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56 夏といえばキャンプ 最終日

ついにイベント最終日です。

『島の生態系を取り戻せ!』

 東は元々草原だったらしい。そびえ立つ大木を打ち倒せ!

 1.島の住人である銀狐から聞いた東の森を調べてみよう。偵察フェイズ。

 2.偵察部隊が情報を持ち帰った。情報を整理し準備を整えよう。準備フェイズ。

 3.準備は整った。開戦の時だ。そびえ立つ大木を目指そう。メインフェイズ。


 クエストは変化なし……と。つまりまだ中央までは行けてませんね。という事は寝坊判定されない!

 マップは……んー……お昼頃に行けるかな? ぐらいでしょうか。ボスエリアの1個前までは来ていますね。

 さて、起きましょう。最終日の食事は後方部隊に任せたので、すぐ前線へ戻りましょう。

 リーナは……起こしますか。今なら妹を起こす速攻呪文が使えますからね。


「んう……もう少し……」

「経験値が減っていくよ……」

「はっ! 起 き ね ば!」

「はいおはよう」

「おはよう! じゃあ行ってくる!」


 さて、ベッドを回収して私も向かいます。


「おはようございます」

『おはよう! 順調だ!』

「それは何よりですね」


 軽く挨拶を済ませ、起きている部隊長から報告を聞きます。

 戦闘側は特に問題なし。後方部隊は……問題しかないというか、常にフル回転ですから問題ありませんね。

 たまに後ろから魔法を撃ちつつ、マップを横目に問題が起きていないかを確認します。


 そうしてしばらくすると、後方部隊から人がやってきました。


「朝ご飯の出前だおらー!」

「ヒャッハー! 食料だー!」

「むせび泣きながらありがたく食すが良いぞ!」

「あっ……あっつ! おま、あっつ! 火傷して泣くわ!」

「料理人に冷ました方が早く食べれるんじゃね? って言ったら、超低い声で『あ゛?』って言われた。諦めて飲め」

『あ、はい』


 料理人の熱い想いですね。できたてを食べて欲しいというホットな……。


「うめぇけど熱い!」

「料理ぐらい大人しく食えってことだろ。まあ休憩にはなるわな」


 まあ食事を通達して、起きている人達に交代で食事してもらいます。

 寝ていた子供達も起きて来たので大丈夫でしょう。


「「おはよう姫様!」」

「はい、おはようございます。今日も死なないように前線に参加で」

「「分かったー!」」


 アメさんとトリンさんを見送りつつ前線に目を向けますが……だいぶ敵のレベルが上がってますねぇ……。40前半ですか。敵の行動パターン自体は単純で、円が狭まって待機組も増えたから問題は無いと。

 いや、なんか20台の敵も混じっていますね? 2陣用ですか。40台は1陣が、20台は2陣のPTが対処しているようですね。

 敵はプランテラなんたらと、名前が統一されています。ミートチョッパー、シードシューター、ベリーボマー、クレイジーボム、テクニシャンが確認されています。

 ボス前最終エリアなので、敵が5種類もいるようです。敵のレベルはポップのたびにランダムなようで、しっかりレベルを見て戦う必要があるとか。


「クソ果実40だってよ!」

「遠距離がうぜぇ!」

「果実来たぞー!」

「おっしゃ俺の番だな! 【リフレクトシールド】!」


 山なりに飛んできた果実が【リフレクトシールド】によって、巻き戻すように敵に飛んでいき爆発します。

 プランテラベリーボマーが爆発する果実を放り込んでくるようです。その果実をサブタンクが交代で反射しているようですね。


「クレイジーでたぞー!」

「こっち来んなあああああ!」

「させん! させんぞぉ! 【エリアガード】!」


 プランテラベリーボマーから生まれた? プランテラクレイジーボム。ベリーボマーが投げている果実が自走するようですね。ベリーボマーが攻撃時にランダムで、クレイジーボムが横にポップするようです。

 このクレイジーボムですが、生まれてから3秒後にプレイヤーが多いところに自爆特攻してくるようで。それを自分の周囲も防ぐ【エリアガード】でメインタンクが守ると。


 プランテラテクニシャンは蔓のような敵で、密かに上や下からやってきてバインドしてくるようですね。


「やめて! 乱暴する気でしょう! エロ同人みたいに!」

「うるせぇ! おら動け!」

「あっ!? くっ殺せ!」

「ってまたか!」

「つうかなんで全員そっち系なんだ……」

「そりゃおめえ……言わせんな!」

「やかましいわ!」


 楽しそうですね? 絶賛戦闘中なのでバタバタしてますけど。



 ミートチョッパーと殴り合いつつ、後ろから飛んでくる種や果実を防ぎ、足元や上から来る蔓の対処ですか。忙しい……と言いたいですが、全部を1人でやるわけではないので、そうでもないのですよね。


「くそー、放火してぇ!」

「できるんならとっくにしてらぁな」

「そうだな。その方法が可能なら火とか灼熱で既に燃えてるだろうな」

「ですよねぇ!」


 仮に草原に飛び火して西の方まで燃えたら、目も当てられませんからねぇ……。


 じわじわと……けれど順調にトリフィドまで詰めていますね。予想より早く着くでしょうか?


「ん……なんだ?」

「どうした?」

「いや……なんか……まあいいか。姫様! なんか違和感あるからよろしく!」


 ……戦闘に集中したいんでしょうけど、何という丸投げ。まあ良いですけど……。

 違和感……違和感ねぇ……戦闘組が感じられる違和感ですか。そうなると敵関係でしょうね。逆に私は基本的に見ているだけなので、その辺りはいまいちですね。


 おや……? いや……いや? 気の所為ではなさそうですね。全体的にプレイヤーのHPが減り気味。被弾率が上がった? 待機組と入れ替えるべきか。とは言え、入れ替えるタイミングなどはセシルさんに任せています。

 つまり私が気にするのはそこではなく、なぜ突然被弾率が上がったか。ランダムポップで運悪く高レベルの敵を引きまくった……? いやいやいや。

 被弾率が上がったのは前衛ではなく、中衛ですね。となると、シードシューターやベリーボマーのせいですか。テクニシャンは攻撃自体はしてきませんし? 長時間放置したらHPが減りだすのかもしれませんが……。


「まずいね。このままだといずれ崩れそうだ」

「タンク組は変わらず行動していますよね?」

「勿論。でも突然防ぎきれなくなってる」

「パターンが変わったとしか思えませんね……」


 イベントモンスターはイベントモンスターですが、量産型のMobに学習するAIなんて普通積みませんよね?

 しかも人の形してたり何かしらの設定があるならまだしも、植物の敵にそんな高度なAIなんて……。


「あー……」

「なんか分かった?」

「もしかしたら……確認しましょうか」


 セシルさんはここにいるので、それ以外の方角にいるリーダーに聞いてみます。『全体の被弾率が上がってないか』や『敵のAIが微妙に変わってないか』と。


『こっち変わってるぞ』

『こっちもどうしようかと思ってたでござるよ』

『んー? こっちは変わってないよ?』


 南のルゼバラムさん変化あり。東のムササビさんも変化あり。北のこたつさんが変化なし。そして西のこちらが変化あり。

 となると可能性は南ですね。


「ルゼバラムさん。支配級を探してください。統率持ちの個体が南に湧いている可能性があります」

『了解した』


 東西南で影響あって、北に無いのなら南。西南北に影響あって、東に無いのなら西に湧いてそうですよね。

 統率系を持った支配級・支配クラスと呼ばれるMobの事は、冒険者組合で聞きました。奴らがいると動きが変わると。

 特殊AIでなく、エリア進行による特殊変化でもないのならいるはずです。逆にいないのならエリア進行の可能性が高いですね。その場合はこちらの行動パターンを変える必要があります。


『あいつかぁ! プランテラコマンダーを潰せ!』


 しばらくして倒され、被弾率も今まで通りに戻りました。

 今後どこかで変わり次第、確認ですね。それで方角からいる場所を特定し、早々に狩りましょう。


『んー……また変わったでござるか?』

『いや?』

『いやー?』

「こちらは特に感じませんね」

『あっれー? 気のせいでござるかー?』

『やっぱ変化は感じねぇぞ?』

『ふむぅ……む? いるではござらんか! ミニコマンダー!』

「影響ある方角1箇所のミニコマですか」


 ランダムレアポップでコマンダーが湧くと。名前通り統率系持ちな敵のようです。これ本体は強くありませんが、そこそこタフだとか。3つの方角に影響。

 ミニコマンダーはコマンダーに比べ体格が細く、体力は低め。1つの方角に影響。

 というのが判明しました。

 この2体は放っておくとポーションの消費が嵩むという、結構なダメージが来るので早々に叩いてしまいます。



 地上部隊と航空部隊が協力してじわじわ進んでいきます。

 航空部隊が前に出ると敵の射撃系が一斉に上を向くんですよね。それを利用して、ミートチョッパーを倒したら少し前に出て後衛を釣り、その間に前衛が詰める。集中砲火される前に航空組は下がる。待機組も駆使して包囲網に穴を開けないように移動していきます。


 この際ベリーボマーが厄介なんですよね。あれ地上においては人の多いところに投げて、衝撃により爆発します。これが空中だと挙動が変わりまして、【エアロフラック】と同じ挙動になるんですよ。

 詳しい設定は知りませんが、一定範囲内にプレイヤーがいると爆発します。つまり避けるのが困難なわけです。飛んできたものが近くで爆発するので、ランス系を避けるのとはわけが違います。


 そしてシードシューターがですね……お前さっきまでとテンション違いすぎない? ってぐらいに空に種を飛ばしまくるんですよね。マシンガンタイプです。弾幕濃すぎて笑えますよ。

 射線上に前衛のミートチョッパーがいて、攻撃できないシードシューター達も、対空だと張り切りますからね……より酷い。

 つまり、一部の航空部隊は視線を取っては下がり、視線を取っては下がりと大変そうです。敵の上空まで行くとボコボコにされるので、航空部隊はプレイヤー達の頭上から攻撃しています。


「ふぅむ……姫様、提案があるんだけど?」

「なんです?」


 セシルさんの提案は、お昼交代して全員食事を済ませたら、一気に押し込むのはどうだろうと。

 ご飯食べてからボス行こうぜって事ですね。特に拒否する理由もないので、それで行きましょうか。隊長達に伝えておきます。


 そのため、少し早いうちから補給班がやってきました。


「昼食の出前だおらー!」

「寿司が食いてぇなぁ?」

「あぁん? おらよ」

「あんのかよ。あざっす」

「魚釣ってる奴らがいるからな。おらー並べぇ!」


 ステーキに串肉。スープや焼き魚などなど、割と豊富ですが味付けは大体が塩かバーベキューソース、そして焼肉のタレ。


「パスタまであるんだ。私これにしよ」

「ムニエルだ。こっちにしよー」

「焼きそばじゃん。久々に食お」


 食事を摂る必要はありませんし、私も戦闘に参加しましょうかね。一号に任せきりなので《死霊秘法》ばかり育ってしまいます。アーツ覚えそうなのが何個かあるので、ボス行く前に覚えておきたいですね。



〈《宛転流王女宮護身術》がレベル25になりました〉

〈《宛転流王女宮護身術》のアーツ【ロイヤルリフレクト】を取得しました〉

〈《暗黒魔法》がレベル25になりました〉

〈《暗黒魔法》の【ノクスマイン】を取得しました〉

〈《高等魔法技能》がレベル30になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《高等魔法技能》の【五重詠唱ペンタスペル】が強化されました〉

〈《死霊秘法》がレベル35になりました〉

〈《死霊秘法》の【ビジョンシップ】を取得しました〉



 どれどれ……下がって確認しましょう。


【ロイヤルリフレクト】

 魔法含め遠距離攻撃を打ち返す。

【ビジョンシップ】

 召喚体の見ているものを見ることができる。少しコツが必要。


 お、ついに私にも反射系が。しかも魔法含めとは、実に便利ですね。タンクは魔法反射できないはずです。とは言え私は護身術なので、自分専用ですけどね。他者を守るには微妙です。

 【ビジョンシップ】は……なるほど。テレビを見ているような感じですか。慣れないとスルーしそうですね。飛行偵察任せて、上空からの映像が私も見えるようになったわけですね。重宝しそうです。

 【ノクスマイン】はリザーダインなどが使っていた闇の地雷タイプ。丸見えかつ当てるの困難だけど、超高威力な魔法。

 【六重詠唱ヘキサスペル】は同じ種類の魔法を6つまで同時発動できるようになっただけです。瞬間火力を求めるなら良いですね。


 【ロイヤルリフレクト】のカスタムをクールタイム短縮に極振りしておきましょう。今後主力になりそうですから、早速試すとしましょう。まだ食事タイムは続きそうですから。


 シードシューターやベリーボマーが飛ばしてくる果実を、【ロイヤルリフレクト】を使用して対処してみます。検証検証。


「いって……姫様?」

「……ええ、すみません。物凄い良い音しましたね……わざとではないので、そうジト目で見ないでください」

「普通に当たるより被ダメ増えたで……」

「お、それは重要な情報ですね。朗報です」

『いやいやいや』


 野球やテニスのように打ち返したら、思いっきり他のプレイヤーに直撃してしまいました。どうもすみません。


「あー……これ難しいですねー」

「ですねーじゃない! 姫様!?」

「あぶねぇんだけど!?」


 《小盾》や《大盾》で覚える、タンクの持っている【リフレクトシールド】と違い、完全に反射角度が手動ですね。

 つまり最高に難しい。何でしょう、バッティングセンター?


「……なるほど。わざわざ振らずに当てるだけで反射するのですか。そう言えば【リフレクトシールド】もそうでしたね。ふむ……打ち返した方が威力は上がる?」

「姫様? もう最前線来よう?」

「後衛に流れる事が無くなったのは良いんだけど、俺らのケツが怖いんだけど?」

「HAHAHAHA、ケツの穴を増やしてやるぜ!」

『やめてぇ!』

「まあ、前行きましょうか」

『おう』


 という事で、タンクに混じって反射練習してましょう。


 【ロイヤルリフレクト】便利ですね。是非とも極めたいところ。近接は今まで通りで良いですが、遠距離に関してはこれで反射した方が早い。問題は反射角度ですかね。敵に打ち返すのがとても難しい。


「ちょっと総隊長? 姫様? なんで最前線にいるのかな?」

『俺らの姫様は凶暴だぁ!』

「……褒められてます?」

『ホメテルヨ』


 なんか引っ掛かりますが良いでしょう。お食事タイムが終わったようなので、後ろに戻ります。使い勝手も分かった事ですし。


「では総攻撃で最終エリアへと突撃しましょうか」

『了解!』


 夢の中に旅立っている人達も起こして、多少無理してでもチェンジしながらゴリ押します。戦いたくてうずうずしている人達は沢山いますからね。


 そして……。


『一番乗りでござるな!?』


 ムササビさんの東側部隊が最終エリアへ突入したようです。

 それにより中央の大木、トリフィドがガサガサと葉を揺らし動き始めました。


[オオォォオオオォォォ!]


 随分怨念篭った……というか、忌々しそうですね。


「ヒャハハハハ! 立派な海綿体じゃねぇかぁ! お礼に骨折させてやんよぉ!」

『海綿体って言うなぁ!』

「ああ……あそこにモヒカンさんいますね」

「海綿体……」


 まあ、クエスト確認しましょう。


『島の生態系を取り戻せ!』

 東は元々草原だったらしい。そびえ立つ大木を打ち倒せ!

 1.島の住人である銀狐から聞いた東の森を調べてみよう。偵察フェイズ。

 2.偵察部隊が情報を持ち帰った。情報を整理し準備を整えよう。準備フェイズ。

 3.準備は整った。開戦の時だ。そびえ立つ大木を目指そう。メインフェイズ。

 4.トリフィドは目前だ。力を合わせて打ち倒せ。クライマックスフェイズ。


「クライマックス入りましたね」

「お、ポップ速度が落ちた?」

「の……ようですね。他エリアは制圧。ここがラストです」

「さあ、攻撃パターンが分からないからね。注意していこう」


 銀狐達がやってきました。


「今度こそ屠ってくれようぞ。お主ら、立ち止まるなよ」


 そしてトリフィドに4本のHPゲージが出現し、戦闘開始です。


 トリフィドの周りは木もなくスペースは十分ですね。取り囲める状態です。

 しかし問題は、枝が大量にうねうねしている事でしょうか。その枝が前衛を寄せ付けず、タンクの盾にぶつかり続けます。


「フェアエレンさん、空はどうです?」

『シューティングゲームしてる気分かな? 上は上で戦闘中ー』


 空からの援護は望めなそうですね。

 ん……? 上から果実が降ってきて爆発するんですね。って沢山降ってますけど。


『姫様ー。一定時間同じ場所にいると上から果実降ってくるっぽいよー』

「なるほど? 通達しておきます」

『よろしく!』


 ということなので、私は中間ぐらいで立ち止まるとしましょう。

 そして、上から降ってきた果実を【ロイヤルリフレクト】でフルスイングします。ライナーで飛んでいった果実はトリフィドの一部に当たり、弾けます。

 魔法撃ってはホームラン。魔法撃ってはホームラン。的がでかいって良いですね。


「私のDPSを上げるために果実までくれるなんて、なんと優しいのでしょう」

「音楽隊殺しに来てるなー……やめてくれなーい?」


 確かに、ノルベールさん率いる音楽部隊が辛そうですね。私には応援しかできませんが、頑張ってください。


「厄介だけど、別段強いとは思わないかな?」

「今のところはそうですね。どこに攻撃してもダメージ入ってますし」

「というか割とすごいスピードで減ってるけど、航空組?」

「上は上で戦ってるようですよ。葉っぱで見えませんが……」

[ォォォォオオオ!]

「おや」

「怒った? いや、これは!」

「ストンプですか!」


 どっから声出してるのかはともかく、《危険感知》で地面全体が赤くなりました。

 トリフィドは枝を一斉に横薙ぎからの、地面へと叩きつけます。叩きつけられた全ての枝から波紋が広がり、それに合わせプレイヤーがジャンプしていきます。勿論私も。


『死亡者はいないっぽい?』

『ゴレと違って即死級ではないようでござるな?』

『範囲が比じゃないけどな……』


 ゴーレムを知らなかった2陣組が一部当たったようですが、死んではいないと。

 ふむ……それよりもですね。


「枝の動きが止まってるので、枝を狙いましょう。恐らく部位破壊でしょうから」

『おっしゃー!』


 それから定期的に使ってくるストンプをジャンプして避け、その際に動きの止まった枝を攻撃します。ストンプの回避をミスるとノックバックにより、枝を殴る時間が減る。

 毎回あの雄たけびの後、同じ行動をしますね。声が前動作なのでしょう。見た目は大木なので、それしかないですか。


[オオオオオオオオオ!]

「今度こそ怒ったっぽいなー?」

「ゲージが半分行きましたね」


 頭と言って良いのか分かりませんが、上の方をデタラメに振り始めました。

 結果何が起こるかと言うと……果実がめっちゃ降ってくるわけで。


『上から来るぞぉ!』

「回避集中ですねこれは」

「おぉっと……」


 私の方に降ってきた果実はトリフィドに飛ばしますが、たまに空中で果実同士が当たって爆発しますね。

 何はともあれ、いい練習になります。下手に動き回るよりは良さそうですから。


「さっきからっ……焦げ臭いのは……なんだっ?」

「さあなっ……とぉ!?」

「フェアエレンさん、上放火しました?」

『うん、したー。汚物は消毒だぁ!』

「なるほど、上が燃えているんですね」


 そのせいでHPがゴリゴリ減っているのでしょう。まあ、上空は任せます。



 枝を攻撃してもHPは共通のようですね。でもカウントはしているようで、ちゃんと枝を壊せるようです。

 とは言え、前衛が攻撃できるのは現状ストンプ後の枝ぐらいですが。

 既に多少へし折り、最初よりは減っています。


『1本目逝くぞー!』

「思ったより早いですね?」

「まあ今日で4本削れるはずだし? ただ、そのうち上は判定無くなるだろうね」

「やっぱりそう思いますか? 禿げ上がって来ましたね……」


 航空組により葉が落とされ、既に悲しい感じに。


『1本目逝ったぞー!』

[グオオオオォォォォォ!]

「お、初めて聞く声だ」


 沢山あった枝が左右に集まり、絡まり合い巨大な2本へと変わって振り上げられた状態で止まります。赤く光っていくので、チャージ状態でしょうか?

 そして、《危険感知》により危険な範囲が地面に表示。2本ある方角が赤に潰れます。

 ストンプ……ではなさそうですね。範囲外に出ておきましょう。避難誘導をしておきます。聞かない人は知りません。


 木なのでどっちが正面か謎ですが、人でいうと両腕を振り上げている状態で、正面と後ろが赤くなっていないようです。逆に言えば手のある方向は扇状にアウトですね。

 一度強く光った2本が振り下ろされると、波紋が広がるように地面が隆起し、突き上げ攻撃が発生しました。


「うっわ……アースクエイク的な?」

「あれ即死では? ある程度上空にも判定ありますよね、あの柱」

「しかも落下判定。あ、死んだ」

「ですよね。まあ、あんな分かりやすいのに逃げないのが悪いので」


 このゲーム、ああいう分かりやすい攻撃は容赦してくれないんですよね。見てから私が歩いて避難可能だった時点でお察しでしょう。

 あれ、残っている枝が多いほど威力高そうですね。さっさとへし折りましょうか。


「今の攻撃は分かりやすく、セシルさんが言ったようにアースクエイクとしておきましょう。来たら近くの《危険感知》持ちに付いていきましょうね」

『おう! 他界他界はゴメンだ!』


 打ち上げダメージと落下ダメージの2段階ですからね。最強の武器が地面と言うのはアクションでは常識です。母なる大地はとても怖い。母は強し。


[ォォォォオオオォォォォ!]

「ん……? ストンプ……ですか? ストンプですね」


 地面が赤くなりましたしストンプのはずですが、今までとは微妙に声が違いました。

 なぎ払いは一緒で……。


「これは……時間差か!」

「慌てず近くの枝! 後衛は波紋だけを見てください!」


 時間差で降ろされる枝から波紋が広がり、波紋同士はそこで打ち消し合います。


「ちょ、おまっ……ぐへぇ」

「おっおっおっ……セーフ!」


 よっ……と、避けれましたね。


 HPが減ったからでしょう。ストンプは時間差が普通になり、果実も椀飯振舞ですね。沢山降ってきますよ。全部お返ししますけど。護身術が育って美味しいです。


 ただ、しばらくしたら頭が禿げ上がり果実が降ってこなくなりました。それにより航空部隊が合流です。


「上判定無くなっちゃった」

「では枝狙いましょうか」

「おっけー」


 順調にストンプ後の枝をへし折っていきます。

 そして残りの枝半分ぐらい? という時に2本目のHPゲージが逝きます。

 この時アースクエイクを使用しましたが、今度は被害無し。明らかに突き上げの広がる速度が落ちていますね。


「さあどうなる?」


 ゲージは後2本。パターンがまた変わると思うのですが……再び足元に《危険感知》が来ました。

 そして上を見てしまったのが運の尽き。突然の衝撃と浮遊感ですよ。


「おっと……なるほど!」

「あたっ……」


 着地したら寸前で裏切ったセシルさんが、地面から突き出た木を斬りつけているのが目に入りました。私も斬りかかります。

 少ししたら引っ込んでしまいました。地面は塞がっていますね。


「地面からの突き上げ攻撃ですか……【ダークヒール】。仲良く地上の人辞めてくれて良かったんですよ?」

「いやいや。不死者と違って俺は体力言うほど無いからね?」

「まあ、上は潰したのに上を見た私の落ち度ですが」

「今度は下だね。残りの枝と下の根? でゲージ全部かな」

「根っこはおびき出さないとですね」


 という事で、遊撃のアタッカー達はストンプが来るまで直立して根っこ攻撃を待ちます。来たら避けて根っこを攻撃しまくるだけですね。


「武器が斧の人、すごい良い音させてますよね……」

「ほんとにね」


 カコーン、カコーンって聞こえるんですよ。完全にきこりです。これが特効でも入ってる感じでバカに出来ないのですけど。


 前線に出るわけにもいかない私達隊長組も、根っこを誘き出して滅多打ちにします。私とセシルさん、フェアエレンさん。更に双子もこっちの方が安全なので、こちらに参加です。


「大鎌かー。ロマンあるよねぇ」

「ですねぇ」


 根っこ攻撃はストンプ中にも来るようなので、ストンプの声を発したら少し歩いて根っこをキャンセルしてしまいます。そしてジャンプで避けて、再び根っこ待ち。


 そう言えば、銀狐さん達は何してるんでしょうかね?

 んー……ああ、攻撃に参加したり、プレイヤーを助けてるんですね。頭突きで助けられてるのがなんともあれですが、体力は減ってなさそうなので良いのでしょう。


 3本目が逝きますね。


『3本目逝ったぞー!』

「さて、クエイクですかね」

[グオオオオォォォォォオオオオ!]

「お、初めて聞く声だ」


 枝が集まるのですが……3本ですね? しかし1本1本はそこまで大きくない。北、東、南方面に枝がありますね。

 マップを見ると……南側が扇状に赤へ。


「おっ?」

「早いですね?」

『姫様! ところどころに安全地帯がある! そこに逃げ込ませろ!』

「なるほど、通達しておきましょう」

「マップ全体に見えるけど、ところどころ影響がない部分があるのか」


 それであの振り下ろし速度ですか。早すぎましたからね。何より、3本あるのに1本だけと言うのも気にな……るほど。

 今度は北が赤くなりました。そして、南を叩いた枝がこちら……西へやってきました。


「これ、決められたパターンが終わるまで続く耐久ですか?」

「あー、あれね。あれ終了トリガーが体力だと最悪なんだよなぁ」

「航空部隊に上から爆撃させてみましょうか」

「それが良い」

「ではそのように。一号!」


 一号を呼び戻し、【クイックチェンジ】で馬に変えておきます。もうここまで来ると、自分では走りたくないですよね。

 フェアエレンさんには枝を狙って爆撃を頼んでおきます。本体は動かないだけあって、物凄い硬いようなので狙うだけ無駄ですね。


 北が終わると東が赤くなり、北にいた枝は南へ移動しました。なので、北と西の境へ移動を開始します。

 いえ、西の番が来たら北側の範囲外に。西が終わったら西に戻ればいいじゃないですか。わざわざ一部の安全地帯に逃げ込む必要がないわけで。

 問題があるとすれば……そう考える人は当然いるので、みっちりしてる事でしょうか。まあ、仕方ありませんね。

 おや、スケさんがいつの間にかワイバーンに乗って爆撃に参加してますね……。その方が楽ですか。私まだ呼べませんからねぇ……。


 2回ずつ各方面ドッスンして終わりましたね。それぞれ元の位置に戻ります。一号もアウルに戻しておきます。

 再び根っこを釣っていると根っこが来なくなりました。枯渇したんですかね。後はメインであるストンプしてくる枝を伐採するだけです。


「ライフももうすぐ半分。終りが見えて来ましたねぇ……」

「だねぇ……俺も前線行ってこようかなぁ」

「良いんじゃないでしょうか?」


 セシルさんならストンプぐらい避けれるでしょう。トッププレイヤーの1人だけあって、火力も十分ですからね。

 私はいつも通り魔法攻撃でもしていましょう。そろそろ行動パターンが最終段階に入ると思うのですが……。


[オォオォオォ!]


 あ、変わりましたね?

 東西南北にあるうちの1本ずつが、定期的にストンプをし始めましたね……。


『何という嫌がらせ!』


 他の枝は普通に攻撃してくるので、一斉にされるより枝が狙いづらいようですね。

 有効的ではあるんでしょうけど、ジャンプするのも結構面倒なのですが。かと言って避けないと割と痛いですからねぇ……。


「一号、地面叩いてる枝をピラーで攻撃」

「カタカタ」


 飛んでる一号が、地面を叩いた瞬間の枝にピラーを発動させます。これが一番楽そうですかねぇ……。

 ああ、航空部隊が動き出しましたね。では任せましょう。


[ォォォォオオオォォォォオオオ!]


 時間差ストンプですね?

 それぞれタイミングをずらし、更に東西南北でもずらしてきましたか。打ち消し合う場所がかなりバラバラになりますね。


「ちょちょちょ」

「難易度上がり過ぎでは!?」

「演奏中にジャンプさせるとか、鬼畜だよねー」


 最初に叩いた枝などはすぐ上がるでしょうから、後の方に地面を叩いた枝を狙ってくださいねー。


 枝が少なくなるごとにストンプがしょぼくなっていき、全ての枝をへし折ると。


[オォォォォォ……]

「お、特殊ダウン入りましたか?」

『ボコれー!』


 設定された特定の状態異常を与えた時や、部位破壊などをした時に発生する事がある、普通の怯みやダウンとは違う特殊ダウン。設定によってはイベントアイテム何かが必要……などもありますね。それらを含めて名前通りの”特殊”なダウンなんですよ。

 大体が防御を一切気にせず、フルボッコのチャンスだったりしますね。


「ヒャッハー! おれ~たちゃ~きこ~りだぁ~!」

「魔物~だろうが~知ったこっちゃねぇ~!」

「植物に~生まれた事が~運の尽き~!」

『木は総じて素材だー!』

『ヒヒヒ……木、あんだろ? なぁ。置いてけよ、木。なぁ……置いてけよ……』


 あの人達絶対樵じゃなくて妖怪ですよ。妖怪木材置いてけ。


 トリフィドは短くなって使えなくなった枝を投げ出すように崩れています。どうなってるんでしょうね、あの木。

 当然のようにプレイヤーに集られ、3割ほどあった残り体力が消し飛びました。

 まあつまり……召されるように粒子へと変わっていきました。


[オ、オ、オォォ……]

「『我々の勝利です!』」

『うおおおお!』



〈〈ワールドクエスト:島の生態系を取り戻せ! 完了〉〉

〈〈クエスト評価を確認中…………〉〉

〈〈総隊長行動不能…………0回〉〉

〈〈総隊長死亡回数…………0回〉〉

〈〈部隊長行動不能…………0回〉〉

〈〈部隊長死亡回数…………0回〉〉

〈〈異人兵行動不能…………6471人〉〉

〈〈異人兵死亡人数…………0人〉〉

〈〈聖獣達との関係…………良好〉〉

〈〈対象制圧率…………100%〉〉

〈〈対象討伐率…………100%〉〉

〈〈クリア評価…………Sクリア!〉〉

〈〈更にパーフェクトクリアとして、報酬にボーナスが追加されます〉〉

〈〈MVP投票が可能です。各項目に頑張ったプレイヤーを選択しましょう〉〉

〈〈報酬はイベント終了時に纏めて支払われます。ゲーム内時間0時まで残りのサバイバルをお楽しみください〉〉

〈種族レベルが上がりました〉

〈種族レベルが30になりました。よって一部種族スキルが解放されました〉

〈種族レベルが30になったので、制限が緩和されます〉

〈《閃光魔法》がレベル25になりました〉

〈《閃光魔法》の【ルーメンマイン】を取得しました〉

〈下僕のレベルが上がりました〉



 ふむ……? お昼からなので、4時間ぐらいトリフィドと戦っていたようですね。残りの後8時間ぐらいは打ち上げでしょうか。


 それと投票ですか。0時までに投票すれば有効なようですね。イベント全体での投票と、ワールドクエスト中の投票があるんですか。

 ダメージランキングなどはサーバー側が出すので、その辺りでは決められない項目が並んでいるようですね。印象に残っているプレイヤーとかその辺りが。


「スターシャ、これやんよ」

「お、魔法の調味料セットが揃った」


 トモから調味料の残りを貰ったので、早速統合しましょう。


「おぉ……これは凄い。ぜひお持ち帰りしなければ」

「ほう……? ほーカレーが食いたい」

「材料はあったし、作ろうか」

「よっしゃ」


 中央に帰ったら案の定お祭り状態ですね。

 早速シュタイナーさんに食材を貰い、料理キットを展開して作り始めます。

 それと同時に、スキルなどの確認をしましょう。30になったので、《死霊秘法》のテンプレートも弄らないとですね。


「姫様進化はー?」

「アルフさんと同じくありませんでしたよ」

「そうかー。まあ既に《高位不死者》だしそんなもんかなー?」

「そう言えば、スケさんも一部制限されます的な事言われました?」

「言われたねー。ゲームバランスのためでしょう?」

「だと思います。30になったので、制限が緩和されますって出たんですよね」

「ほほーん? 簡単に計算しても、本来高位は60レベぐらいからだろうしー? 進化は無いけど、制限外れるから強くはなっていくのかな」

「とりあえず30で解放されたスキル確認しましょうかね……」

「強いよー」


 私が欲しいと思った人外系共通スキルは、この3つですね。


《魔力最適化》

 体を巡る魔力を整え、効率を良くし強化する魔物の本能。

 全ステータスを強化する。補正値はベースレベルとスキルレベルに依存する。

《野生の勘》

 野生で生きるあなたは他に比べ勘が鋭い。

 《直感》以降のスキルを強化する。

《弱肉強食》

 気配に敏感でなければ、野生では生きていけない。

 《危険感知》以降のスキルを強化する。


 とてもいいと思うんですよ。特に無条件全ステータス強化とか、取らない理由がありませんし? パッシブスキルは良いものです。


「《闘争本能》も取るべきでしょうかね……」

「20のやつだっけ。確かアルフは取ってたねー。僕は死ぬから取ってなーい」


《闘争本能》

 残りHPが少なければ少ないほど、全ステータスが上昇する。

 補正値はベースレベルとスキルレベルに依存する。


 HPが発動トリガーなので、スケさんはまあ……そうでしょうね。不死者系は自動回復もあるので、HP調整が大変というか……回復手段が貧しいので、常に減らしておくのはリスクが高すぎるんですよ。

 良いか。30で覚えた3つだけにしましょう。SPは……3つで9ですか。まだまだ余ってるので問題ありませんね。メモだけしておいて、イベント終了後に取りましょう。


「んー……これは不死者用も取りましょうか……」

「ゾンビ何だった?」

「ん? 種によって違うんですか? 《怯み耐性》でしたけど」

「良いなー。骨は《落下ダメージ軽減》とか言うゴミスキルだったんだけどー?」

「軽いから……ですかね……」

「ゾンビが《怯み耐性》で、アーマーが《ノックバック耐性》なのに、骨が《落下ダメージ軽減》とか……運営!」

「SPが浮くと考えましょう?」

「共有スキルじゃないから消費少ないじゃん!」

「確かに」


 SPは2ですか。被弾時の行動キャンセル率が下がるので、取っておきましょう。

 スケさんが言うには《落下ダメージ軽減》の説明を見る限り、落下時だけではなく、吹き飛ばされて壁にぶつかった時のダメージも軽減してくれるそうです。

 とは言え、今のところ『で?』という状態だとか。


「ぶっ飛ばされた時点で僕死んでる気がするんだよねぇ」

「まあ……大体吹き飛ばし系って打撃判定ですからね……」


 スキルが4個増えますが……ビルド的に必須級なので致し方なし。

 さて、そろそろ味付けしましょうかね。


『ん!? カレーの匂いがする! どこだ!?』


 やっぱカレーは気づきますよねー。匂い強いですからね。まあ、トモとリーナのPTに食われて無くなると思いますけど。


「お姉ちゃんからカレー臭がする!」

「言い方!」

「いひゃいー……」

『そら、そうなるな……』


 妹のほっぺをグニグニしてやりましょう。


「よくカレーが作れましたね? スパイスは?」

「魔法の調味料セットに入ってたんですよ」

「なるほど、あれですか」


 聞いてた料理人の人達が、一斉に自分の持っていない箇所を募集し始めました。すぐに他の場所からカレーの匂いが漂い始める事でしょう。

 トモとスグ、リーナのPTに配ります。人数的に2杯余りますね……。


「うん、うまい。そう言えば久々にカレー食った気がする」

「俺も久々かもしれん」

「私も久々ー」


 トモとスグも久々のカレーですか。リーナはまあ、うちはあまりカレー作りませんからね。


「カレー粉だけじゃなくて、瓶のスパイスセットまであるじゃねぇか!」

「カレー配合でもしろと?」

「したけりゃすれば? って事だろうな……これは交換せねば……」


 この魔法の調味料セット、薄口濃口、更には魚醤。味噌は勿論みりんやポン酢、マヨネーズなんかもありますからね。

 全て品質はCなので、それ以上が欲しいなら自作しろよって事でしょう。料理は品質で味とバフ効果に影響があるので、結構重要です。

 私はリアルでもやるので取っただけで、そこまでやり込むつもりがありませんので、このセットで十分です。

 どちらかと言えば……生産なら錬金に力を入れたいですね。


「そうだ、スケさん。錬金キット返しておきますね」

「ああ、おっけー」


 終了時に勝手に戻されるでしょうけど、一応返しておきます。


 飲み食いしながら雑談してるのもいれば、PKではなく決闘モードでPvPをしていたりと、完全にお祭りですね。

 そしてお祭り終了の時間がやってきました。


「はーはっはー! 俺だぁ! 帰るぞー」

「皆さんどうでしたか? 第二回公式イベント終了のお時間です」

『おー!』



〈〈第二回公式イベント、夏といえばキャンプ! 終了〉〉

〈〈投票集計中…………完了。ランキングが発表されました〉〉

〈〈リアル1ヶ月以内に報酬を選択してください〉〉

〈〈これより5分後、通常マップへと転送します〉〉



 ランキングですか。どれどれ、総合ランキングは……。

 んー……生産組が強いですね。エルツさん達が上にいます。私は……上の方ではありますか。セシルさんやリーナの戦闘組がむしろ低めですか。まあ、内容的にひたすら生産して配ってた方がポイント稼げるでしょうからね。

 ワールドクエストでは隊長組が上の方にいて、結構入り乱れてますね。補充回数の多い《調合》系スキルの人や《料理》系が結構上の方に。後は輸送部隊も結構上の方にいますね。


「リアル1ヶ月過ぎたら交換できなくなるからな! 忘れるなよ!」

「交換忘れたって言っても無視しますからねー」

「すぐ戻りたければメニューから帰れるぞ!」


 予定通り魔法の調味料セットと……湧き出る水筒を数個……3個ぐらいですかね。後は製菓セットやバーベキューセット、製麺セットも交換しておきましょう。

 後は保留ですかね。


「姫様おつかれー」

「お疲れ様です。クレメンティアさん」

「また今度ねー」

「ええ、機会があれば」

「「姫様フレンド!」」

「良いですよ」

「「わーい!」」


 クレメンティアさんを見送り、アメさんとトリンさんとフレンド登録をしておきます。


「そう言えば、スケさんとアルフさん明日の予定は?」

「んー?」

「狩りじゃないかな?」

「行きたいところあるので付き合って貰えますか? 狩りにもなると思います」

「「いいぞー」」

「では2-2エリアに行きたいので、ベルステッドに集合で。何時にしますか?」

「今日はもう寝るだろうし、午前中からでも良いべよー」

「そうだねぇ……どのぐらい掛かりそうなんだい?」

「敵が30後半なので、そこそこかかるのではないかと?」

「10時じゃあれかな。8時にするー?」

「既に眠いし、ログアウトしても眠いだろうから良いんじゃない?」

「では8時にベルステッドの広場で」

「「おっけー」」


 アメさんとトリンさんはレベル的にまだ無理ですね。冥府への入り口があるならそのうち連れて行く事になると思いますけど。


 そんなこんなで、イベントエリアから通常エリアへ戻って来ました。

 イベントエリア開始時の場所に帰ってきたので、スケさん達に挨拶してログアウトです。体を伸ばしてから寝ましょう。イベントが0時までだったので、既にロスタイムです。

 メモしたスキルを取得して、おやすみなさい。


名前:アナスタシア

種族:不死者の王女(イモータルプリンセス) 女 Lv30

属性:闇

属:高位不死者

科:ロイヤルゾンビ

スキルポイント:78


スキル

 《細剣 Lv22》《宛転流王女宮護身術・細剣 Lv27》《軽装 Lv29》

 《閃光魔法 Lv25》《空間魔法 Lv20》《高等魔法技能 Lv30》

 《危険感知 Lv25》《直感 Lv25》《舞踏 Lv31》

 《料理人 Lv24》《錬金術 Lv19》《採集 Lv14》《採掘 Lv7》

 《目利き Lv32》《解体 Lv29》《鑑定 Lv33》《識別》

 《魔法言語学 Lv1》

控え


種族(モンスター)スキル

 《暗黒魔法 Lv26》《死霊秘法 Lv35》《闇のオーラ Lv38》

 《物理耐性 Lv45》《物理無効 Lv41》《魔法耐性 Lv20》《怯み耐性》

 《魔力最適化 Lv1》《野生の勘 Lv1》《弱肉強食 Lv1》

 《生気吸収 Lv27》《HP超回復 Lv31》《MP超回復 Lv15》《自動回復特性 Lv28》

 《アンデッド統括 Lv36》《不死者の王族 Lv41》《王家の権威 Lv40》《高位不死者》

称号

 優雅で静謐なお姫様:他者に与える印象がとても良くなり、警戒もされづらい。

 ベルステッド解放者:始まりの街の東を一番最初に解放した記念称号。

 インバムント解放者:始まりの街の南を一番最初に解放した記念称号。

 料理人:一人前の料理人に与えられる称号。

 錬成師:一人前の錬成師に与えられる称号。

 錬金術師の弟子:始まりの街のメーガンに弟子入りした。

死霊秘法

 素体

  ラビット、ウルフ、ディア、ボア、ベア、ホース

  ゴブリン、オーク、オーガ

  ゾンビ、スケルトン、リビングアーマー

  ゴーレム、キャタピラー、タートル

  アント、スパイダー、スネーク

  コケッコー、ホーク、アウル、アベストルース

  ワイバーン、リザーダイン

 装備

  青銅の片手槌、鋼の片手槌、鋼の片手剣、鋼の両手剣、ゼルコバの円盾、鋼の大盾、鋼の小盾

 キャパシティ

  6329

 ベースレベル

  52

 スキル

  骨 鋼の片手槌、鋼の小盾

   《片手槌》《軽装》《小盾》《舞踊》《危険感知》《肉体強化》《会心の心得》

   《HP超回復》《MP超回復》《生気吸収》《回復特性》《集団適応》《中位アンデッド》《骨の体》

  犬 鋼の両手剣

   《両手剣》《舞踊》《気配遮断》《直感》《隠密》《追跡》《肉体強化》

   《HP超回復》《生気吸収》《迅速》《疾風迅雷》《集団適応》《中位アンデッド》《骨の体》

  鎧 鋼の片手剣、鋼の大盾

   《片手剣》《重装》《大盾》《堅守》《危険感知》《舞踊》《肉体強化》

   《魔法耐性》《HP超回復》《生気吸収》《回復特性》《集団適応》《中位アンデッド》《鎧の体》

  鳥

   《蹴撃》《奇襲》《暗黒魔法》《高等魔法技能》《危険感知》《肉体強化》《霊魂強化》

   《飛行》《HP超回復》《MP超回復》《回復特性》《集団適応》《中位アンデッド》《骨の体》

  馬

   《蹴撃》《回避》《身体制御》《騎乗》《危険感知》《歩行術》《肉体強化》

   《HP超回復》《回復特性》《迅速》《疾風迅雷》《集団適応》《中位アンデッド》《骨の体》

  ワーカー

   《直感》《危険感知》《魔力遮断》《採集》《採掘》《目利き》《解体》

   《魔法耐性》《HP超回復》《MP超回復》《回復特性》《野生の勘》《中位アンデッド》《骨の体》

   《物理耐性》《物理無効》《弱肉強食》《浄化耐性:中》

  種族 権能追加

   《物理耐性》《魔力最適化》《闇のオーラ》《浄化耐性:中》

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― 新着の感想 ―
トリフィドは素体に出来なかったか! いやまあ、レイドボスなんて貰えないか。
[気になる点] 下僕のスキルを見てて、いくつか見慣れないスキル(《堅守》《迅速》《集団適応》《追跡》《会心の心得》など)がありますが、どうゆうスキルなのか知りたいです。 下僕のスキルで《肉体強化》と…
[気になる点] ワールドクエストは終わったけど、夏キャンプイベントは終わってないので、スキルを取ってしまうと順位が下がってしまうリスクがあるのに取っちゃうところが気になりました。
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