409話
さあ、第2ラウンドだ!!
「ソフィア!!」
「はい!」
エミリアのたった一言に反応してソフィアが盾を頭上に掲げてみせ、足場の悪い砂地から飛び上がったエミリアは、ソフィアの盾を踏んでさらに大きく飛び上がった!!
照りつける太陽を背に、逆光になるその姿が様になり過ぎていた。
「スピアーーーーーー!!」
槍が降り、砂地が爆発した。
ドンッと凄まじい音とともに、巻き上げられた砂煙り。
『gyaaaaaaaaaaaaー!!』
見事に当たったらしい。
こういう時のエミリアは本当にすごい、なんで外さないんだろうか?不思議で仕方がない。
『でっかいアリンコなのです。』
うん、でもちょっとでか過ぎだよね。
砂地の中から叩き出されて来たモンスターは、なんと13m超えだ。
突き刺さったままの槍が、まるで小枝に見える。
『お尻の大きな女の子〜♪』
「ギリギリセーフだね・・・。」
貫通した槍の穂先から体液がボタボタと溢れ、昆虫とは思えない怒気が大気を揺らしている。
その複眼が見定めるのを待たずに、僕らは攻撃を開始した。
「槍は放置!!前衛で囲め!」
「「「了解!」」」
「2人は、雑魚の接近を警戒して!」
「「了解!」」
『gyaaaaa!!』
威嚇のつもりか、こちらに叫び声を叩きつけて来る。
だけど、こちとらこの程度の事には慣れきっている。
萎縮したり、恐慌を起こす繊細な神経の持ち主は、もうここには居ない。
むしろ、その動きを隙だと断じて、斬りこむ有様だ。
遥が、剥き出しの大きなお尻に切りつけ、エミリアがその足を斬り払う。
「いけるよ!」
「こちらもやれる!」
「防御力、問題ないです!!」
すぐに報告が上がって来る。
これも、ミラの訓練の成果だ。これまでは、僕が一人で判断していたけど。今はこうして、全員で情報を共有して相手の脅威度などを判断している。
まあ、マンティスはね・・・、瞬殺だったからね。
「2人はMPを温存!この後の殲滅戦に備えて!さあ、2人にだけ働かせてないで、僕らも仕事するよ!!」
僕を含め、4人で滅多切りにする。
手下のアリンコを次々に召喚するので、男性陣でそっちを片付け、エミリアとソフィアにはBOSSに集中してもらった。
チリチリとする右眼は、スキルをコピーしてる証だろう。
「クッソ!剣が短い!!」
「攻撃力は足りてる様子ですのにね。重要な器官まで切っ先が届きません、これではらちが明きません。」
エミリアとソフィアの話しに耳を傾けながらも考える。
本当に次々と召喚されて来るんだ、そのメカニズムは一体どうなっているのだろうか?
MPは尽きないのか?
召喚制限は無いのか?
今習得してるのは新たな召喚の形だとして、一体何を依代として差し出しているんだ?
辺りからぞくぞくとアリンコが集まって来た、どうやら、召喚主を護る事くらいはインプットされてるみたいだ。
うちのワルキューレ共にも見習わせたい。
「アデレード!」
敵を指差して呼びかける、それだけで彼女は分かってくれる。
僕の指差した方向に、【プラズママイン】を解放して放って、集まって来た敵を殲滅してくれる。
ミラの出番はもう少し後だ。
召喚主が殺られても生きていけるのか、試しておきたい。
「2人のMPは温存しておきたいし、僕がやるか・・・。」
その時、ソフィアが捕らえられた。
は?
ソフィア何やってるの?
あの虫の足で、器用にソフィアを持ち上げてみせるじゃないか。
「あら?」
「ソフィアー!?」
本人の間抜けな声と、必死なミラの叫びの対比が凄まじい・・・。
何故か手を止めるエミリア。
『あら、じゃないのですよ?』
「コウタ出番だ!!」
「はっ!?そういう事ぉ!!?」
いや、遥まで手を止めなくて良いからね?
みんなの視線が僕に集まる。
うちのパーティーって、変な所で結束力があるよね・・・。
「えーと、キャー、タスケテー。」
ソフィアまで・・・。
実はかなり余裕があるよね、めちゃめちゃ棒読だからね。
ミラのさっきの叫びが演技だったら、僕泣いちゃうよ?
ミューズもサッと僕から離脱し、観客を決め込む事にした様だ。
みんなの期待に応えるべく、僕は素早く頭を回転させる。
エミリアは体勢を低くし、持ち上げられたソフィアをより高く見せる事に余念がない。13m超えだ、そもそもが高いのにね。
遥は、ズタボロに傷つけられたモンスターを中心に撮ってる。
傷口や体液、細かな体毛の様子など克明に記録を残し、視聴者にこのモンスターの様子を余す事なく届けるつもりなのだろう。
ミラもすっかり落ち着きを取り戻し、呆れたジト目で、僕にサッサと倒せと要求して来る。
観客は、マッティオさんを含めてたったの3人かな。
どうせなら、派手に行こうか?
405話に少し加筆しました。
これで、分かると良いなぁ・・・。




