396話
いい加減、ドイツの首相に名前つけましょう・・・。
フリードリヒ・ショルツさん。
これでいいや。
ふぅ、相変わらずフィッシャー君は良い仕事をする。
まさか、我が国のシステムにこんな穴があろうとは・・・。AIだ人工知能だといっても、最後は扱う人間の力量か。それとも慣れだろうか?
何処の国もそうだろうが、ダンジョンを探す際には、衛星画像を始め監視カメラなどの情報をAIに分析させて、弾き出した異常を人間の目で確認する方法を採っている事が多い。
そのほとんどは、警告を無視して年始に夜遊びする者たちの映像だ。他には、動物の珍しい行動なんかが異常として検出される。動物自体がいる事は異常とは判断されない。
ここまでやれば、まず問題なく人でも動物でもない物が映ればヒットする。
だが例外もある。
その一つが『ウサギ』だ、もちろん野原を駆けるあのうさぎではない。
名古屋のダンジョンに出るという、モンスターの『ウサギ』だ。
あれはどうやっても区別が出来ない。
我が国のシステムの限界を皆に認識してもらい、最後は人間による目視確認に踏み切った。我が国の領土全てを再度見直し、これを持って年始のダンジョン探索を打ち切った。
我が国にはダンジョンは発生していないと、私は胸を張って国民に宣言した。
それが、1月5日の事だった。
だが、未だ今年最後のダンジョン発見報告は、何処からも届いていない。
届いたのはフランスの愚行と、オランダの喜びの声と事件の話だけだ。
これにアメリカが痺れを切らせた。
前大統領の所為で失った信頼を取り戻そうと躍起になってるアメリカは、世界各地でダンジョンの発見に尽力している、それだけに掛かる費用も莫大だ。
そこでアメリカは、世界中にオンラインサミットの開催を申し入れた。
当然、我が国もこれを受け入れた。
「存在感のアピールと、早期ダンジョン探索の打ち切りによる出費の軽減、なかなか上手い手だ。そもそも断り難いところがいい。」
アメリカや、西側諸国が参加しやすい時間を設定した所も悪くない。
おかげで、日本などは大変だろうけどね。ざっくりと時差が12時間程度だ、それでも参加しない選択肢はないだろうからね。
未だ、前大統領の蛮行に確執のある国をわざと遠ざけた可能性もあるな。
日本は映像越しであれ全土を目視で確認し尽くして、3日で安全宣言を出している。最もダンジョンに対して敏感になってる国の一つだ。
それでも、各国から日本にあるのだろうと言われるのは目に見えている。
事実はどうであれ・・・。
オランダからは、フランスとの仲介役を求められている。
私としては、馬鹿な連中に踊らされたフランスを笑っていたかったのだが、どうやらそうはいかないらしい。
「さてと、どうしたものか・・・。」
面白いポジションであり、平衡感覚を求められる立場でもある。
以前はこういった美味しいポジションを羨ましく思ったものだが、実際にやる立場になってみると、旨味がないとやる価値を見いだせないな。
だが、今フランスが転けるとEU全体の存在価値が下がりかねない・・・。
イギリスが離脱し、ギリシャが財政破綻し、揺らいだユーロの信頼をこれ以上失うのは得策だとは思えない。
世界中から国債を売り払われたアメリカの二の舞はごめんだ。
ゴールデンイーグル改め、『ハゲ鷹の舞う国アメリカ』として一時期悲惨だった。各国で米ドルでの取引が断られ、まさに紙切れほどの値打ちしかなかった。
そう考えれば、今の連中は前大統領が世界に残した負債を良く返している。
「トラソプ前大統領の奴は、懲役274年6ヶ月だったか?まだ幾つか裁判を残しているとか、さっさと日本にテロ首謀者として引き渡せばいいものを。」
ああ、なるほど。
今回の事件の落とし所はその辺りか・・・。件の相手は、アメリカで有数の資産家だったはずだ、これならばオランダも満足し、フランスも生き延びる事が出来るだろう。
宗教屋共は、まだ表には出て来ないからなぁ。
叩き潰すには、まだ根回しが足りないか。
さてさて、このゲームの親はアメリカだ、慎重にカードを切らなければな。
だが、最強のジョーカーを持っているのは、果たしてどの国かな?
あれ?名前出て来ないし・・・。
オンラインサミットを書くつもりが、独白で終わってしまいました。
結果は以前書いた通りなので流します!
ちょっとリアルが忙しいので火曜日までお休みします。
エタらないように頑張ります!m(_ _)m




