114話〜不安の中で
ヴィオレはフェリアに自分の今の思いを打ち明けた。
ここはシェイナルズの森の中。空き家の外のテントの中にブラット達はいた。
ブラットは杖の力の影響で眠っていた。
ガルドはブラットを覗き込むと、
「まだ、ブラットは寝てるみてぇだな」
「本当ですね。私は直ぐに目が覚めたのですが」
「まぁいい。そういや、マリアンヌ。ここに来たのはブラットが目的ってだけじゃねぇよな」
マリアンヌはガルドを見ると、
「そういえば!忘れるところでした。ガルドに話さなければならない事があります」
「それはハングの事か?」
「ガルド。やはり、気づいていたのですね。ですが、それだけではありません」
「それだけじゃねぇって?」
「はい、ユリィナの事です」
「ユリィナの事……まさか!ユリィナに何かあったのか!?」
「あったといえば、そうなのでしょうね。ここにレオルドが居るのですよね」
「ああ、動けねぇで空き家の中で寝てるがな」
「そうでしたね。その事はハングに聞き知っていましたが……そうですね。レオルドにも聞きたい事がありますので、ここではなく小屋の中で話したいのですが」
「その話って、レオルドも何か関係してるのか?」
「それは分かりませんが。ただ、確認したい事があるのです」
「そうなると、どうする?ブラットはまだ寝てるみてぇだし」
「私はブラットが心配ですので、ここに残りたいと思います」
フェリアはブラットを心配そうに見ていた。
「ああ、頼む。フェリアすまねぇな」
「私も、ブラットが心配だから残りたいのですが」
ヴィオレはブラットとフェリアを見ていた。
「ヴィオレ。そうですね、その方がいいでしょう」
フェリアとヴィオレ以外の者達はレオルドが寝ている空き家に向かった。
「フェリア。ブラットは本当に魔族の血が混ざっているの?」
「はい。それは間違いありません」
「そうなんだね。ただ、ブラットを見てると、どうしてもそう思えないんだよね」
「確かにそうですね。でも、魔族の中にも心ある者もいます。それに、人間でも心なき者はいるのです」
「そうなんだね。私はどうしても、魔族と聞くと偏見の目で見ちゃうんだよね」
「ヴィオレ。でも、それが普通だと思いますよ。人間にとって魔族は脅威の存在であり、魔族の中でも一部の者達は人間を脅威と思っているのも事実です」
「そっか。そういえばこの後、城に行くんだよね」
「はい。そのつもりですが。ヴィオレ、貴女も来るのですか?」
「私は悩んでる。今まで通り接する事が出来るのかなって。だから、城に行くのもどうしようかと思っているんだけどね」
「そうなのですね」
フェリアとヴィオレが色々と話をしていると外が急に騒がしくなり、その者達はテントの中に入ってきた。
「あっ!ここに居たんだね」
コトネはフェリアとヴィオレを見た後ブラットを見た。
「なんで、この女がここにいるんだ?」
フリックは不思議に思いながらヴィオレを見ていた。
「これは、ブラット様が、何故こんな所で寝ているのですか?」
レヴィは不思議に思いながらブラットを見ていた。
「ここで、何かあったのかな?」
ビスカは辺りを見渡した後、フェリアとヴィオレを見た。
フェリアとヴィオレはビスカ達にここで何があったのかを事細やかに話したのだった…。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
さて、マリアンヌはユリィナについてガルド達に話。レオルドはその事について何か知っているのか?それとも知らないのか。
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)







