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99 ハロウィン 1日目

ユニオンでの会話は全員に名を付けるととても面倒なので、書いてない限りは特に誰発言か気にする必要なし。

 気になるとすれば異界との境界って、時空間と亜空間とは違うんでしょうかね? これはただの人に聞いても認識すらできてないはずなので、聞きませんけど。今のところこれといって気になる感じはしません。


 まあ、教会を出て再び中央広場へ。


「立像のところにいるイベントNPCから、アバターとかを交換できるらしい」


 男性NPCから男物を、女性NPCから女物を交換できるようですね。まあ、近くにいればイベントUIから交換できるみたいですけど。

 バンパイア、ミイラ、キョンシー、ゴースト、魔女などなど……典型的なハロウィン仮装アバターですね。


「これ、ゴーストじゃなくてメジェド様だろ」

「確かに!」


 近くにいた他のプレイヤーが爆笑しているのが気になるので、私もゴーストをプレビューしてみましょう。

 ……ふふっ。まあ、白い布を被ればそうですね。幽霊と取るか、メジェド様と取るかは人次第ですか。


「うわ、しょごたんキモ!?」

「誰得だこれ!」


 ……しょごたん? ああ、これですか。ゴーストの白い布ではなく、黒っぽい玉虫色の布に、大量の目が描かれたやつを頭から被るようです。ジャック・オー・ヘッドと言う被り物アバターもありますね……。

 他にはパンプキンパイにシチューの料理と、その料理レシピ。更にかぼちゃ型クッキーの型なんかもありますね。

 交換する為のハロウィンチケットは、住人からクエストを受けると情報などとは別に貰えるようです。


「アバターは不要としても、レシピと型が欲しいですかね」

「チケットが余ったら交換だけして、倉庫の肥やしだねー」

「常時仮装してるようなもんだしな、俺ら」

「「幽霊!」」


 人外種ですからね……。


「北東と南西に館。中央広場東側に組合が並んで、西に教会。開始前にいた平原が西で、南が山、他は森だってさ」


 飛べる人が中央広場上空で、ぐるっと2回見渡した動画が共有されたようですね。私も飛べますが、私の視界では町全体をカバーできないので、私も動画を見るとしましょう。


「領主の館の場所は聞きましたか?」

「北東の館だってねー」

「では南西の館が謎と」


 南から東にかけて山。つまり東の森は少し奥へ進めば山にぶつかりますね。


「南の山って鉱山ですかね?」

「可能性はあるねー。そこそこの数の家から煙出てるし」


 鍛冶屋の黒煙ですね。設備が良くなる程魔動式になり、煙は無くなるようですが。高い設備は性能が上がり、薪等の外部燃料を使用せずにマナを使用して動く。煙突が吐き出す物ではなく、空気を吸い込む物になるわけですね。

 つまり煙突から黒煙をモクモクしている時点で、普通の設備と分かるわけです。魔力品の加工には向かない鍛冶屋ですね。普通の鉱石を加工する分には問題ありませんが。


 まあ、重要なのは別にそこではなく。


「南は職人街的な場所でしょうか」

「そうらしいね。西が商業区っぽい」


 UIを見ながらアルフさんが言うので、どうやら掲示板に情報が出ているようですね。基本的な事は既に判明していそうなので、お使いクエストを探し回るべきか。


「この段階なら単独でも良い気がしますが、どうしますか?」

「探すという意味では別れた方が良いだろうけど……」

「他にプレイヤー沢山いるからねー」

「確かに……しかし問題は、私といるとクエスト受けづらい気がする事ですかね」

「王に頼む勇気!」


 お使いクエストやってませんからね。立場によるデメリットでしょう。その分別のクエストが発生するので、トントンなのでしょうが……発生頻度が違いますよね。そう頻繁に私案件ってどうなの? になりますし。

 ということで、PTクエストを発見するまでは自由行動にしましょう。別行動しても4人も不死者なので、こういう系弱いですね?


 冒険者組合のクエストでも見てみましょうか……。

 組合もテンプレ建物なので、特に目新しいところはありません。辺境といえば辺境なので、住人の冒険者の数はそうでもないんですかね。


 おや、セシルさんが木人殴ってますね。見慣れない武器で……。亜空間を通ってセシルさんのいる訓練場へ向かいます。

 セシルさんの持っている武器は光剣ではなく、あれですね……強化値の高い武器。つまり、武器が光ってる。


「お? やあ姫様」

「ごきげんよう。このゲームも強化で光りましたっけ?」

「いや、これは別物」


 「見てて」と、木人に向かって両手に持っていた光る剣を投げました。……外してますけど重要なのはそこではなく、投げられた剣が砕けるようにして消えました。「やっぱり《投擲》取ろうかな?」と言いつつ、セシルさんがこちらを向きます。


「【ディバインコール】から……【ダブルコール】」

「おぉ……まさかの武器召喚系ですか?」


 【ディバインコール】でセシルさんの右手の少し前が光り、そこから引き抜くように動かすと先程投げた剣が出てきました。

 そして【ダブルコール】で右手に持っている物が複製され、双剣に。


「少し前にシグルドリーヴァ様から祝福貰っちゃってさー」

「それでそのスキルが?」

「レアスキルだから条件は分からないんだけど、恐らくね」

「私は祝福でスキル増えてませんね……。種族には関係ありそうですが……」


 祝福でレアスキル解放……良いですね。シグルドリーヴァ様は戦の女神。セシルさんは純戦闘系ですし、ギルマスでもあるので気に入られる可能性はありましたね。


「問題はこれが種族スキルに分類されてる事かなー」

「……人間の?」

「そ、人間の」


 人間の種族スキルですか。種族と言ってもかなり特殊なものですね。


「神器のコピー品を召喚するスキルらしいね。召喚具と書いてサロゲート」

「《召喚具サロゲート》ですか。という事は特殊能力ありますね?」

「今はただ見た目が派手な剣かな。多分スキルレベルが足りてない。ちなみにこの剣はアンサラー。フラガラッハの別名っぽいね」

「フラガラッハですか。普通に神話の武器名を持ってきましたね」

「他にもミストルティンやブリューナクが選択肢にあったけど、スキルがね」


 神器は1個だけ選べたようですね。セシルさんはずっと剣ですから、持ってるのは《片手剣術》。ミストルティンとかコピーしても困るでしょう。


「そう言えば人間だけど、隠し補正がそこそこ分かってきたっぽいね」

「やっぱりあるんですか?」

「判定系が他種族に比べ少し緩いっぽい? 型で検証できる程度には」

「ステータスではなく操作面と来ましたか」


 初心者向けとも取れますが、判定系が緩いなら普通に強いですね。型の判定が緩いなら、他よりDPSが出しやすいとも取れますし。

 戦闘技術で戦うなら人間、ステータスでぶん殴るなら他種族になりますかね。ステータスでぶん殴るを地で行くのが人外種ですが。


「組合に待機してても特に何も無さそうだし、探索行こうかな?」

「昼間に動いて夜待機が良さそうですね」

「この基本情報は姫様?」

「挨拶しに行った際に司祭に聞きました。大司教がいましたよ」

「教会が主体だって聞いたけど、こっちの世界だとハロウィンは神事なのかな?」

「そうですね。収穫祭なのでハーヴェンシス様に対してのお祭りかと」


 手伝うのは構いませんがステルーラ様がメインではないので、積極的に口を出したりはしません。精々協力者ぐらいでしょう。


 召喚具であるアンサラーに慣れるため、とりあえず木人をぶん殴っていたセシルさんと組合のロビーへ戻り、依頼板を確認します。


「依頼自体は普通にあるし、討伐依頼達成でもチケットが貰えるらしいけど……イベント的にはいまいち貢献しなさそうだよね」

「逆に言えば、チケット狙いなら今のうちでは?」

「今なら余裕あるか……俺的には特に欲しいのなかったけど」

「料理系ぐらいでしょうか……」


 基本的にはイベントアバターがメインなので、RP勢は特に不要ですね。


「いや、ヴァンパイアはありですかね?」

「ただでアバター手に入ると思えばあり……かな?」

「あの方向で良いならですけど」


 討伐系は周辺の魔物や森の魔物、更に鉱山の魔物ですね。まあ、組合は他と大して変化無いと思っていいんですかね。システム的にハロウィンチケットが報酬に追加されているだけで。


「掲示板に続々と情報が出てるけど、キーの情報じゃないんだよなー」

「キャンプと違って4日と短く、どうもクライマックスは3日目……にも拘らず、このキー情報の無さですか」

「どうしたもんかね?」


 そろそろ何かしら行動を開始しましょうか。となると……PTチャットですね。


「何か見つけましたか?」

『いやー?』

『これと言って無いなー』

『『みんな忙しそう!』』

「依頼板見てみましたが、敵のレベルは格下ですね」


 後続組に合わせられているのでしょう。少しでも一陣に追いつけるようにですかね。私達が狩る意味は少し薄い。


『じゃあまだ歩き回るかなー』

『双子からしても格下?』

「同レベぐらいから格下ですね」

『『じゃあ良いや! 町回る!』』


 私は地味に欲しいのがあるので、多少チケットを稼ぎたいですね。

 やるなら……中央広場にあるキャンプファイアーか。木材運びでチケット貰えるようですからね。


「今後の方針は決まったかい?」

「キャンプファイアー用の木材運びですかね。どうも立場的に、不死者はシティ系に弱いようで……」

「高すぎる立場も考えものかー」

「他のゲームだと勇者だろうが英雄だろうが、パシリに使うんですけどね……」

「ゲームの突っ込んではいけない部分ね……」


 英雄相手に『夫がお弁当忘れたから届けてくれ』とか、正気か? ってなりますよね。

 『強くて』『信用できる』という意味では、『英雄に頼む』という選択は正しいのかもしれませんけど……お弁当配達でなければ。

 夫>英雄な奥さんと考えれば、いい奥さんなんでしょう。しかし生憎プレイヤーは英雄側なんですよ。

 クエスト報酬でお金と経験値貰えますが、あれ奥さんから配達料受け取ってると思うと、『お弁当の配達でよくこの金額出したな』って思いますよね。英雄に頼んだが故の依頼料か……。


 このゲームだと依頼主から受け取る演出がない場合、クエスト報酬としてシステムがくれますね。UIにクエストクリアが表示されて報酬が入ります。

 ルシアンナさんの様に、クエストクリアでステルーラ様からの祝福なんてのもありましたし。


「まあパシリはともかく、キャンプファイアーのところへ行ってきますね」

「了解。こっちは町の外でも見てこようかなぁ……」


 冒険者組合前でセシルさんとお別れ。

 私は木材の運搬と組み上げに参加しましょう。組み上げる場所は中央広場ですが、キャンプファイアー用の木材は別のところに保管されているので、そこから運んで積み上げですね。

 ということで、北側の保管場所へ向かいます。

 ……木材を担いだペンギンのきぐるみの人とすれ違いました。とてもシュールですね……。あの人両手剣だったはずなので、筋力は高いですか。


 えっと、木材を管理している住人は……あの人ですね。


「木材はまだありますか?」

「まだ沢山あるとも!」

「では運びますね」

「……重いぞ? これはハーヴェンシス様のお祭りだから、ステルーラ様関係の空間収納系は無しで頼む」


 持ち上がりはしますが、1人で運ぶのは不可能ですね。いくら種族的に筋力が高いとはいえ、筋力系のスキル補正がパッシブ一つだけでは無理ですか。


「周りも危ないから無理はするな? できることをしてくれれば良いんだぞ?」

「私で持ち上がるなら問題はありません」


 元々担いで運ぶなんて考えていませんとも。

 ということで、木材の両端を触手で持ち上げます。

 本体より筋力値の低い化身は、中央を持ち上げる力は無いが、端っこなら持ち上げられる力はある。となれば、本体側の筋力値である触手で両端を持てば浮かせられ、触手が3本もあれば運ぶことが可能。

 と思いましたが、一号を要塞で召喚。こうした方が利口でしょう。触手を出させてその触手に積んでいきます。欲しいものを考えると……5本運べば良いですかね。

 4本載せたところで別の触手でバッテンされたので、1本はこっちで……いや、スケルトンを召喚して担がせますか。触手操作するの面倒ですし。


「では持っていきますね」

「あ、ああ……よろしく」


 要塞に乗り……横持ちなので少し浮かせましょうか。スケルトンの二号と三号はお神輿の如く運んで貰えば良いでしょう。

 北の管理場所から中央広場のキャンプファイアーまで移動です。


「お、おう……凄い運び方してきたな……」

「私の時点で空間収納に入れてしまっても関係ないような気さえしますね」


 ハーヴェンシス様のお祭りだから、ステルーラ様関係の空間収納……つまりインベントリを使うなとのことですが、ステルーラ様に連なる私が運ぶのはありなんですかね。

 まあ、インベントリを許可してしまうとプレイヤー1人で全て終わってしまうので、その対策の理由付けでしょうけど。4柱は仲が良い……的な扱いだったはずなので、別に怒りはしないでしょう。私に神罰が来てない以上、人類側のお気持ち問題ですかね。……お祭りなんて最初からそういうものか。


 木材5本の運搬でチケット5枚。指示に従って5本組み上げて更に5枚。一号から1本ずつ移して完了です。ステータスや手段さえ合えば、1番楽にチケットを集められますね。

 住人からは感謝と、システムからはハロウィンチケットを受け取ります。

 そしてイベントNPCから、パンプキンパイとシチューのレシピを8枚、かぼちゃ型クッキーの型を2枚で交換します。


 木材で案外時間かかりましたね。運ぶのはともかく、組み立てでだいぶ持っていかれましたか。

 イベントの開始は朝でしたが、既にお昼を過ぎておやつの時間ですね。それにしては情報が全然出ていないのが気になります。


『なんもないんだがー?』

『ここまで何もないとなると、やっぱ夜からかな?』

『『なんの成果も、上げられませんでした!』』

「ホラーの始まりってどんなでしたっけね」

『大体何かしらが起きてからが本番じゃなかったか』

『取っ掛かりがないとねー』

「暗くなるまではもう少しありますね。レシピは交換してしまいましたし、生産でもして時間を潰しましょうかね?」

『『狩りでもしてくる!』』

「暗くなるぐらいには一回帰ってくるんですよ」

『『はーい』』


 この人数で動いてさっぱりなのですから、時間待ちでしょうか。中央広場で教会側に寄って、生産をしましょう。《錬金術師》にできると良いのですが。

 生産をしているとアルフさんとスケさんも合流。歩き回るのをやめたようです。


「僕達の場合、動き回るより居場所が分かった方が良いかと思ってねー」

「待ちの態勢になることにした」


 私の護衛として振る舞うことにしたようですね。

 さっさと領主のところへ行った方が正解だったかもしれませんが……いや、初日は館よりも町中にいた方が良いですかね。その方が直接関われる可能性が高い。


 せっせと生産していると、時間が過ぎていきます。


「よっ! 生産中か」

「私達の種族はシティイベントにとことん弱そうでね」

「不死者と外なるものは……そうなるか」


 トモがやってきました。


「そっちは何かあったー?」

「いや、全然」

「だよねー」

「通知来てないし、他の人達もダメダメだろうな……」


 スケさんとトモが話していますが、まあそうですよね。


「とりあえずイベントが動いてから多少効率よく動けるように、マップに目印になるようなの書き込んでる最中だな」

「そう言えば南西の館はなんだったか分かる?」

「旧領主の館らしいぞー」

「移動したんだね」

「少しずつ引っ越し作業してるとか言ってたな」


 まだ引っ越し作業中と言うと、お引越ししたのは最近なんですかね。ということは廃墟ではなく、誰かしらいると。

 ホラー定番の心霊スポットではありませんでしたか。


「スグは?」

「木材運んでるな。イベントで重要そうだし」

「キャンプファイアーね。とりあえず必要なチケット分は運んだけど、進行度具合では手伝うのもありか」

「放置してもギリギリの方で住人達が集まってくるとは思うんだけどな。必須レベルらしいから」


 元々は住人達だけでやっていたお祭りですからね。しかしゲームと考えると、放置するよりプレイヤーが組み立てた方が、何かしら効果・補正があることでしょう。

 ユニオンを利用してキャンプファイアーを組み立ててしまうべきですかね?


「各隊長達へ連絡です。何か進展ありそうですか?」

『いやもう全然』

『それっぽいのすら見つからねぇ』

『ほんそれ』


 人数が少ない分躍起になって探しているはずですが、ありませんか。とりあえずキャンプファイアーの話を持ち掛けてみましょう。


『今のところイベントに関わりそうなのはあれぐらいか』

『ただあれ、筋力無いと役に立たんからな』

『町中だし【念力サイコキネシス】じゃだめなん?』

「あ、そんなのありましたね」


 魔法ステータスで物を運ぶ魔法がありましたね。MP消費しますが町中なので回復するし、問題なく運べるはずですね。ただ、組み立ては多少コントロールが必要なので、その辺りに自信がないなら運ぶだけにするべきでしょう。


『俺らは人数少ないっぽいし、ちゃんと決めた方が良いかもしれんが……』

『そもそも取っ掛かりが無いから、作戦も立てられないのが問題だ』

『しかも元々大人数用なせいか町も広い。エリアを決めて張り込むか?』

『せっかく飛べる種族がいるんだ、上空パトロールもな!』


 さすがに全員がユニオンにいるわけではありません。全体の人数で見れば当然少ない。


「町を彷徨っているプレイヤーが多いと思うので、やはり木材でしょうか。狩場の方はどうです?」

『狩場は空いてるぞー』

『双子見かけたな。あの子ら確か2陣だよな? 俺らからするとちょっとねー』


 レベル的にも1陣が集められたこの鯖では、狩場自体に人気がありませんか。となると人が少ない。人が少ないと何かしらを見逃す可能性が高い。

 さて、どうしたものか。


「町巡りはユニオン外のプレイヤー達が、何も言わなくてもやるでしょう。そうなると、欲しいの交換したら用がなくなるキャンプファイアーと、旨味がない狩場というか、町周辺が手薄になりますね」

『掲示板にこっちの方針を書いておけば、多少連携は取れるかな』

「暗視持ちの我々が周辺に張り込みますか?」

『いや、ダメだな』

『姫様PTは町中待機の方が良いんじゃない?』

『そうでござるな』

『領主や大司教辺りと接触が必要になったら、姫様が動いた方が1番早いからね』


 ルゼバラムさん、こたつさん、ムササビさん、セシルさんから総却下!


「となると飛べる人達を外に配置し、他はキャンプファイアー。それが終わり次第町中パトロールに移行……でしょうか」

『森はどうするー? 上からじゃ見えないけど』

「森の方まで人数割けますか?」

『んん~……』

『町が広いから厳しいか?』

『厳しいんじゃないかなー』

「ではやはり、飛行組には町に出入りする人を見てもらった方が良いですね」


 町の周りは多少開けているので、その部分を空から見てもらっているだけで十分でしょう。


『キャンプファイアーを始めるのは暗くなり始める少し前らしいぞ』

『教会の人がキャンプファイアーに火を灯して、住人達が松明に火をつけて家に持ち帰り、家の近くの篝火とかに火を移すらしい』

『今は……おやつ時か。案外時間無いな?』

『儀式による点火らしくて、多分開始はもっと早いぞ?』


 儀式による点火ですか。雨降った時とかどうするんだと思いましたが、燃え続けるんですかね。

 儀式に関して少し聞いてみましょうかね? 後ろ、教会ですし。


 ということで早速近くにいたシスターを捕まえて聞き込み。

 聖水と木材を触媒に儀式を行い、聖なる炎を灯す……と。その火を松明に移し、町中に置かれている篝火を灯す事で、境界をはっきりさせる。

 つまり、火に照らされている部分は見回る必要がない……? そうだとすればある程度範囲を絞れますね。ビショップ・ベリエスから貰った情報も考えると、火が安地と確定させて良さそうですね。

 そして儀式の時間自体はそれほどかからないと。

 シスターにお礼を言って、生産に戻りつつ再びユニオンで情報を。


『なるほど、確かにそう取れる。それならある程度配置が決められそうだ』

『ねえ、それ私達ヤバくなーい?』

『確かに空は危ないか?』

『まだ初日だから、むしろ今しかない可能性もあるぞ?』

「境界は3日目に交わると、ビショップ・ベリエスが言っていましたよ」

『じゃあ行くなら初日の今夜だな』


 少なくとも門には門番がいるでしょうし、そこには篝火があるでしょう。つまり、そこ以外の平原部分を空の人達が見ている事に。

 町中の人達は中央広場や大通りは不要ですね。篝火の土台部分は置かれているので、この部分は見ている必要は無いでしょう。


「ああ、トモ」

「なんだ?」

「目印になりそうなところをマップに書き込んでるって言ってたね?」

「そうだな。この場合篝火がある部分をマッピングするのが正解だったか?」

「篝火1個1個は無駄だから、篝火がある通りをライン引くだけかな」

「今からやるには時間が足りんな。ユニオン総出か?」

「そうだね……聞いてみようか」


 賛同が得られれば、やってくれるでしょう。後はマップデータを私が纏めて、各リーダーに投げれば全員に行き渡りますし。


『ふむ……篝火のある通りをラインでね。色はどうする?』

『色は合わせた方が良いな。篝火だし赤とかオレンジか?』

『安全地帯的な意味で緑とかありじゃね』

「篝火エリアなので、オレンジにしましょうか」

『じゃあそれで』


 方針さえ決まってしまえば、動くのが早いメンバーです。

 町を雑にエリア分けして、ユニオンリストに載っている番号で振り分けて、とりあえず私の役目は終わり。トモも再び町を巡りに行きました。

 篝火マッピングの作戦時間は、儀式開始前の……住人達がキャンプファイアーの残りを組み上げる更に前です。住人達にさせず、私達で完成まで持っていくのが目的ですから、こうなります。

 スケさんはうちのユニオンの行動方針を掲示板に流す係。アルフさんは変わらず護衛中ですね。双子は……まだ良いでしょう。



 スケさんやアルフさんに太陽の位置を聞きつつUIから時計を見て、夕方になる前ぐらいにキャンプファイアーへ移行します。


「皆さん時間です。もうすぐ夕方になるので、木材運びに移行しましょう」

『もうそんな時間か。統合してからマップデータ送るわ』

『案外置いてないところがあるっぽいな?』

『全体に置いてあったらイベントにならんしな?』

『それもそうか』


 まあ、そうですね。裏路地とかには置いてないと思います。お約束と言うか、シティホラーと言えば路地裏でしょう。森なら獣道とか。


 とりあえず生産を止め、リーダー達から送られてくるマップデータを統合しましょう。その間にユニオンメンバーはキャンプファイアー用の木材運びと組み立てへ。


 中央広場から伸びる大通りは当然篝火が置かれていて、そこから逸れた小道があまり無い感じですね。そこそこの道幅が確保されている場所は篝火がある……と思って良いのでしょうか。

 重複部分のライン整理などをせっせとやって、リーダー達に送り返します。勿論PTメンバーであるスケさん達にも配布。


 ……もう夕方ですか。進捗はどうでしょうね。だいぶ大きいですが。


「そのサイズでまだ完成してないんですか?」

『いやなんか、普段より組んでるらしいな』

「……それ、色々大丈夫なんですか?」

『あ、木材ストップ来たわー』

『今出てるので最後?』

『だな。今あるの組んで終わりっぽい』


 どうやらいつもより積んでいるけど、当然保存している木材の問題と、組み立てた場合の問題を考えた限界までやったようですね。

 つまり異人達だけで足りなかった場合、住人達が組むけどいつも通りで終わる。異人達だけならいつも以上に立派にできる可能性が高いですね。


 ジャイアントと魔法の組み合わせで組まれていくのを視界に収めつつ、生産の続き。私達の後ろにある教会も動き始めたようですね。そろそろ始めるのでしょう。キャンプファイアーは間に合いましたか。


「ん? ……あ゛っ」

「「なんぞ」」


 とある事に意識が持ってかれて、蘇生薬がA級になってしまいました。


「境界の歪みが始まったようですね」

「ほう?」

「亜空間などと同じ扱いのようです」


 《時空間認識能力拡張》によって見えるグリッドが揺らいでいます。場所も揺れ幅も一定では無いので、ランダムでしょうか。法則があるなら予測も可能ですが、法則を調べるのは無理そうですね。と言うか面倒です。


「おや? 随分と立派ですね」

「異人の皆さんがしてくれたそうですよ」

「なるほど、彼らですか。こちらもより一層しっかりやらねばなりませんね」


 大司教と司教が出てきましたか。他にも刺繍持ちの聖職者達がぞろぞろと。使うと言っていたので、運んでいるのは聖水でしょう。

 聖職者の団体さんはこちらに頭を下げてから、キャンプファイアーの元へ向かっていきました。


「そろそろ双子を呼び戻しますか」

「双子は空行きかな?」

「あー……どうしましょうかね」


 松明を持った住人達もゾロゾロとやってきました。火を篝火に移す役目がありますからね。

 中央広場に集まる住人達。中央広場から離れていくユニオンメンバー。Sランク目当ての行動は早い。


「アメトリンさん、そろそろ戻ってください」

『『はーい!』』

「戻る途中にフェアエレンさん達と会うようなら、そちらでも構いませんよ」

『『分かったー!』』


 まあこれで構わないでしょう。

 さあ、そろそろ始まるでしょうか。イベントの本番が。


『すっかりお忘れだと思いますが、今回も睡眠必須なんですよ』

『…………』

『……どうすっべ?』

「……どうしましょうね。私や双子、プリムラさん辺りは確実に寝ますね」

『プリムラちゃんはまあ、木工だし起きてから頼めば良いだろうけど……』

『暗視持ちが減るのは地味に痛いか』


 恐らくホラー系イベントで、夜に寝る良い子なプレイヤー達。……どうなんですかね。ぶっちゃけ『何事もない』か『寝てる間に死ぬ』かの2択な気がします。

 今回のイベント的に『何事もない』方だとは思いますけど、『何事もない』=『ハッピーエンド』ではないのが肝ですね。


何事もない=問題を認知できていない=気づいていないところで何かが起きている

つまり、気づいた時にはもう遅い。


 に、なるはずです。イベントである以上『なにかある』のが前提なんですから。シティイベントで寝込みを襲ってくる……というのは多分……無いでしょう。ええ、多分。あったらあったで面白いとは思いますけどね。


 まあ、時間が来たら寝ますけど!


「まだ夕方なので、私が寝る前に何かしらあるといいのですが……」

『ホラーなら大体深夜とかじゃね?』

「大体そんな感じですよねー」

『ま、なるようになるでしょ』

『けせらせらー』


 儀式の方も粛々と進行されていますね。

 組み上げられた木材の側に聖水の入った壺が分けられて置かれ、聖職者達は囲むように円となり祈りを捧げ、大司教が呪文を唱えています。

 アーチビショップ・エドヴァルドの呪文と動作により、壺から聖水が動き木材にかかります。魔力視で魔力が見えない以上、『儀式そのものによる力』でしょうか。

 全ての壺から聖水が無くなり最後に祈りを捧げると、淡い緑色の光が灯りました。火種を投げ込まず、突然火が付きましたね。聖水でしょうか。


 何というファンタジー。緑色の炎、綺麗ですね。

 リアルでも緑の火はあったはずですが、確か金属を燃やす必要がありましたね。つまり、普通ならまず目にすることはないでしょう。精々花火の一瞬か。


 キャンプファイアーの緑色の火を、住人達が松明に移していき、篝火に移していきます。


「……なるほど、確かに揺らぎませんね。よくよく考えれば住人達も安心してないでしょうし、これが先人の知恵か。まあ、神より与えられた自衛手段の可能性が否めませんけど」

「先人が編み出した儀式か、神子経由で伝えられたか……かな」

「松明に火貰って練り歩くのありじゃねー?」

「……安全策としては良さそうですが、イベント逃がす事になるのでは?」

「それもそうか」


 家から抜け出した子供を探すようなイベントはありそうなので、その時には良いかもしれませんが、それぐらいでしょうか。


『『フェアエレンさんいたー』』

「そっちに混ぜてもらってください」

『『はーい』』


 双子は空に合流ですね。任せるとしましょう。


「暗くなってきたな」

「夜が来るー! 我々の時間だ!」


 火を灯したら大司教達も撤収。勿論松明に火を移して。多分暖炉か何かにも移すと思うんですよね、建物の中を保護するために。


「おっと、ネメセイア様。部屋は整えておきますので、必要でしたらお使いください。誰かしら起きているので、その者に言ってもらえれば」

「感謝します。アーチビショップ・エドヴァルド」


 宿取っていませんでしたね。1陣は少ないとは言え、全員が宿に入るのは不可能でしょう。ありがたく使わせてもらうとしましょう。


 そして夜の帳がおりました。

 パチパチと木が爆ぜる音を聞きながら、緑色の火のゆらめきをぼんやりと眺める。


「うん、実に平和ですね」

「薄暗い中、火に照らされる骨はホラーだと思うんだ」

「ドヤッ」

「中身これだがな」

「好きなくせにぃー」

「うるせぇわ」


 ……ええ、実に平和ですね。片方頭ないし、片方骨ですけど。


「さて……火の側にいても仕方ないので、歩いてみましょうか」

「「行くべ」」


 マップを見ながら町を練り歩きます。

 この世界は基本的に石造り。魔物に対する防御力を考慮した結果でしょうか。火災にも強くなるでしょうし。

 問題は石材の確保が大変ですが……この世界には空間収納がありますからね。車や重機なんて物もありませんが、個人が魔法を使え、召喚や従魔なんてのもいるので、代わりは十分あったり。


 このゲームの世界観を一言で言うなら、中世ヨーロッパ。

 しかしそれはあくまで我々がイメージする、『王侯貴族がいて城または館があり、城下町などの町並みが広がり、周りは森で移動は主に馬車な世界』を、中世ヨーロッパ風と言っているだけ。

 リアルの中世ヨーロッパと比べると、遥かにこの世界は発展していると言えるでしょう。


 まあ、今は状況が状況なので、我々異人以外に外を歩いている人を見かけませんね。とても寂しい状態になっています。

 ゲームなので、普段なら夜でも住人が結構歩いているんですけど。夜だから全員寝てるぜ! とかされると、お店や施設使えなくて困りますし。


「ん、一応住人のパトロールがいるようだね」


 さすがに住人全員が籠もるわけではなく、見回りもいますか。門番はいるでしょうけどね。外から魔物が入ってきても困りますからね。


「「「うおっ!?」」」

「ごきげんよう。ご苦労さま」

「あ、ああ……ネメセイア様御一行か。びっくりした……」


 あー……こっちは全員暗視持ち。しかもイベント目当てなので、松明を掲げていませんからね。向こうからすると我々が浮かび上がるように出てくるわけですか。

 私は良いとして、アルフさんもまああれですが、スケさんが確実にアウトですね。まあ確かに? どちらかと言えば、確実にホラーで脅かす側なのは否定できませんけども。


「ふむ……他の人に悪いので、【ライト】でも使っておきますか。戦闘は気の毒ですからね……勿論攻撃してきた方が」

「すみませんが、よろしくお願いします」


 アルフさんとスケさんは光系覚えていませんので、私が《光魔法》で覚える【ライト】を使用して、光の玉を頭上に浮かせます。

 そして住人の3人とお別れ。


 ええ、勿論攻撃されたこちらが問題ではありません。状況的に仕様がないとはいえ、『ネメセイア』に仕掛けた住人が大問題です。向こうがショック死しそうですからね。さすがに本意ではありません。いたたまれないにも程がある。

 攻撃の当たり外れは関係なく、『攻撃をした』という事実がもうダメ。そこにいかなる理由があろうとも、『王家』に攻撃したらアウトです。大逆罪待ったなし。

 唯一の方法は目撃者全員が口を噤む事。『見なかった事にする』『無かった事にする』ですね。今回は住人3人と私達3人なので、それが可能です。しかし、攻撃した本人がその罪悪感に耐えきれず潰れる……が、あり得るのです。

 自殺ばかりはどうしようもないし、『ネメセイアは死後の世界の王家』である以上、死んだところで……という、もうね。八方塞がりですよ。


 自分達のためではなく、相手のために我々の存在をアピールする【ライト】です。普通の王家ならむしろ、恰好の的になるので避けるでしょうけどね。……そもそもこの状況的に外に出ませんか。


 気を取り直して、探索再開です。何かしらあるといいのですが。



 何事も無く、ただ町を歩き続けて数時間。


「俺らを相手に稼ぎ時……と、食堂がやってるのは良かったね」

「昼間に仕入れをしてしまえば、後は外に出る必要がありませんからね。お店側からすれば、来てくれるなら何の問題もありませんか」


 おかげで料理持ちがバタバタしないで済みました。

 まあそれでも、入りきらないので時間をずらしているようですけど。

 トモのメモしていたマップ、地味に役立ちましたね。お店に合わせたスタンプが押されていましたから。デフォルトだとお店も溶け込んでいるので、アップにしないと分かりづらいんですよね。



〈〈情報が共有されました〉〉



「「おっ」」

「どれどれ……」


 夜道を歩いている黒猫のような後ろ姿を見かけた。

 追いかけたら走っていき、途中で見失ってしまった。


「にゃんこだって。そういえばこの世界でまだ見てないなー」

「黒猫か。ハロウィンの黒猫といえば、魔女の使い魔だな?」

「でもこの世界の魔女は薬師だべー? 使い魔いるんかね」

「どうなんでしょうね。そもそも使役魔法がありますし?」


 言い方の違いでしか無い気がしますね。従魔と使い魔、意味的には同じでしょう。《召喚魔法》なら呼び方は召喚体です。


 私、この世界で黒猫見たことあるんですよ。ええ、深淵の古城で。ニャルラトテップとか、ナイアルラトホテップって言うんですけどね? もし奴の化身である燃える三眼だった場合、完全におちょくりに来てるんですよね。

 覗き見る事はあっても、こっちにまで来ることが可能なのか……というのは気になるところです。彼らの力を考えると、しれっといても不思議ではありませんけど。


「後ろ姿だけなんですかね、目撃したのは」

「背中見て追いかけて逃げられたんじゃないかね?」

「目が三つでなければ良いのですが……」

「三つ?」

「燃える三眼。ニャル様の化身ですよ。燃えるような赤い三つの目と中身を除けば可愛い猫ちゃんなのですが」

「……それ、ほぼ全否定されている気がするが」

「見た目が猫だとしても、ニャル様が可愛いわけ無いじゃないですか……」

「うー! にゃー!」


 スケさんが言ってるのは……ああ、あのニャル様か。


「そっちなら許され……ますかね。コラボしたらあの姿のニャル様が?」

「あれ単品で来られてもぶっちゃけ困らねー?」

「主人公は間違いなく必要。そうなるとクーハスも来るだろ」

「でもあれ、突然ロボットになったりしますよね」

「この世界マシンナリーいるしセーフセーフ」


 あのサイズのロボット、まだ見たことありませんけどね……。


 そんな雑談をしつつ歩いてますが、特に何もなく。グリッドは揺らいでいるんですけど、イベントに繋がりそうな何かはありませんね。

 まあ、異人の誰かしらが当たり引けば良いのですが。


「掲示板で猫にゃん捜索隊ができてるねー」

「まあ、手がかりと言えば手がかりか?」

「三眼じゃない事を祈っていますよ」


 何事もなく雑談しながら歩いているだけで終わりそうですね。



 結局私の方は何事もなく寝る時間です。掲示板を見てるスケさんによると未だ猫も捕まらず。

 とりあえず寝るために教会へ。スケさんとアルフさんは引き続き回るようなので、一旦お別れです。


 一般開放されている礼拝堂は何だかんだ住人がいて賑やかだったりするのですが、今はとても静かで神聖さが全面に押し出されていますね。

 せっかく来たのでおやすみのお祈りをしてから、待機しているシスターに案内してもらってお部屋に。


「こちら、ご自由にお使いくださいとの事です」

「ありがとうございます」


 一般からすれば教会のメインは礼拝堂ですが、聖職者からすれば住居でもある。当然暮らすための建物も存在し、教会を運営するための建物も必要。

 つまり客人を迎えるための部屋も少ないながら用意はされている。用意されたのはその中でも最上位の部屋でしょう。……立場的に、そのはずです。

 【洗浄クリーン】を使用して大きなベッド――離宮のよりは小さい――に潜り込み……お?



〈〈情報が共有されました〉〉



 見間違いだろうか? ジャック・オー・ランタンが動いた!


 ……カボチャ。

 おやすみなさい。


サロゲートは召喚具で戦う、アリアンロッド2Eのサプリに載ってる職業。

武器召喚して戦うのってロマンあるよね!

うちの子バナレットバートルのフェアリーだけど。


講談社のブログによると、3巻が11月ぐらいに出そうですよ。

コミカライズは年末ぐらいには連載したいとかなんとか。

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― 新着の感想 ―
これは火か色かその両方か………。いや、フェイクの可能性もあるな………。う~ん?
[一言]  「宣誓!戦と勝利の神、シグルドリーヴァ様に誓います!」 運動会のときに宣誓したから目をつけられて、観察プログラムで条件を満たしたから祝福をもらえたのかな
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