75話〜ドルマノフが知らず ネリウスが知る過去‥前編
ブラットは1人で村の空き地で遊んでいると。
翌朝になりガルドは城に用が出来たので、ブラットの朝食を用意してから家を出た。
ブラットは朝食を食べ終え片付けをした後、部屋に戻った。
今日は昨日ガルドに言われたので、村の外には出ずに空き地で遊ぼうと家を出て、グレンとヴィオレの家に向かった。
ブラットはグレンとヴィオレの家に行くが、今日は用が出来て遊ぶ事が出来ないと言われ、空き地で仕方なく1人で遊ぶ事にした。
そして、その様子を変装したネリウスは見ていた。
「さて、今日は村の外に出る気配はない様だな。そうなると、どうやって外に誘い出すかなのだが」
ネリウスがそう考えていると頭の中で声がした。
“ネリウス、悩んでいる様だな”
(これは、ゲリュウデス様。はい、そうなのです。あの子供の力を確認したいと思ったのですが)
“力を知りたいという事は、先日お前が言っていた者の様だな。なるほど、まだ子供だが、確かに内に秘められた何かを感じる”
(内に秘めた何かとは、いったい何なのでしょうか?)
“それは分からぬが。これはやはり、確認する必要がありそうだな。恐らくは、この子供が神王様が言われておられた者に違いないだろう。だとすれば、その力を確認し利用出来そうならば、その力によっては、今の内にこちら側に取り込む為の策を練る方がいいだろうな”
(そうですね。しかし、ここでは流石に人の目があり、その力を確認する事が出来ません。どうやって、この場から村の外の誰にも気づかれぬ場所に、連れて行く事が出来るかと思案しておりました)
“なるほどな。では、我の力を使い、この村の近くの洞窟がある森に誘い込むとしよう”
(ゲリュウデス様、ありがとうございます。では、私はそちらに先に行き準備をしておりますので)
そう頭の中で言うとネリウスは、洞窟がある森に向かった。
ゲリュウデスは、誘い出すためにブラットに幻影を見せた。
そして……ブラットは空き地で1人で遊んでいたが、1人の女性が話しかけてきた。
「ねぇ、君はここで1人で遊んでいるのかな?」
「うん、そうだよ。お姉さんは誰なの?」
「私はリリアです。君の名前は何て言うのかな?」
「僕はブラット=フレイだよ」
「そう、ブラットっていうのね。ん?フレイ……」
…“もしや……この子供は、英雄王ガルド=フレイの子供なのか!?だとすれば、ガルドは確か、魔族のカトレアと結ばれたはず。ふっ、だとすれば、これは面白いものが見れるかも知れんな”…
「ん?どうしたのリリアさん」
「えっ?ああ、そうだったわね。あのね、君に頼みがあるんだけど、森の奥に忘れ物をして来たみたいなのよ。それで、取りに行くにも1人では心細くてね。他の人にお願いしたけど断られちゃって……ブラット、一緒に行ってもらえないかな?」
「ん〜、どうしようかなぁ。でも、リリアさん困ってるみたいだし、大人の人とだから大丈夫かなぁ」
「お願い!忘れて来た物って凄く大切な物なんだよね」
ブラットは悩んだが、リリアが困っていたので仕方なく一緒に行ったのだった…。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
今回はドルマノフが知らない過去を書いてみたのですが…友人に何か言われそうな…まぁ…いいかσ(^_^;)
次話も不定期になりますがよろしくです(*^ω^*)







