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強敵と懐かしい味覚

精米し終えた米を研いで炊飯器にセット!

これって新米?なのかな。一応はダンジョンから収穫したてだし。

どのみち時間停止してる収納庫に入れちゃうんだから一緒とも言えるけど。


それにしてもこのダンジョンは大当たりだね。もうここを本格的なすみかにしてもいい位。

今日は、エメルに文字を書く練習をしてもらっている。

読むのは完璧でも、書けないと困る場面も出てくると思う。


チャチャはパンを作る練習。焼いた時に膨らむというイメージが難しいらしくて、苦戦している。オーブンの魔道具から出てきたのがぺったんこのパンで、がっかりしている。

私は割とすぐに出来た。この辺は想像力(妄想?)の差だろうな。


ムーンとモコは揃って狩りだ。

私は新しいブーツの作成。ムーンやチャチャは動きが激しいから、ブーツのへたりも早い。

リロル市は交易が盛んな所だから、本当はそこで買えたら良かったんだけど、出してあげられなかったのが本当に残念。

ブーツはやっぱり履き心地が大事だから、本人に穿いてもらわないと。

春になったらまた絶対に行くんだ。


ある程度終わらせて、あとはもう一度本人の足に合わせたい。使っているシルバーウルフの皮には付与があんまり付けられないから、サイズ自動調節よりも別の付与を付けてあげたい。


さて、次は何しよう?…またミスリルの錬成にチャレンジするか…はあ。

私が鉱石を出すと、モチが期待の眼差しを向けてくる(多分)

スラグ狙いだろうけど、ワクワクとした感情は伝わってくる。


よし!気合いを入れて錬成!

む…随分綺麗になった?

鑑定 雑物を含むミスリル 限りなく純ミスリルに近いが、B級品。

はあ…まぁスラグも出たし、ちょっとはミスリルに近くなったかな?

モチがジャンプして机に登り、屑を綺麗にしてくれる。


まあ、魔鉄の時も初めは苦労したし、こんな物だろう。


「チャチャ、私と一緒にやってみようか?」

「ん。イメージってどうやったらいい?」

うーん。改めて聞かれると答えるのが難しい。私はごく自然に色々考えちゃうから。

「例えばこのパン、ふっくらしてるでしょ?こうなるように、作れるって信じてみて」

チャチャがパンの見本をじっと見ながら生地を捏ねる。

それを整形してオーブンへ。


「ユーリ、できた!」

「やったね!チャチャ」

感情表現が苦手なチャチャだけど、パスからは充分に嬉しい気持ちが伝わってくるし、表情も緩んでいる。

チャチャと一緒に頬張る。

「…ユーリが作った方が美味しい」


「え?美味しいよ?変わらないよ?」

「ユーリの魔力の味がしない」

それは、私には分からないな。

「でも、ユーリが喜んでくれるなら、嬉しい」

「嬉しいよ。今度は菓子パンとか惣菜パンにも挑戦してみようか?」

「うん…やる」


今日は、ボス戦だ。ボスは、二足歩行の狼、ワーウルフだ。長剣まで持って強そうだ。


(ユーリ!あれは強い!絶対に前に出るな)

ええっ?!

ムーンが弱気に?それだけ強い魔物…!


ワーウルフが向かっていくムーンに剣を振り下ろす。

それを避けてムーンが爪を振りかぶるが、素早く避けられた。

モコの支援魔法も効いているのに!

チャチャの力の乗った攻撃も弾かれる。私も魔法を放つけど、効いている様子はない。

ムーンの爪がワーウルフの腕を切り裂いた!が、見ている間に傷は再生する。

魔力抵抗が強くて再生能力持ち。どうやったらいい?倒せるの?


「フレイ、あの空間を断つ魔法は?」

「い、今は無理でしゅ。私が動けるのは、契約主が危険な時だけでしゅ」

襲いかかる剣を、ひらりと避ける。

縛り、か。そういう物がなければ強力な何かが支配してしまうだろう。

かすり傷なら、回復担当に回っているモコがすぐに治してしまう。

それにエメルがいるから、本当に危ない攻撃は弾いてくれる。


けど、決め手にかける。…いや。試してない事がある。

「みんな避けて!」

ソルレーザー。太陽の熱光線のみを収束させて打つ。

焦げた。もっと光を収束させないと。攻撃を避けつつタイミングを図る。

額を打ち抜いたら、やっと倒れた。


充分な強さを持たないのに進んでしまった私の責任だ。ムーンにエキストラキュアをかけながら、思った。

(ごめんなさい。まだボス戦は早かったよね)

(我らの力不足だ。ユーリが気にする事じゃない)

(ほら、宝箱よ?ユーリ

(エメル…)


(そんな顔しないの。本当に私達の力不足よ。ほら!…まあ。これはブーツね!)

(ユーリ?下に行く。この下は食べられる魔物だし)

(行こうよ!ユーリ!)

(待って!モコ!)

魔法石に触れて21階層へ。

(勝手に行っちゃダメでしょう!)

(だって、変な所で悩んでるなんて、ユーリらしくないよ)


私の為…か。これじゃ怒れない。


(どんな魔物か確認して、ちょっとでも無理だと思ったら、すぐに帰るからね!)

(それでいいよ)


「は?…アジタケ?」

形はそうだけど、大きさが半端ない。私の身長の倍はありそうだ。

は、まだいいとして…何で槍持ってるの?

「魔化した植物でしゅね」

それは前に聞いたけど、武器を持ってるなんて…まあ、ダンジョンだから何でもアリだな。

普通に切ると、再生してしまう。エメルの風魔法も、モコの雷魔法もあんまり効いてないみたいだ。


まあ、植物には火魔法だろう。火を剣に纏わせて切ると、再生しない。

でも、これってダメージ入ってるのかな?切っても血も出ないし。

何度目かの攻撃で、やっと倒れたアジタケは縮んだ。

小さなアジタケの大きさそのままに。


はあぁ…。

苦労の割にはがっかりだ。確かに冬でもアジタケが手に入れられるけど、残念すぎる。


?あれ…こいつ微妙に形が違う!強さ的には一緒だけど。


鑑定 タケマツ 香り高いキノコ


松茸だ!この香りは間違いない!…うわあ…まさか松茸が食べられるなんて!

本当に数える程しか食べた事はないけど、圧倒的に粉末松茸のお吸い物の方が多いけど、一気にこの階層への攻略の欲望が湧いた。





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― 新着の感想 ―
[一言] いいなユーリちゃん 一足お先に松茸尽くしだ♪ お米手に入った近い層で 松茸手に入るとは。 食欲と物欲はレベル越えちゃうかも 危険な時はみんなと退避。 1歩1歩強くなろうね。
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