表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【eスポーツ小説】Faster Fastest R  作者: 赤城康彦
54/56

Tokyo Final ――東京決戦――

 フィエスタとi20がほぼ重なり、タイヤひとつ遅れてミラージュ。

 龍一もしまったと思ったが、どうしようもない。頑張って追いつくしかない。

 橋が終われば左の中速カーブ。アウト側にブロックがあり、膨らみ気味なラインを描いてブロックをノーズにぶつける。その次はイン側にブロック、これも壊して、直線の下り坂。やや坂の段差があって、軽くジャンプしそうになるのだが。その坂のはじめの、右側にブロックがある。

 アクセル全開で突っ込めばブロックを飛び越してしまうので、ブレーキを軽く踏みフロントに荷重をかけ、ジャンプをしないように下り坂に入り、ブロックにぶつかり壊して、下り坂を駆け下る。

 3台ともブロックを全て壊しているから残り時間は同じだが、タイムは、ミラージュが少し遅い。橋でペースダウンをしたのは痛かった。

 下り坂が終われば、森林区間を終え草原区間に出る。右のヘアピンカーブ。それから上り坂で左右のS字。ヘアピンカーブ自体はさほど難しくはないが。カーブのイン側にブロックがある。ノーズをぶつけられるよう、早めのタイミングでターンしないといけないが、早すぎればノーズをブロックの奥の木にぶつけてクラッシュだ。

「あッ!」

 フィチは思わず呻いた。リアが流れすぎオーバーステアを出してしまい、後れを取った。それと同時にミラージュが追いつく。

「っしゃッー!」

 控えめに優たちはガッツポーズをする。ウィングタイガーの2台が遅れ、そのまま行ければヤーナの勝利だ!

 対するウィングタイガーは言葉もなく、重い沈黙が降りる。

「もうすぐ終わり……」

 優佳はぽそりとつぶやいた。コースも半分を過ぎ、ゴールは迫る。フィエスタが頭ひとつ前で、ひたすらにゴールに迫る。

 上り坂のS字を駆け上がりながらブロックを壊してゆく。その先に、左のヘアピンカーブ。思いっきりアウト側にブロックが置かれている。

 フィエスタは膨らむようなラインを描いてブロックに迫り、タイミングを見計らってハンドブレーキを引き、リアをスライドさせてターンし、リアテールでブロックを壊そうとする。

 ……が、しかし。

「しまった!」

 ヤーナは呻いた。

 無情にも、振られるリアテールは、空振り。

「……!」

 今度はレッドブレイドのメンバーたちが無言で固まった。

 i20とミラージュはうまくターンし、リアテールをブロックにぶつけて壊し。加速してゆく。

 フィエスタは空振りをしたまま、走り続ける。バックして壊せばさらに遅れてしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ