表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
453/455

413話 分身の術

 僕はミューズに水を出してもらい、これを元にミューズをコピーした!


『『『『量産型ミューズなのです!!』』』』


「「完璧だ・・・!!」」


 ミューズがいっぱいだ!!

 僕はもう、顔面崩壊の危機だった・・・。

 僕はコピーと一緒に、沢山出て来たミューズに歩み寄る。


 ああ!僕が猫ミューズを拾い上げてる間に、コピーの奴に羊さんミューズが取られた!?

 ならば、羽根付きミューズは渡さないぞ!


 ワラワラと現れたミューズコピーを、僕のコピーと取りあう。


 一人コピーミューズが呆れて、アデレードの元に行ってしまった。

 我ながらなんて再現精度だ・・・。

 ちなみに、僕の頭上のミューズも呆れてまくってる。



『ご主人様は、しょうもない事をさせたら天下一なのですよ・・・。』



 そうかなぁ?

 量産型アデレードとか・・・、犯罪臭しかしないし。

 平和的で良いと思うんだけどなぁ。


 件のジエゴさんは、ワラワラと現れて好き勝手動いて喋ってるミューズコピーを見て、()()()()()()


 まあ、うちの子は可愛いからね!!ふんす!


 残念な事に、これらのコピーは10分と経たずに消えてしまった。

 だけど、これに対して反応した人たちがいる。


 アメリカ軍兵士の皆さんだ!!


「なあ、これって () 大統領とか出せないのか?」


「出来ま・・・・・・、せん・・・。」


 僕は、つい嘘をついてしまった・・・。

 彼らの怒りは本物だろう。

 ギラギラと輝く瞳に、僕はついMPの心配をしてしまったんだ。


 だって、一度始めたら、もう無理ですって言い出せない雰囲気が漂ってたんだよ・・・。


 僕は成田を立つ際に、日本に引き渡された件の人物を近くで見て確認している。

 だから、再現は出来る・・・。


 でも、あまり見たいものじゃない。

 人の狂気に触れる様を、人間性の限界を、そんな物を、僕はミューズに見せたくはないんだ・・・。


 だから嘘を吐いた。




 ジエゴさんに、この魔法を使わせてあげる事は出来ないので、今のを見てイメージを固めて、ぜひ実現して欲しいところだ。



「それにしても凄えなぁ・・・。」


 ゴールドさんが、しみじみと呟いていた。

 独り言かもしれないと僕は思ったけど、あえて聞いてみる事にした。


「何がですか?」


「ん?ああ、この魔法の使い方だよ・・・。破壊を撒き散らす為の魔法が、今は花火代わりだ。・・・この発想は、俺にゃあ無理だ・・・。」


 ゴールドさんはコーラをグビリと一口煽り、空の星々を仰ぎ見る。


「だって、勿体なくないですか?せっかくのスキルなんですよ?上手く活用してあげなきゃ、それこそ宝の持ち腐れですよ。」


 驚いた様子でこちらに目を向けるゴールドさん、その表情は真剣そのもので、若干居心地が悪い。

 普段のおちゃらけた様子からは、想像出来ない表情だ・・・。


「・・・天才だよお前は・・・。」


「違いますよ?ちょっとだけ、上手く行ってるだけの高校生ですよ。」



「最近・・・、配信した映像が見てもらえるようになって、様々な意見を言って来る奴が現れるようになった。連中、無責任に言いたい事だけ言って行きやがる・・・。」


 なんだろう?急に話が飛んだね。

 普段明るく振舞っているゴールドさんにも、何か迷いでもあるのだろうか?


「連中は、メディアに乗った情報しか手に入らねえ。それが、ウソかホントかを見抜くのは極めて難しい。」


 どうやら、ゴールドさんは聞いてほしいらしい。

 きっと誰かに聞いてほしかったんだ・・・。


 だから僕は、視線を合わせ相槌を打つにとどめ、先を促す。


 打ち上げの熱気の中、そこだけにユタ州の乾いた風が吹き抜ける。

 ちょっと肌寒い。


「やっと世間って奴に、ゴールドって俺の名前を覚えてもらったばかりさ!世の中、探索者といったらまず藤川幸太なんだ・・・。世界中がお前さんに注目している。

 ・・・探索者の代表だ・・・、キツイよなぁ・・・。

 だが、悪いが代わってはやれない。大人なのにな・・・、情けねえよ・・・。」



 考えて、考えて、考え抜いて・・・、そうして出て来た言葉なんだろう。

 だからこそ、僕も安易な肯定も否定もしなかった。



「世界が、お前さんの一挙手一投足いっきょしゅいっとうそくに注目している、気をつけろ。・・・いや、そうじゃないな・・・。まあ、なんだ、その・・・、俺たちは、お前さんの味方だから。そう、それが言いたかっただけだ・・・。

 悪いな、時間取らせちまってよ。」


「いえ、ありがとうございます。とても心強いです。」


 彼の不器用な優しさが、なんだかとても嬉しかった・・・。

 風はまだ冷えるけど、凍える心配はなさそうだ。


 背を向けて離れて行くゴールドさんに倣い、僕は澄んだ夜空に煌めく星々を見上げるのだった。

『ご主人様褒めるのですよ?』


「何を?」


『ミューズは空気を読んだのです!ゴールドを茶化すのを、ぐっと我慢したのですよ!?耐え難きに耐えたのです!!』


僕は超えらいミューズを心から褒めた。

主にゴールドさんの為に!!


ん〜?_φ( ̄ー ̄ )

うん!要らないね!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ