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【eスポーツ小説】Faster Fastest R  作者: 赤城康彦
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Chase the mirage! ――彼方を追え!――

 予選の日曜になった。

 龍一はスマホのタイマーを朝の6時にセットしていたが、気持ちが冴えていたおかげか、それより早めに起き。 

 朝食と身繕いを終えて、下はブルージーンズながら、上は赤い長そでシャツの上にユニフォームを着用していた。

 ユニフォームは赤と青の縦縞のデザインで、胸部にチームのメインスポンサーであるAVP Gamingのロゴがプリントされ。左胸の部分には、翼をもつ虎が後ろ足で立つ勇ましいチームエンブレム。

 身も心もスタンバイOKだ。

 まずノートパソコンでラリーマスターズのサイトのアカウントにログインし、予選の説明を読み、復習する。

「……」

 無言で説明を読み込む。

 予選はウェールズのダートコースが使用されるが。ただタイムを競うだけではない。

 伝説のシムレーサー、ケニー・ブレイクのミラージュカー、もといKBカーと競い、これに勝つことが予選通過条件となっていた。

 ミラージュカーとは、タイムトライアルで記録した自己ベストを再現したもので。一緒に走って接触しても当たり判定はなく、透き通る設定になっているが。このミラージュカーという表現は、ラリーマスターズ4の制作会社コード独自の表現だった。

 そしてケニー・ブレイクとは誰か。

 eスポーツ、そしてシムレーシング黎明期に活躍したシムレーサーのパイオニアだ。

 特にラリー系ゲームを好み、ラリーマスターズの初リリース時からこれをやり込み。多くのコースでワールドレコードを叩き出し。今も破られていない記録も多く残っている。

 彼の走りは多くのゲーマーを魅了し、ゲーマーではないが、ゲーマーでもシムレーシングはしないが彼の走りを観るのは好きだと、ジャンル・カテゴリー外のファンもたくさんいたほどで。

 とにもかくにも、シムレーシングをしていてケニー・ブレイクを知らぬものはないほどの、伝説的存在だった。

 なぜ伝説なのか。

 それは、ラリーマスターズ3のころに、不慮の事故で亡くなったからだった。

 多くの人たちが訃報に驚き、悲しみ、冥福を祈った。

 制作会社であるコードも追悼の意を表し、何かしらの形で彼をゲーム内で復活させたいというアナウンスを出していたが。

 それはラリーマスターズ4・ジャパンカップの予選にて使用されるケニー・ブレイクのミラージュカーことKBカーの制作だった。

 タイムはヤーナが記録したワールドレコードよりコンマ3秒速い。

 コードは膨大なデータを分析し、ケニー・ブレイクならこう走るのではないかというミラージュカー、別の言い方をすればAIカーを創った。

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