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【eスポーツ小説】Faster Fastest R  作者: 赤城康彦
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Tokyo Final ――東京決戦――

 3人に拍手も送られる。いい試合を期待していると。

 声出しは禁止で、拍手のみ可の観戦ルールだった。プレスの人も声を出さずに拍手をしていた。その目は細く、試合が開催されることが、いちゲーム好きとして嬉しかった。

 司会の冬月がマイクを差し出す。試合前インタビューだ。

「勝つのは、私!」

「この試合、勝ってチームに貢献したいですね」

「あれ以来勝ててないから、この試合でなんとか勝ちたいですね」

(おやおや)

 そのしっかりした受け答えにソキョンは感心した。ああ、そうですねえ、がんばります、とかおどおどしつつ言うのかと思いきや。龍一もプロ選手としての自覚が芽生えてきているようだ。

 と、それぞれインタビューに応える。

「ありがとうございました! ケニー・ブレイクのKBカーとの戦いに勝利し、本戦に挑む選手たちの好プレーを期待しましょう!」

 スタッフに促されてシムリグにスタンバイする。チームのメンバーは裏でノートパソコンで試合を閲覧し、ヘッドセットで通信もできる。

 この試合はウェブでライブ配信されてもいた。

 スタンバイし、ゲームスタートする。その間に司会が試合の説明をする。

 レース数は3つ。順位によるポイント制。その合計が一番多い方が優勝と。

 決勝参加者は3名だが、ポイントは従来通り、 1位は7ポイント、2位は5ポイント、3位は4ポイント、4位は3ポイント、5位は2ポイント、6位は1ポイント、とのルールが適用される。

 そして、クラッシュによるリタイヤ設定もなされている。リタイヤは、ノーポイントだ。

 そして、ゲームスタート!

 ウェールズの草原と森林のコースをミラージュが、i20が、フィエスタが疾走する!

 ギャラリーたちは、声出しは禁止されているとはいえ、

「おおー」

 と、思わず声が出てしまうのまでは止められなかった。それだけ3者とも力走を見せていたということだった。

 司会の冬月も、レース中は余計なことを話さず静かにしているが、思わず手に力が入る。

 第3者視点で、100インチ大型ディスプレイに、ミラージュカー設定で3台の走りが映し出される。

 ほぼ互角。ラリーは単独タイムトライアル形式だが、まるでスプリントレースをしているかのような迫力があった。

(しかし、Dragonってやつぁ、ギャップありすぎだろ!)

 優は苦笑いするやら、おかしいやらの思いだった。あの、シャイでお人好しでなのが、シムリグにスタンバイしたとたんに顔つきも変わり、力走を見せる。

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