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48話 黄金アヘ顔ダブルピース


「さて、と。それじゃあ、最後の仕上げといきますか」


 無事にアスタロトを元の体に戻し、当面の目標が達成されたところで……俺は忘れてはいけない、やり残しを実行に移す事を決める。

 そのやり残しというのは勿論、俺と未だに契約を交わしていないあの子の事だ。


「すぅ……すぅ……むにぃ」


「うぇひひひぃ……芸術的な寝顔ですわぁ……!!」


 身を縮こませながら床の上ですやすやと眠るアスタロトの顔を覗き込むようにして、地面に這い蹲りながら、怪しく笑っている黒髪の少女――ベリト。

 黄金をこよなく愛する彼女が私欲の為にアスタロトを攫ったものだと、当面の俺達は勘違いしていたが、実際はその真逆で、彼女がアスタロトを守っていたのだ。

 もはや誤解も解けた今、俺が彼女と契約を結ぶ事を躊躇う要素は何も無い。


「ここから見ても、こっちから見ても、どこから見ても美しい金髪でしてよぉ!」


 カサカサカサカサカサ。四つん這い状態のまま、あの虫を思わせる動きとスピードで、アスタロトの周囲をぐるぐる回り始めるベリト。

 この子は凄く可愛いんだけど、言動で色々と損をするタイプだなぁ。


「あー……ベリト。お楽しみのところ悪いんだけど、次はお前と契約を交わさせてくれないか?」


「うぇひ?」


 俺の呼びかけで動きを止めたベリトの傍に歩み寄って、俺は腰を下ろす。

 きょとんとした顔で、上目遣い気味に首を傾げる姿は実にキュンとくるぜ。


「あーあ。あんな女と、契約なんてしなくてもいいのに」


「むーふぅ、どうしても契約しちゃうんですね」


「あやややややや。手前めとしては、ベリト氏に振り回される日々も悪いものではありませんでしたけれどもね。しかし、やはりMとしての喜びよりも苦痛の方が大きいといいますか、できる事ならばご遠慮願いたいものです」


「むぅん! 勇士が決めた事ならば、何も口出しはしまい!」


 成り行きを見守る外野からは、やや否定的な意見が多いものの、俺は誰になんと言われようともベリトと契約を交わすつもりである。

 ベリトが他の魔神から嫌われているのだとしたら、俺が一緒になって彼女が周りに認められるように努力すればいいだけの話だ。

 そもそも、最初から女の子全員が仲良しのハーレムなんて有り得ない事だしな。


「契約……ええ、構いませんわ。アナタはちゃんと、ワタクシとの約束を果たしてくれましたもの。望み通り、アナタのハーレムに加わって差し上げましてよ」


 ベリトはそう言いながら立ち上がると、この部屋に俺が初めて訪れた時と同じようにドレスの肩口をズリ下げて、そこに刻まれている紋章を曝け出す。

 紅いドレスから覗く白い肌には、俺の目を強く惹き付ける妖艶さが漂っていた。


「ありがとう。今はまだまだ頼りない男だけど、いつか必ず、お前達全員に見合うだけの立派な男になってみせるから――期待していてくれよ」


「それは楽しみですわね。前世のソロモンとは幾度もぶつかりあったものですけれど、アナタとはそうならない事を祈っていますわ」


 少し前の醜態から一転し、別人のような優雅さで笑みを浮かべるベリト。

 俺はそんな彼女の言葉に強く頷くと、ソロモンの指輪を嵌めた右手の指をまっすぐに、彼女の右肩にある紋章へと近付けた。

 そして、とうとうその指先が……念願の紋章へと触れる。


「んひぃっ!?」


 他の魔神少女達と同じく、ベリトも直接契約の際に発生する快感の波には抗えなかったらしく、その体を一際大きく震わせる。

 優雅な立ち振る舞いも今ではすっかり崩れ去り、生まれたての小鹿のように内股をくねらせながら、だらしなく大口を開けるベリト。


「はへっ、ひふぁ……あぁ……んっ」


 プルプルと力なく、両手の指がピースのサインのように形作られる。

 その表情もどこか、俗に言うアヘ顔に近いものとなっていた。


「ひゅ、ひゅほいへふはへ。へふは、はへはへはひへほ」


 呂律こそ回っていないものの、ギリギリで理性を保っているらしく、ベリトは膝を落とさずに耐える。あのキミィですら直接契約の快感には勝てず、腰を抜かしてしまったというのに……流石は公爵クラスの上位魔神といったところか。


「ゴエティア! えーっと……よし。ベリトもちゃんと契約完了だな」


 そんな彼女に敬意と劣情を抱きつつ、俺はゴエティアを出して中に目を通す。

 ベリトは当然として、しっかりアスタロトのページも記されている事も確認してから、俺はゴエティアを再び閉じた。


「ルカ、フェニス、ハルるん、ドレア、キミィ、アスタロト、ベリト。これで72柱の中で7柱の魔神との契約が終わったのか」


 後はユーディリアで待っているアンドロマリウス、ラウム、ビフロンス、それと俺の頭上のベリアルを合わせた4柱の魔神も俺達の味方だ。

 約一名が未だ本来の姿に戻っていない事が気がかりではあるものの、総勢11柱の女の子がこれからずっと俺の傍にいてくれるなんて……最高すぎる。


「後は無事にアスタロトを連れ帰れば、ヴァサゴ達とも同盟を組めるな」


「……はい。そうなる事を、ヴァサゴも、望んでいます」


 アスタロトの救出劇の最中から、どこか様子がおかしかったヴァサゴ。

 あえて彼女にも話題を振ってみたが、今は平然とした態度をしている。

 俺の気のせいか、ただの杞憂ならいいんだけど。


「ふわぁっ……ねぇ、要件が済んだなら、今夜はもう休みたいわ。アンタに憑依して能力をかなり使ったから、割とクタクタなのよ」


「むふくぅ、フェニックスの言う通りですね。外はとっくに日が沈んでいる頃でしょうし、これから歩いて帰るのもしんどいです」


 俺達がこの屋敷を訪れた時は、まだまだ日が高い時間帯だったのに、俺が気を失っている時間が長かったせいか……今は夜になっているようだ。

 フェニスとルカが欠伸を噛み殺している姿を見るに、かなりの深夜なのかもな。 


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