77話
何か、反省会の様相を呈して来た。いや、反省会なんだけどね?
ここまで真面目にやるとは思っていなかったんだ。
みんな真剣だった、軽口も挟んでたけれど、僕が思ってた以上に真剣に考えていた。
だから僕も、みんなの真剣に、少しだけ応える事にした。
まだ、スキルの話をする勇気は湧いて来ない。
「僕は、もっとみんなを信用すべきだと思ったよ。例えばこれ。」
僕は左腕の付け根を、指先で叩いてみせる。
コンコンっと、服の内側から硬質な音が響く。僕が腕につけている『MPリング』の音だ。僕は、これの存在をみんなに教えていない。
「これをミラに貸し出せば、もっと楽な階層探索が出来るのに、僕はその決断が出来なかった。」
僕にしては、これでも頑張った方だと思うんだ。
しばらく無言の時間が流れる。
「エミリア、私が間違っていた。そいつ脱がそう。」
え?え、えええぇ!?
「ちょっと待ってよミラ!?」
その途端、エミリアが後ろからしがみついて来て、僕の身体を弄るんだ。
左腕の付け根にある事を示したのに!?
ちょっと、そこはダメだって!
弄られる手よりも、背中の感触に意識が行っていたのは内緒だ。
エミリアは小さいと思っていたけど、良い、良いね!そこには幸せが詰まってるよ!!
あ、危うかった!
僕は何とか、ズボンを死守した。服の上から触られた気がするけど、手を入れられるよりもずっといい。
救いの主はソフィアだった。
エミリアを羽交い締めにして、遠ざけてくれた。
「エミリア、そこまでです。」
ソフィアもう少し早く助けて・・・。
「もう少し、もう少しだけ!良いだろう!?」
「ダメです。ミラ、いいですね?」
「う、うむ。まさか、エミリアが本当に飛びかかるとは思ってもみなかった・・・。お前、エミリアに何をしたんだ?」
「ナニもしてないよ!?」
勝手に嗾けておいて、ひどい言いぐさだ!!
僕は冤罪だと主張する!
本気で身に覚えがないのだから、当然だね。
「エミリア、幸太のどこが良かったんだ?」
ミラの言いようはひどいものだけど、正直、僕もそこが不思議でならない。
「直感だな。こう、こいつだ!って思う瞬間があるんだよ、分かるだろ?」
僕とミラは顔を見合わせて、首を傾げた。僕らは100%認識を共有したと思うんだ。
すなわち、『何言ってんだ、こいつは?』っと!
「と、とりあえず・・・。」
僕は、目だけでミラとの会話を試みる。
狩りでもして、空気を変えよう。
分かった、そうしよう。
「3階層の入り口付近でもうしばらく狩りをして、反省点を修正して、今度に繋げよう。」
「そ、そうだね!せっかく反省点を洗い出したんだ、早めに実行に移さないとね!」
僕の思いは、しっかりとミラに届いたようで安心した。




