさらに大きな盾を形成するアクトだ。しかもこのアクトは全方向に展開することができる。大きな盾よりもまさに貝殻のように全体を覆う膜を形成する感じだ。

それにより、俺にはダメージが通らなくなったが、視界が煙で遮られ何も見えない。


すると上空から何かが光り、大きな音が響き渡る。晴れた視界の先では巨大な矢が緑武者を貫いていた。


………………エ?




*エルジュ視点*

(うまくいった!)


空中から見下ろす視界の先には私の放った巨大な光の矢は見事に緑武者を貫いた。


これは【長弓】がランクアップした【洋弓】のスキル〔プラズマアロー〕だ。

特赦な条件で会得できる【洋弓】は主に魔矢、つまり魔力がこもった矢を使って専用スキルを発動できる。魔矢は特殊な鉱物が必要だし、専用スキルも消費MPが多いのでめったに使用できない。今放った〔プラズマアロー〕は全MPの六割を消耗する私にとって切り札だ。


いきなりここでMP六割の消耗は厳しいけどそれと引き換えに緑色の武者鎧を倒せるのはお釣りがくるくらいと考えていたのだが、残念ながらHPが少し残ってしまった。

追撃したいけど、〔プラズマアロー〕は放った後【硬直】状態となってしまい、残り時間を考えるともう攻撃できない。


それでも全体バトルではすぐに倒せるくらいまで削ったからよかった、と思っていたら左肩のロケット砲が動いていることに気づいた。もしかして、まだ攻撃できるの!?


その予感は正しく、少しずつ動いていた砲身が真っ直ぐ私に向けられた。よく見れば砲身の後ろに小さい何かが動いてる! そんなところまで再現しなくていいよ!


(あ、これは終わった)


そこから放たれるロケット弾によって自分のHPが0になる未来を予想しながら目を閉じる。

その瞬間、響き渡る爆音。一瞬ロケット弾の発射音かと思ったがそれにしては大きすぎる。


閉じていた目を開けると炎上する緑色の武者鎧。炎上は続き、やがて緑色の武者鎧はポリゴン片へと姿を変えた。


…………え、勝ったの?


*エルジュ視点終了*






ポリゴン片へとなった緑武者を見ながら息をつく。

巨大な光の矢に唖然としていたが、ずっと見ていたおかけで砲身が動いていることに気づいた。

その目標が飛翔しているエルジュだと気づきすぐさま視線を向けると死を覚悟するように目をつむるエルジュがいた。


このままではまずいと何か使えるものはとしてとっさに手に取ったのが〝ライジンディスク″。この瞬間だけ〝フレイムボム″を用意しなかったことを後悔した。


投擲され、発生した雷はなんとか発射直前の緑武者に命中。残り時間を稼ぐため次を投擲しようとしたら、なんと直撃したのは緑武者ではなくまさに発射されたばかりのロケット弾だったらしく大爆発。さらに砲身に装填されていた別のロケット弾も爆発し、緑武者全身が炎に包まれ、そのままHPが0になったみたいだ。


こうしてちょっと運がいいが俺たちは要塞華撃団の一体を倒すことに成功した。


戦闘が終了し、ステージからみんながいる場所に戻ってくる俺たち。エルジュはスワンたちが介抱してくれ、俺もティニアさんから回復薬をもらった。

しかし無情にもシステムは次の相手選べと花札を出現させる。


次は楽な敵だといいが、どうなることやら。

次回も水曜日投稿です。次回はきちんと書いてあるはずですので、ご心配なく!

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[気になる点] 文の中の 特赦な条件 は特殊じゃないですか?
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