70話
僕は、自分のやらかしに気づいて、倒れそうだった。
頭がクラクラする。
ダンジョンに入るようになって、最近、僕は頭が冴えてるな、なんて思っていたのに・・・。
シッカリとやらかしている事実に、呆れてしまう。
そういうアイテムが、出るという情報も持っていたのに、自分が手に入れる機会があるなんて、思ってもみなかった。
暗い気持ちで鑑定室を出ると、お姉さんが立っていた。
「出て来たわね!って、大丈夫?顔が真っ青よ?」
「え、・・・えと、大丈夫、です。」
どうやら、僕を待っていたみたいだ。
「ちょっと、休んだ方がよくない?」
「本当に、大丈夫、です。」
もう、とっとと、家に帰って寝たかった。
いわゆる、ふて寝ってやつだ。
意気消沈した時は、これに限る。
「そお?じゃあ、必要事項だけ伝えるわね。」
何かあったのだろうか?
「珍しいアイテムやダンジョン内の新情報は、買い取りの対象になります。これ、情報を持っていそうな人にだけ、ギルドの職員が選別して声をかけるのよ。」
なぜか、お姉さんが自慢気に言って来る。
割と有名な話だし、世間でも、情報料にしては高過ぎるとかいって、時々叩かれている。
だけど、探索者側からは、安過ぎて提供する気にならないとかも言われていて、なかなか決着がつかない問題なんだ。
「日本の料金設定は、10万、30万、50万、100万、の4つね!幸太君が、話す気があるのなら、情報官を呼ぶわ、どうする?」
「情報官って直ぐに出て来れるんですか?」
「いいえ、彼らは日本に数人しか居ないから、連絡して日時を決めて会う事になるわね。今度料金の改正もする気みたいだし、国の定める設定と、情報官同士の齟齬が発生しないように共有したり、今は忙しいみたいね。」
僕の持ってる情報が、お金になりそうだと分かって、体調が戻って来た。
我ながら現金なものだ。
「ああ、他の国を見習って、日本も情報料を上げるんでしたっけ。」
「ええ、それと枠を取っ払って、10万〜500万って形になるって話よ。それでもまだ、アメリカやイギリスの半分くらいにしかならないけどね。」
「それなら、他所の国に売った方が儲かりますね。」
「ちょっと、待って待って待って!日本のダンジョンの情報だから!モンスターの情報とか、アイテムの情報なら・・・、確かに、売れるかも。」
そこは、頑張って止めましょうよお姉さん。
何、納得してるんですか?
お金になりそうな事は分かったし、普段からお世話になってるお姉さんを、からかう趣味もない。
「とりあえず、料金が上がってから考えますよ。」
「そうね、それが良いわ。でも、他の人に知られて、売りそびれたりしないようにね。損しちゃうわよ。」
「そうですね!肝に銘じます。」
「よろしい!」
お姉さんのおかげで、僕は足取りも軽く家路についた。
今度、何か差し入れしようかな?
情報の売り買いって、相場が想像出来なかったので、少し高めに設定しています。
思うところもあるかもしれませんが、こんなもんかと、ご納得頂けると嬉しいです。




