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50 夏といえばキャンプ 2日目

イベント1日1話にしたい。よって長め。

 ん……ああ、イベント中でしたね。

 エリー、アビー、私、リーナと並んでいますが……全員武器は側に置いてあります。セーフティーエリアではありませんから。

 それとあれですね。ダンテルさんにパジャマでも作ってもらうべきでしょうか。流石にフル装備で寝るのはあれです。


 さて、起こさないようにベッドから抜け出しまして……レティさんとドリーさんはダブルベッド持ってたんですね。いつの間に入手したのか。

 ちょいちょい起きている人がいますね。……捨てられた鎧と朽ちた白骨死体が目に入りましたが気の所為です。


「一号、何もありませんでしたか?」

「カクン」


 下僕達は召喚したままだったのですが、特に何も無かったようですね。うちの子達ぐらいAIレベルがあれば、寝ている間の護衛は任せられそうですか。


 どれ2日目ですが、クエストは変わったのでしょうか?


無人島生活 2日目

 なんとか1日目を生き抜いた。役割分担をして、必要な物を確保しよう。

 1.島の調査をしよう。

 2.リーダーを決め、組織的に動いた方が効率的だ。

 3.食料を充実させよう。

 4.拠点を充実させよう。

 5.何をするにしても道具が必要だ。

 6.身を護るには武具も必要だ。素材となる物を探そう。

 7.万が一に備え、魔法薬の準備をしておこう。


 ふむ……。クエストはやることリスト的な、運営からのサポートなのでしょうか。何をしますかねぇ……。

 まず無理なのは拠点の充実と魔法薬の準備、武具の作成。これは専門スキル持ちに任せましょう。という事で4、6、7は無理。

 逆にできる事は島の調査をしつつ、素材集め。もしくは食料というか料理の充実。後は……《錬金術》による道具の作成ですかね。1、3、5は可能。

 それで2が不明ですね。レイドやらユニオンを組めという事でしょうか。ワールドクエストが発生していないので、フォースは無理のはずですし……これは保留で。1人で考えても意味ありません。

 パーティーな事を考えると1ですね。アルフさんもスケさんも生産はしませんから、戦闘したいでしょう。別に昨日のようにPT組んだまま2人には旅立って貰っても良いのですが……私も戦闘スキル上げたいんですよ。ベース30になりますから、進化が楽しみな時期です。


 あの人、後ろにいるのが緑色なので生放送していますね。イベントですから放送しない手はありませんか。昨日もちらほらいましたし。


「あ、おはよー姫様ー」

「おはようございます、クレメンティアさん。今日もセクシーですね」

「でしょー?」


 セクシーマンドラゴラなクレメンティアさん。話を聞くと北スタートだったようですね。


「敵はどうでした?」

「強かったよー。ワイバーンにリザーダイン、後は大きい陸亀」

「んー……リザーダインとは?」

「えっと……ワニ? ああ、これSSね」

「サイズはともかく、確かにワニですね?」

「でも陸生なんだ。リザードとクロコダイルかな? ってトップ組は思ってる」

「体はワニ、生態はトカゲに近いと?」

「今のところは」


 ワイバーンはド定番の飛竜。腕が翼になっているタイプですね。

 陸亀がジャイアントシールトータス。ヒーターシールド型の甲羅を背負う1メートルぐらいの亀。シールはシールドの事でしょうか。

 北は今のところ発見されているのがこの3体のようです。


「北は鉱山だったよ」

「鉱石系が北で、食材は主に西、東はハーブ系と」

「うんうん。姫様今日のご予定は?」

「今のところ未定ですね。アルフさん達まだ寝てるし」

「そっかそっか。食事が特殊な私達はあれだけど、他の人外種はそれなりに大変らしいよー」

「私からするとただのイベントマップですね」

「ねー。馬系はここが草原だから食事場発見。狼系は西の森で狩りだってさ」

「プレイヤーは雑食ではなかったですか?」

「そうだけど、自分で用意できるかどうかは重要じゃん? 後は一致させた方が回復量多かったりするらしい」

「なるほど」


 そんな隠し要素があったのですね。

 逆に木の実系は採るのが面倒なので、罠に嵌まることなく助かったとか。それなりの数木の実の犠牲者がいるようですね。


「私は種族スキルに《植物知識》あるからねー。そもそも満腹度は《光合成》」

「私は食べても状態異常効きませんし、《料理》で分かります」

「必要な人達ほど必要スキルを持ってないわけだ。ハハハハ」

「一番エグいのは毒より混乱ですか?」

「うんうん。それと弾ける木の実」

「ああ……異臭ですか……」

「腐敗臭だよあれ。フラガリアが熟しすぎるとあれになる」

「うわぁ……」


 何でもある程度育つと自分で切り離し、落下時の衝撃で破裂。そのまま自分の肥料とするそうです。植物からしたら腐敗臭とかは関係ないと言う事ですね。

 まあ私も腐敗臭は種族的に関係なく、それに関しては別の匂いに変換されているので問題はないのですが。


 クレメンティアさんとのんびり雑談することしばらく、起き始める人がちらほら。料理しようにも取りに行かないと食材が無いんですよね。


「姫様蒸溜水あったよね? 食事用に貰えないかな?」

「では1瓶ぐらい渡しておきますね」

「助かるぅ」

「まあ水ですから」


 渡した瓶の水とは別に蒸溜水をかけてあげると、《光合成》によりキラキラと光のエフェクトがでています。


「しかし蒸溜水で良いのですか?」

「良いの良いの。何かしら手を加えた方が美味しく感じるっぽい? でも蒸溜水よりは自然の綺麗なやつ。私からすると食材扱いみたいで、満腹度に変化がね」

「なるほど。一番は天然水で、次に蒸溜水、そして【飲水ウォーター】ですか」

「うん。できるだけ良い水を取り込むようにしてるんだ。進化に影響しそうだし」

「確かに、植物ですからありそうですね」

『ゴケッゴッコー!』


 突然の鶏に2人してビクッとし、声のした方……東側を見ます。


「可愛くない声だったなぁ……」

「ガラガラでしたねぇ……」

『ゴゲッゴッコー!』

『ゴケッゴッコー!』

『コケッゴッゴー!』


 大合唱が始まり、スヤァしていた他のプレイヤー達も飛び起きました。『うるせぇ!』という声と共に。


「定番と言えば定番だけどさぁ……」

「実際されるとイラってするな……」

「せめてもっと綺麗な声で鳴いて欲しいでござる……」

『うんうん……』


 ダミダミのガラガラですからね……。人間なら首筋凄いことになってそうです。


『ゴッケー!』

『ゴケッ!』

『ゴゲッゴゲー!』

『うるせぇ!』


 鶏がぞろぞろとやって来ました。猛ダッシュで……。


「敵襲ー! 敵襲ー!」

「ターンクッ! ターンクッ!」

「盾持ち前出ろー!」

「遠距離組も準備しろよー!」

「この状態で寝てられる羨ましいやつを叩き起こせ!」


 静かないい朝だったんですけどねぇ……一気に戦場ですか。まあ確かに戦場痕的な物があったので、予想はしてましたけども。


 8.シードコッケが突っ込んできた。撃退しよう。


 ちゃっかりクエストにも追加されていますね。シークレットもあるというか、状況に応じて変化するわけですか。敵の名前はシードコッケ……と。

 んー……下僕達を飛行系に変えておきますかね。えっと……アウル系にして、魔法を持たせましょう。プレイヤーに混じって爆撃で。


 プレイヤー全員が中央にいるわけではありませんが、それなりの数が集まってはいます。パッと見た感じで判断するなら中央は1陣が多いんですかね。まあ中央故、どこ行くにも移動が楽ですし? これだけいれば勝てない敵を警戒する必要は薄いですか。

 そのせいかさっさと大盾持ちが前へ行き、その他両手剣や弓などの物理アタッカー組が後ろに付きます。その更に後ろに魔法組が待機。

 槍組が大盾の隙間から槍を出し、地面に設置します。


「鶏っぽいし……大丈夫だよな? メイン武器折れたら泣くよ?」

「おう、おっちゃんに泣きつけ」

「むしろ手で持ってアーツ使った方が安全じゃね?」

「ふむ……一理ある。そうすっか」

「それで折れたら下手くそ判定」

「それは流石にねぇわ。ずっと槍使ってんだぞ」


 対突進対策の槍は大体使い捨てになるでしょうから、私もメイン武器でやるならアーツの方が良いように思いますね。武器的に1陣ですね。上手くやるでしょう。


「姫様、リーダー頼める? ユニオン組もう」

「間に合いますかね? 構いませんが」

「リーダーがやればいいから大丈夫」

「分かりました。部屋立てておきます」

「よろしく頼むよ」


 セシルさんが言うので、PTメニューから4PT以上のユニオン設定状態で募集します。募集名は……えー……19文字。よし、これでいいでしょう。


「ユニオン名結構好き」

「分かる。そう考えるとちょっとやる気出た」

「なにがー?」

「姫様の募集したユニオン名がな『なんてこった! 朝食が走ってくるぜ!?』なんだよ」

「……鶏肉!」

「いえあ!」


 来た申請を片っ端から許可していきます。

 リーナやトモ、エリーなどからも申請が来ました。ミードさんはフェアエレンさんとクレメンティアさん、更にモヒカンさんと狼系の人で組んでいるようですね。

 知り合いは全部入った感じなので……自動許可にしておきましょう。面倒です。

 ワールドクエストとかではないので、ユニオンに入った時点で私からのバフが付いているようですね。


 シードコッケは30後半ですか……中々高レベル。旧大神殿エリアクラスです。

 まず長弓の人から攻撃を始め、続いて短弓、そして魔法の範囲系であるエクスプロージョン系が炸裂します。


「では魔法組の皆さん、行きますよ?」

『おー!』

「せーの」

『【ノクスウォール】』

『【ルーメンウォール】』

『【フレイムウォール】』

『【メーアウォール】』


 タンク達の少し前にウォール系がズラッと出現し、どんどん突っ込み入れ食い状態に。HPが減った状態で躍り出てくるシードコッケ達を、待っていた前衛組が仕留めていきます。


「ゴゲーッ!」

「シードコッケってなんだと思ったけど、なんか頭とか首に植物あんのな」

「んー? ほんとだな。頭がオスで首がメスとか?」

「さあ? それより、死体が邪魔だ!」


 これはワールドクエストではないので、《解体》などを持っていると死体が残るんですね。こういう防衛タイプは外した方が良さそうですね……?

 それにしても、なんでしょうねこの違和感。こういう時は相談するに限りますね。


「セシルさん、それとミードさん、後は……リーナ……はだめかな。えー……ムササビさんこちらへこれますか?」

「なんだーい?」

「今行きます」

「なんでござるか?」


 少ししてから来てくれました。リーナは感覚派です。現在進行形なら良いのですが、過去が絡む場合怪しいですからね。


「あのコッケ達に物凄い違和感を覚えるのですが、何か思いませんか?」

「違和感でござるか?」

「ああ、俺も違和感あったんだよ。気のせいじゃないのか」

「ヒントになるか分かりませんが、レベルの割りにはとても楽ですね」

「確かに楽でござるな。突撃しかしてこないからではござらんか?」


 もう一度コッケ達を確認します。

 ミードさんの言ったことに同意したムササビさんの言う通り、さっきから突撃のみでひたすら直進。そして真正面にいるタンクを蹴ると。左右に目を向けても同じですね。


「確かに、直進しかしていない」

「バカでござるなー」

「ああ、なるほど。違和感はそれですか」

「……バカすぎる?」

「確かに! このイベントフィールドは特殊AIだと思うんだけど、鳥だから?」

「3歩歩いたらってやつでござるか?」

「ネタモブもいますから否定はできませんが……目的がある直進っぷりでは?」

「「……シード?」」


 セシルさんとミードさんがハモりましたね。シードコッケ……種ですか。頭と首に植物があるとか誰か言っていましたね……あ、嫌な予感してきました。


「一号! 首に植物のある死体をこっちへ!」


 えっこらえっこら持ってきて貰い、早速そのコッケの死体の首を切り落とします。嫌な予感と言うのは得てして当たるものです。


「あー……なるほど、そう来たでござるか」

「こっちは……若葉としかでないか」

「では本職に確認しましょう。ミードさん、クレメンティアさんを」


 PTを組んでいるミードさんに呼んでもらいます。《植物知識》役に立つと良いのですが、イベントのキーだとすると多分ダメですね。2日目では早すぎますし。


「なになにー?」

「この植物分かる?」

「うわぁ……正確には分からないけど、やべーやつなのは分かる。侵食洗脳系」


 やっぱりか……って感じですね。コッケではなく、この植物に操られているからの動きなのでしょうね。

 《直感》……! 私だけでなく、他の4人も全員同じ方を見ました。方角は後ろ。つまり西側の森からですね。


「これも気になるな……」

「サバイバルキャンプだわーいとはいかんでござろうな」

「それでは我々戦闘好きにはいまいちですからね」

「ワクワクだねぇ」

「とりあえず、まずはあれらを処理しなければなりませんね。直進しかしてきませんし、囲いますか?」

「あのままじゃ素材がボロボロになるでござるからなぁ……」

「《解体》問題が浮き彫りになったねぇ……。囲もうか」


 作戦会議をしてすぐ伝達。行動に移してもらいます。


「クレメンティアさん、この植物は何か特殊な処理が必要ですか?」

「んーん。宿主が死ぬと死亡判定っぽい」

「それは朗報ですね。流石に切り落として燃やしては面倒なだけですか」

「だねー。両方倒さないとダメとかじゃなくてよかったよ」

「ですね。さあ、参戦しましょうか。レベルは高いので稼ぎ時です」

「いえーい」


 下僕達が順調に攻撃しているので、結構稼げていそうですね。あの子達周りのスキルだけ育っても地味に困りますが。《閃光魔法》と《暗黒魔法》も稼がないといけませんね。


「なんだぁこいつら? 完全にイッちまってんじゃねぇか! ギャハハハ!」

「こいつは稼ぎ時だな!」

「最高にビンビンだぁ! なぁ兄弟!」

「俺に振るなぁ!? ビンビンじゃねぇからな!?」

「一緒にケツの穴増やしてやろうぜぇ! ヒャハハハ!」


 モヒカンさんが楽しそうでなによりです。

 後ろから殴られてるにも関わらず、常に前を見つめ続ける勇敢なやべーやつらですよ、このコッケ達。タンク以外はとても楽ですね。ボーナスステージ。近接も稼がせてもらいましょう。

 アルフさんはタンクに混じってますね。スケさんはひたすら魔法撃ってます。バインドまで入れているので、完全に稼ぎに走っていますね。

 私も《空間魔法》使用しておきますか。



〈種族レベルが上がりました〉

〈下僕のレベルが上がりました〉

〈《細剣》がレベル20になりました。スキルポイントを『1』入手〉

〈《細剣》のアーツ【ポンメルフェリーレ】を取得しました〉

〈《閃光魔法》がレベル20になりました。スキルポイントを『1』入手〉

〈《閃光魔法》の【ルーメンピラー】を取得しました〉

〈《暗黒魔法》がレベル20になりました。スキルポイントを『1』入手〉

〈《暗黒魔法》の【ノクスピラー】を取得しました〉

〈《空間魔法》がレベル20になりました。スキルポイントを『1』入手〉

〈《空間魔法》の【グラウィタスエリア】を取得しました〉

〈《死霊秘法》がレベル30になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《死霊秘法》の【チェンジアームズ】【クイックチェンジ】を取得しました〉

〈《死霊秘法》の新たなカスタム先を取得しました〉



「勝ったな! 風呂入ってくる」

「本当に勝ってから言うんじゃねぇよ。普通に汚れ流しだろうがそれ」

「今の状況的に風呂作るところからだけどな」


 んー……実に美味しいですね。

 死体の解体とアーツの確認をしないとですか……。レベル上がったのでMPは全快したのが助かりますね。結局《空間魔法》も使い、だいぶ減りましたから。

 さあ、解体解体。


『終わったー!』


 それなりに時間かかりましたね……。


「では配布しますよー。インベは空いて……るでしょうね」

『おう!』

「愚問でした」


 レイドやユニオンを組んでいる間のドロップ品は、ドロップリストに行きます。これはリーダーが配布ボタンを押すか、誰かが抜けようとするか、1週間が経過するかしない限りはそのままです。

 配布ボタンを押すと、後はシステムが勝手にその人のインベントリに放り込んでくれます。この際インベがいっぱいだと、一定時間以内に整理しないとぶち撒ける。


 手に入ったのは……まあ、鶏肉と羽ですよ。

 ぶっちゃけ植物に侵食されてた鶏肉食べるの? って感じですが、データ的に問題ないようなので美味しくいただきます。

 羽は……プリムラさん行きですかね。矢にするでしょう。


「ユニオンは……このままにしましょうか。また何かあるかもしれませんし」

「いんじゃない? クエストにも組めば? って書いてあったし。はい肉ー」


 リーナから鶏肉を受け取りましたが、お肉だけ貰っても他の食材無いんですが? 勿論リーナだけでなく、昨日のメンバーが持ってきましたが……。

 味付け塩オンリーのお肉のみというワイルドな食事にしてあげましょうか。逆にプリムラさんに羽だけ集まってましたけどね。勿論私もお肉と交換しましたとも。そんなもんですよね。

 さて、ベッドまで戻りまして……アーツやらの確認をしなければ。


 おや? あれは進化の光では。ああ、アルフさんとスケさんは今回ので30になったのですね。


「ふぅははは! 念願のリッチだー! 《高位不死者》!」


 テンション高いところすみませんが、外見的にはむしろ劣化したのでは……。


「……なんか外見劣化してね?」

「えっ? えっ!?」


 一号を初期スケルトンで召喚し直し、自分の体をガン見しているスケさんの横に並べます。これで違いが分かるでしょう。


「微妙に黒い……暗いですか?」

「なるほど。灰色かな? いや、暗い……光が減衰してる?」

「よく見ると思ったより違いますね」

「だね。良かったな! 俺は進化無かったしな!」

「お前は進化早かったろー! 姫様はまだ?」

「まだ27ですね。イベント中に30にしたいところです」


 ところで、さっきから霊体系の2人がいるのですが。どなたですかね?


「おや、進化ですか」

「2陣だってさ。20の進化らしいよ。さっき知り合ったところ」

「もう20ですか。早いですね」

「2陣は学生なら最初から夏休みだからねー。最初は上がりやすいし?」

「なるほど」

「「「おお?」」」


 プリムラさんより下の子達……でしょうか? 完全に人型の霊体は初めて見ましたね。半透明の人型で、薄っすら色が。

 片方は薄紫の髪と目。もう片方は黄色の髪と目。髪型は両方ボブカット系ですね。と言うか似過ぎでは? 色彩以外で区別が……ああ、こっちの黄色い子は女の子ですね。薄紫の子は……多分男の子です。


「「おおー!」」


 って声も似てますね……。双子っぽいですねー?

 少し飛び回った後、私の方へやって来ました。


「「姫様! 本物、本物だ!」」

「まるで私の偽物がいるようですね」

「アメはアメ」

「トリンはトリン」

「「よろしくね!」」


 は? ああ……! 自分のことを名前で言うタイプですか。自己紹介の時にされると謎ですね。


「アナスタシアです。よろしくお願いしますね。もはや姫様で構いませんが」

「「うん!」」

「プリムラさんより下の子ですね?」

「「双子、中1、学校は秘密ー!」」

「そうですね。個人情報は聞かれても黙っていないとダメですよ」


 私が唇に人差し指を当てつつ言うと、2人も『シー』っとクスクスしています。凄いですね、この2人のシンクロ率。

 プリムラさんが確か中2でしたか。この2人は小柄ですね。


「アメさんが男の子で、トリンさんが女の子ですね?」

「「凄い、正解!」」


 中1ぐらいだと、男の子の身長が伸びるのはこれからですね。


「ふぅははは! ようやくインベの肥やしだった装備がっ!」

「それっぽくなったな?」

「「そうだ、装備があったね!」」


 2人も装備があるんですか。用意が良いですね?


「「じゃーん!」」

「……もしかして2人共、エクストラ種族ですか?」

「「うん、そうだよ!」」


 やはりそうですか。明らかに普通の装備ではありませんからね……。しかしそうなると……。


「ほー、キーアイテム進化?」

「「これだよー」」


 そう言って2人はランタンを前に持ってきました。デザインが同じ黒いランタンですが、中で燃えている火の色が違いますね。アメさんが青。トリンさんが緑。

 更にアメさんは大鎌。トリンさんは木製のやたら長い棒。そして2人共防具もあるようで、薄汚れた黒いローブを装備しました。不思議な事に装備全てが体と同じく半透明です。


「鎌は死神として……棒ってなんだ?」

「なんだろうねぇ?」

「アメは魂の収穫者(ソウルハーベスター)!」

「トリンは魂の運び人(ソウルルーター)!」

「ふむ……役目は分かったなぁ」

「トリンちゃん、その棒って何か聞いても良い?」

「これは渡し守の棹」

「んー……あ、あれかー!」

「あー……理解した。この長さも納得だわ。あれか……」

「アメさんのは死神の鎌だったりします?」

「死神の大鎌ー」

「死神と渡し守系統の双子かー……」


 スケさんはちょっと威厳ある……法衣でしょうか? にマント。そして右手にいつもの杖、新しく左手に本です。背表紙が読めませんが……ぶっちゃけあれでは?


「スケさんその本、例のあれですか?」

「うん、キーアイテムだったやつ」

「ああ、やはり……ネクロノミコンですか」

「HAHAHAHA。魔法増幅効果あるんだこれ。つまり魔法攻撃力アップ!」

「それは良いですね。私のキーアイテムは消えちゃいましたからねぇ……」


 進化もしたのでスキルの確認をするようですね。私もアーツを確認しましょうか。


【ポンメルフェリーレ】

 柄の部分(ポンメル)でぶん殴る。出が早く、対象をスタンさせる。

【ルーメンピラー】【ノクスピラー】

 円柱状の天まで届く魔法の柱を出現させ、範囲内の敵に多段ダメージを与える。

【グラウィタスエリア】

 指定範囲の重力を上げる。重力の強さはスキルレベル依存選択式。

【チェンジアームズ】

 下僕の装備を別のテンプレートへ即座に切り替える。

【クイックチェンジ】

 下僕をテンプレートから即座に切り替える。


 ふむ……。【ポンメルフェリーレ】は確実に筋力判定では? 威力に期待はできないでしょうが、出の早いスタンアーツだと考えれば悪く無さそうですね。

 ピラー系は円柱状の設置型多段ヒット系魔法ですか。ウォール系とは逆の使い方になりますね。ピラー系は動かない敵、ウォール系は動く敵に。

 【グラウィタスエリア】は【グラウィタス】の単体指定型から、座標指定型になったバージョンですかね。消費MPヤバそうです。

 【チェンジアームズ】に【クイックチェンジ】は……《死霊秘法》の便利系魔法ですね。【チェンジアームズ】の方が嬉しいところです。即座に素体を変えたい場面が今のところ無いので、【クイックチェンジ】はなんとも言えません。


「んー……姫様」

「どうしました?」

「姫様の使役系スキルってPT内の~ってタイプだよね?」

「ええ、そうですね」

「ふむ……。じゃあやっぱ別物なのか」

「リッチ固有的な物ですか?」

「姫様の《不死者の王族》だっけ? あれ的な物だけど、自分が召喚した下僕達のステータスが上がるっぽい」

「ああー……クリエイトボーナス的な方向なんですね」

「つまり姫様のPT下で僕が召喚すれば強いと」

「そうなりますね」


 ああ、ついに別の食材が運ばれてきましたか。作りますかね。何だかんだお昼近いのですか。午後は皆探索に出るでしょうから、それまでに作りたいですね。


「むぅ……30で解放された種族スキル優秀だな……欲しいが……」


 アルフさんも何やら悩んでいますね。


 《死霊秘法》30による変化は……メタルの上がアーマースケルトンですか。そう言えば既に鎧を着てるっぽいのがいましたね。防具の装備ができるようになるのはここからでしょうか? まあ、私のベースレベルが足りないので、まだアーマースケルトンの召喚はできません。

 30レベ帯の召喚はまだできませんが、スキル構成は可能なのでそっちを考えましょう。

 現在下僕のスキルスロットは基本6の種族6に加え、《不死者の王族》による3個。つまり15個持てますね。そして30になったことにより、2次スキルが解放されている……と。

 ん……? なるほど……下僕達のスキルの仕様上、私の《不死者の王族》による共有化より普通に付けた方が強い場合がでますね。

 下僕達は《死霊秘法》のスキルレベルが、そのまま所有スキルレベルになります。今まで《不死者の王族》で渡していた、私の《HP超回復》は26レベ。しかし30になったことで自前の《HP超回復》が持てるようになった下僕達。自前のスキルレベルは30になります。私の《HP超回復》が効果で負けるわけですね。

 これは本格的に総入れ替えの検証が必要ですね。料理しながらでは辛いですか。先に料理を済ませましょう。


「ターシャママありがとです!」

「はい、気をつけるのですよ」

「えへー……」


 ご飯を渡したらグリグリ抱きついて来たアビーを撫でつつ、エリーと話します。


「何だかんだノリ良いわよね。まあ行ってくるわ」

「2回死んだらアウトなので慎重に」

「ええ、分かってるわ」

「では行ってくるです!」


 エリー達4人を送り出します。アビーが人形3体連れているので、7人ぐらいぞろぞろと西の森へ向かって行きました。


「じゃあお姉ちゃん! 行ってくる!」


 リーナ達は東の森へ。


「トモ君、北に美味しい肉を取りに行かないかい?」

「おー、行きますかー。良いよな?」

「良いぜー」

「北は1PTだとまだ効率悪くてねぇ……。ついでに鉱石採りたいところ」


 トモとスグ達はセシルさんと北に狩りですか。亜竜強いらしいですねぇ。セシルさんが言うには北は対空手段必須、できれば打撃武器、そして2PT以上推奨とか。

 トモは魔法で、スグは両手槌。他のメンバーも片手剣だけどタンクですし、補助系魔法……所謂神官系と長弓なので、北に向いているのでしょう。

 どちらかと言うと双剣なセシルさんが一番辛そうですね?

 まあ、いってらっしゃい。


「姫様はどーする?」

「レベル上げたいですからね。狩りと採取でしょうか」

「せっかくだし2人も来るかい?」

「「良いのー?」」

「良いんじゃない? 他のプレイヤーとは組みづらいでしょ」


 他と同じようにうっかり《聖魔法》使われたら死にますからねぇ。そういう意味では私達と組んだ方が、事故はありません。


「ではPTに誘いますね」

「「わーい!」」

「む、こんなスキルが。今の状況で下僕達に付けない理由がない……」


 二号と三号を送還し、アメさんとトリンさんをPTに誘って西の森へ向かいます。《直感》が気になるのと、進化組の確認もありますからね。私も下僕達のスキルを考えたいので、東や北は見送りです。


「《物理耐性》は私から渡した方が良いけど、《HP超回復》は自前の方が良くて……《自動回復特性》の上位スキルが《回復特性》ですか……ふむぅ」

「姫様召喚どうする?」

「スケさんが2体で良いですよ? 30帯召喚できますか?」

「いけー……なくもないね」

「ではそうしましょう。召喚でボーナスあるようですし」

「おっけー」


 スケさんは中型1体と小型1体を召喚です。

 私は……追加されたカスタムと言うのはこれですか。


ワーカー

 召喚者と生産・採取系スキルが共通で使用する事が可能な、召喚者のサポート役。

 ただし戦闘への参加はできず、生産もレシピからの再現しかできない。

 採取に制限は無いが、スキルによる移動可能距離を超える事はない。

 敵に狙われにくいが、狙われない訳ではないので気をつけよう。


 ああ、私はこれにしましょう。採取もしたかったので丁度良いですね。ワーカー限定ミニスケルトン……サイズコストが2倍から1倍になってますね。ではこれで……3倍上乗せ4本腕カスタム。


「お、ワーカーってやつ?」

「ですね。エルツさんから貰った採取ナイフと、解体ナイフを持たせましょう」


 戦闘スキルは持てすらしないようです。沢山ワーカーで召喚すれば捗りそうですが、敵に襲われると逃げるしかないよっていう極端なタイプ。


「では一号、見える範囲で採取するのですよ。敵がいたら逃げてくるように」

「カクン」


 これでよし……と。



 アメさんは死神の大鎌の柄部分、トリンさんは棹の先端にランタンを吊るし、その状態でふわふわと付いてきていますね。霊体の浮遊はMPを使用しないタイプだそうです。逆に歩くと言う動作が難しいらしいですけどね。


「よい……しょ! うーん……」

「敵を通過するようですね」

「刃を意識して振った方がダメージが多いかな?」

「2人のは随分特殊な装備だねぇ? 僕はとてもシンプルさ!」


 私の装備も中々特殊と言えば特殊ですからねぇ……。レイピアの形をしていますが、実質魔法触媒であり盾です。私がそういう使い方してたせいですけど。

 スケさんが魔法詠唱中は左手に持っている本が動き、怪しく光ります。かっこいいのは認めましょう。ええ、良いですよね。詠唱中に勝手にパラパラする本とか。


 2陣なので火力はまだ低いですが、アタッカーが増えたのは良いですね。しかも浮遊タイプの魔法アタッカーと遊撃です。

 更にアメさんの周辺にいると、光と闇系統魔法の被ダメージを軽減させるバフが付きます。そしてトリンさんの周辺にいると、光と闇系統魔法の与ダメージが微増するバフが付きます。どちらもランタンの効果らしいですよ。


 そして私達が敵を倒すと、ふらふらと光がアメさんのランタンに引き寄せられ……吸い込まれて光ります。またふらふらとランタンから出てきたと思ったら、今度はトリンさんのランタンに吸い込まれ……ランタンから光が昇ります。


「これ完全に召されてるよねー?」

「アメのが集めて!」

「トリンのが送る!」

「「2人いると取得経験値微増!」」

「へー……今後とも宜しく……」

「「任せてー!」」

「取得経験値微増ですか。レアですね?」

「レアだねぇ。割りと定番のはずだけど、まだ聞いたことなかったし」


 話しながら狩りしつつ、一号が採ってきた素材を受け取りインベにしまいます。ワーカー用に鞄なり収納が必要ですね? ポーチがあるということは、鞄が作れると思うんですよね。まあ、今は仕方ありませんので一号から受け取りますが。


「そう言えば、2人はヘイト管理大丈夫ですか?」

「「うん、ダメ!」」

「未経験ですか。とは言え、ここでは敵が弱すぎるので練習できませんね」

「北かな? 2人なら失敗しても上に逃げれば……」

「上は上でワイバーンいるから無理じゃねー?」

「んー……1回見てみないとなんとも言えないか」


 PTでやる以上ヘイト管理は重要ですからね。ヘイト管理をミスると一気に崩れるので、ボス以外で練習しておきたいところです。

 連携の確認は……ほぼ不要ですね。3人が魔法アタッカーですから。1人は上空からで射線も被りませんし。アルフさんとアメさんも被ることは無いでしょう。上空同士も双子なので平気と。

 敵に対空手段が無いなら、いっそトリンさんにタゲを持ってもらうのもありですね。上空から魔法攻撃してれば良いですから。そうすればアルフさんも盾置いて、両手剣でアタッカーなれますし?

 人が増えたので幅が広がりますねぇ……。おや、また《直感》ですか。


 む……? これはPTチャットですね。


「アルフさん、これいつものではありませんね?」

「ああ、うん。やっぱり? PKかもしれん」

「ほほーん? 2人は上空行ってきて」

「「分かった!」」

「一号を【クイックチェンジ】でメタスケワンコにしておきましょうか……」


 なるほど、こういう時に【クイックチェンジ】が役立つわけですね。リキャストが長めですが、仕方ありません。

 光系統軽減効果のある【遮光機構アンソール】を使用しておきます。


「光範囲が来ませんように」

「私達を狙うなら来るでしょう?」

「僕耐えられるかなー?」

「俺達狙うのは2陣ぐらいな気がするんだけどなぁ? まあ、俺らにとって一番ヤバい攻撃だから、使えると思っておいた方が良いか」

「ですねー。スケさんはアルフさんの側で」

「姫を守らない僕らな」

「俺らの姫様パリィタンクだから」


 採取のため1人離れた一号をチラチラ確認すると、AIレベルを上げていた甲斐がありましたね? これでもトップ組です。PK対策は考えて一号には教えておきましたからね。

 両手剣を下げた状態で持ち、姿勢を低くして《追跡》で索敵中。スキルを弄ったので《闇のオーラ》に包まれた一号です。

 突然PTチャットだけだと不自然なので、カモフラージュしておきませんとね。


「そう言えば、レアモブ的なのはいるんでしょうか?」

「っぽいのはいるって聞いたねー」

「っぽいの?」

「個体数が少ないだけなのか、レアポップなのか分からんって」

「なるほど」

「ちなみにそれらは東の森」


 《危険感知》……範囲じゃなくて私狙い?

 避け……れませんね。【ライトランス】を【ロイヤルアンチマジック】で弾き飛ばします。白いのが見えた時点で《光魔法》系統ですよ。


「なに!?」

「ランス系は弾速そんなありませんからねぇ……」

「【ピュリファイ】」

「その程度で《高位不死者》を浄化できるとでも?」

「くそっ! ぐああああ! いつの間に!?」

「一号、そのまま仕留めなさい」


 飛んできた矢を弾き飛ばします。魔法が2と弓が1……残りはなんでしょうね? 《聖魔法》を使えたのは一号に食われるでしょう。完全に魔法の選択ミスですね。正解は開幕で【ルーメンエクスプロージョン】ですよ。


「新人PKかな? まあ、助かったね」

「くっ……ライトア……」

「とりゃぁー!」


 アメさんが魔法使いに不意打ちして不発ですね。ああ、弓2人いましたか。トリンさんが行動前に魔法攻撃を開始と。

 それとアサシン系が2人潜んでいますね。


「アルフさん、気づいていますか?」

「見えてるよ。問題ない」

「では2人に任せます」


 さっきから弓がやかましいので、私はそちらを狙いますかねぇ……。


「【ノクスマジックミサイル】」

「なっ……!」

「隠れていたつもりかい?」

「くっそ! うおおおお!?」


 スケさんが片方に魔法を撃ちあぶり出し、下僕達が襲いかかってますね。スケさん本体がやること無さそうです。下僕達2体でも相手からしたら格上でしょうから。

 出てきたもう1人はアルフさんに阻まれました。


「そもそも、俺達不死者組にクリティカルはほぼ出ないぞ?」

「うるせぇ!」

「まあPK相手に何言っても無駄か。倒すに限る」


 どこも1対1になりましたか。お粗末ですね。何しに来たのでしょう?

 まあ飛んでくる矢を弾きながら、そちらへ歩いていきます。敵は短弓ですね。あれの最初のアーツは【アローレイン】なので、森の中では微妙すぎます。恐らく使ってこないでしょう。


「くそっ! 本当に人間か!?」

「失敬な。パリィしてるだけではないですか」

「そう簡単に全部弾けて堪るかぁ!」

「はて?」

「く、来るなぁ!」

「人を化物みたいに言わないで貰えますか?」

「グエーッ!」

「あ、一号。1人片付いたのですね。ではそれも頼みましたよ」

「カタカタカタ」

「くそぁ!」


 ふむ? アメさんとトリンさんも終わっているようですね。アルフさんとスケさんは……遊んでますね? あ、死んだ。

 こちらの被害は0でしたね。使用魔法的には2陣でも上の方かもしれませんが、こっちは1陣の上の方です。しかもバフマシマシ。



〈《宛転流王女宮護身術》がレベル20になりました。スキルポイントを『1』入手〉

〈《宛転流王女宮護身術》のアーツ【ロイヤルスタンス】を取得しました〉



「片付きましたか。ところでスケさん、いつから録画してるんです?」

「え? 最初の魔法が飛んできてからー」

「開幕からでしたか」

「最初から撮らないと面白くないじゃん。ハハハハ、掲示板にあげよ」


 まあ、そこは好きにして貰って構いませんが。


「なんで開幕範囲じゃなかったんかねー? 《聖魔法》だけで《閃光魔法》取ってなかったとかー?」

「【ピュリファイ】ってレベル10だよね? そこそこ行ってるのに《聖魔法》だけかねぇ?」

「私だけは確実に倒しておきたかったからでは? 私が皆にバフ与えているのは知ってるでしょうし」

「でもそれだと、姫様が《高位不死者》でパリィ型なのも知ってるじゃんねー?」

「流石に撃った弓全部弾くレベルだとは思わなかったんじゃ? 正直びっくり」

「姫様本当に中の人いる? AIじゃない?」

「失敬な!」

「「《高位不死者》って【ピュリファイ】効かないのー?」」

「「「…………」」」


 あれ、浄化耐性って触れてませんでしたっけ?


「……言った覚えがありませんね? あー……リーナには言ったような……」

「俺も……言ってないねぇ?」

「そもそも僕はさっきまで無かった」

「アメさんとトリンさんもあるのでは? 中位か高位では?」

「「えー……中位!」」

「じゃあ俺と同じ小かな」

「「おー浄化耐性:小がある!」」


 【ピュリファイ】は一番最初の浄化攻撃ですから、浄化攻撃:小ぐらいでは? 中位以降はろくに効かなそうですね。

 とりあえずアーツは……。


【ロイヤルスタンス】

 攻撃力を下げ防御系スキルに補正を加える。【ガード・パリィスタンス】の複合。


 んー……悪くはないのですが、魔法アタッカーポジションである私が攻撃力下げるのはあれですね。

 【ロイヤルスタンス】状態で【ロイヤルシュトルツ】により攻撃力を上げる? できるなら良い感じですが、これは計算式次第ですね。試さないと分かりません。


「まあ……まだ時間はありますし、探索しましょうか」

「んだねぇ」

「そーしよーか」

「「おー!」」


 一号をワーカーへ戻し、PK達が落とした素材系を頂きまして、再開です。

 何か見つかると良いのですが。


名前:アナスタシア

種族:不死者の王女(イモータルプリンセス) 女 Lv27

属性:闇

属:高位不死者

科:ロイヤルゾンビ

スキルポイント:69


スキル

 《細剣 Lv21》《宛転流王女宮護身術・細剣 Lv21》《軽装 Lv22》

 《閃光魔法 Lv20》《空間魔法 Lv20》《高等魔法技能 Lv23》

 《危険感知 Lv19》《直感 Lv19》《舞踏 Lv26》

 《料理人 Lv19》《錬金術 Lv19》《採集 Lv8》《採掘 Lv7》

 《目利き Lv31》《解体 Lv28》《鑑定 Lv32》《識別》

 《魔法言語学 Lv1》

控え


種族(モンスター)スキル

 《暗黒魔法 Lv21》《死霊秘法 Lv30》《闇のオーラ Lv36》

 《物理耐性 Lv41》《物理無効 Lv37》《魔法耐性 Lv14》

 《生気吸収 Lv26》《HP超回復 Lv26》《MP超回復 Lv7》《自動回復特性 Lv23》

 《アンデッド統括 Lv30》《不死者の王族 Lv37》《王家の権威 Lv35》《高位不死者》

称号

 優雅で静謐なお姫様:他者に与える印象がとても良くなり、警戒もされづらい。

 ベルステッド解放者:始まりの街の東を一番最初に解放した記念称号。

 インバムント解放者:始まりの街の南を一番最初に解放した記念称号。

 料理人:一人前の料理人に与えられる称号。

 錬成師:一人前の錬成師に与えられる称号。

 錬金術師の弟子:始まりの街のメーガンに弟子入りした。


死霊秘法

 素体

  ラビット、ウルフ、ディア、ボア、ベア、ホース

  ゴブリン、オーク、オーガ

  ゾンビ、スケルトン、リビングアーマー

  ゴーレム、キャタピラー、タートル

  アント、スパイダー、スネーク

  コケッコー、ホーク、アウル、アベストルース

 装備

  青銅の片手槌、鋼の片手槌、鋼の片手剣、鋼の両手剣、ゼルコバの円盾、鋼の大盾、鋼の小盾

 キャパシティ

  6305

 ベースレベル

  51

骨 鋼の片手槌、鋼の小盾

 《片手槌》《軽装》《小盾》《舞踊》《危険感知》《肉体強化》

 《HP超回復》《MP超回復》《生気吸収》《回復特性》《中位アンデッド》《骨の体》

犬 鋼の両手剣

 《両手剣》《回避》《身体制御》《隠密》《追跡》《肉体強化》

 《HP超回復》《生気吸収》《迅速》《疾風迅雷》《中位アンデッド》《骨の体》

鎧 鋼の片手剣、鋼の大盾

 《片手剣》《重装》《大盾》《堅守》《舞踊》《肉体強化》

 《魔法耐性》《HP超回復》《生気吸収》《回復特性》《中位アンデッド》《鎧の体》

 《蹴撃》《奇襲》《暗黒魔法》《高等魔法技能》《危険感知》《肉体強化》

 《飛行》《HP超回復》《MP超回復》《回復特性》《中位アンデッド》《骨の体》

 《蹴撃》《回避》《身体制御》《騎乗》《危険感知》《肉体強化》

 《HP超回復》《回復特性》《迅速》《疾風迅雷》《中位アンデッド》《骨の体》

ワーカー

 《危険感知》《魔力遮断》《採集》《採掘》《目利き》《解体》

 《魔法耐性》《HP超回復》《MP超回復》《回復特性》《中位アンデッド》《骨の体》

 《物理耐性》《物理無効》《浄化耐性:中》

種族 権能追加ワーカー以外

 《物理耐性》《闇のオーラ》《浄化耐性:中》


下僕達のスキル構成に1時間ガチ悩みした模様。

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― 新着の感想 ―
双子可愛ええなとりあえず今回のPKは親衛隊からPKKされるんやろなぁって
できるだけ良い水を取り込む > 生き血を取り入れたらアルラウネに進化できそうだけど、プレイヤーがこんだけいても、その発想をする人がいないのかな? ニワトリ、強ーっ!? リビングデッド並かそれ以上!?…
[気になる点] > ようやくインベの肥やしだった装備がっ! 今まで普通読み飛ばしてたけど、持ち込めるの一つだけですよね?双子はともかく、錬金キット持ち込んだスケさんはどうやって?
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