29話
僕は、せっかくのレアモンスター、青いウサギに逃げられたばかりで、苛立っていた。
だけど、タイマーは鳴ってないけど時間も近づいてるし。地上に戻りながら、ゴブリンに八つ当たりする事にして、移動を開始する。
それにしても惜しかった。
もう少し・・・、何かアイディアがあればいけたかもしれない。
そう思うと、少しずつ苛立が収まってきた。
帰りがけにゴブリンを3匹狩って、ナイフが出たので、僕は、完全に機嫌を直す事が出来た。
5千円の臨時収入、ホクホクだ!
「・・・なんか、人多くない?」
普段よりも、より人を見かける回数が多いように感じる。
特に、入り口付近にはいっぱいいた。
これは・・・、思ったよりもまずいかも。
せっかく、みんなとダンジョンに入り直しても、1人1匹狩るのも難しいかもしれない。
1階層は20キロあるから、最初は奥に移動かな・・・。
なんて、僕は考えていた。
だけど、ダンジョンを出たら、そんな考えも吹っ飛んだ。
「・・・な、なにこれ。」
ダンジョンとギルドの間、綺麗に整備された広場が、今日は人で埋め尽くされていた・・・。
いつもは、チラホラと人がいる程度なのに。
そして、良く見るまでもなく、みんな高校生だよ。
僕は驚愕を振り払い、慌ててみんなを探す。
すでにタイマーは鳴ったし、まだ時間はあるけど。遅れて行くのは避けたい。
ギルド前って事になっていたはずだ。
とりあえず、僕はそちらに足を向ける。
人が多過ぎる上に、今日会ったばかりの人たちだ、顔が覚わっていない人も多い。これは、大変だ。
幸い、クラスには遥君やエミリアさんのような目立つ人がいるから、彼らを探せば見つかるだろう。僕を見つけてもらえる事は考慮しない、だって、目立つような顔立ちじゃないんだよ。
「コウタ!こっちだ、こっち!」
エミリアさんに先に見つかってしまった。
いや、見つかって良かったんだけどね。僕の考えも当てにならないね。
「やあ、エミリアさん。相変わらず今日も決まってるね。」
モデル体型のエミリアさんは、本当に何を着てもカッコいい。
他人を褒めるとか、本当は得意じゃないけど、エミリアさんくらいになれば、カッコ良過ぎて自然と言える。
エミリアさんは謎のポーズで応えてくれたので、拍手を返しておく。
これにクラスメイトたちも乗ってくれて、ちょっとビックリした。
「コウタはいつもの装備なんだな、おかげで見つけやすかった!」
ああ、それで。
確かに、日本で緑のポンチョ着て歩いてる人は、そうは居ないだろうからね。
「遥君もさすがにオシャレだね、春色の組み合わせって言うのかな?僕には着こなす自信がないよ。」
「ありがとう幸太、その・・・、幸太のも・・・。」
「無理に褒めなくていいから、自分でも良く分かってる。でも、これは防御力優先の装備なんだ。」
「それ、防具なのかい!?」
これに、クラスの男子が反応した。
また、色々と聞かれ。みんなの装備を見て、知識を交換しながら時間まで過ごした。
さすがに、登録済みの連中は男女ともに、集められる物は集めて来ている。
まあ、1人ギャグなのか、野球のバッターの格好で来てた。
死球対策用のプロテクターやヘルメットがあるから、これはこれで侮れない。武器が金属バットしか用意出来なかったから、いっそ、野球の用具で揃えたのだろう。
是非フルスイングして、ゴブリンをホームランしてやってほしい。




