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テッドに念話を習得させる為に(意地悪じゃないよ)

テッド達とコーベットに帰る道すがら、ユーリはちょくちょくテッドに念話を送る。

「だー!もううっとおしい!」

「急にどうしたの?テッド」

「そうだよ。馬車で立ったら危ないんだよ?」

(反論は念話でね?)

「くっ…!」

テッドはドサッと座る。


(今度はなぞなぞいってみようか。パンはパンでも食べられないパンは?)

くそ!ユーリの奴!

「パンツだろ!」

(フライパンだよ?それと、声に出したらアウトだよ)

「パンツがどうしたの?テッド」

「何でもないってば!」

(ちょっと黙って)

「は?」

「何か来ます!」

私の緊迫した声に、馬車が止まる。


「ゴブリンね。数が多いから減らしてあげるから、あとは二人でやりなさい」

シーナさんが短杖を振ると、大きな火の玉がゴブリン達の頭上で爆発する。

テッドはアイスランスで、ユーリはウインドカッターで一匹ずつ狙い打つ。


「減らしすぎたわね。テッドは命中がいまいちね?」

(命中のスキル持ってないの?)

「うるせっ!まだ訓練中だっつーの!」

「テッド、お母さんに対してうるさいはないでしょう!」

(バーカ)

「ああもう!ユーリの馬鹿野郎!」


「ユーリちゃんに文句言ってもしょうがないわよ!テッド、闇雲に魔法使うだけじゃダメなのよ!」

(そうそう。命中大事)

「うがー!」

テッドはもう一匹来たゴブリンに、剣を振るった。

まあ、からかうのはこれ位にしておこう。


できればまだ私の使えない暗黒魔法を見せてもらいたかったけど、ゴブリン相手じゃ使わないよね。残念。


念話のネタも尽きてきたな。一方通行だから、独り言だし。

次は食べ物の名前かな?

テッドがげんなりしてるけど、亜空間は従魔達が入っているし、収納庫もまだのテッドには、自慢にしかならない。もう少し黙っていよう。


(キノコとトマトのピザ、照り焼きチキンのピザ、ベーコンポテトピザ)

はあ。ピザ食べたい。


そんな事している間に、コーベットに着いた。

(ねえユーリ、ボク達はギルドの依頼を受けていた方が良かったね)

(結果としてはね。とりあえずおガキ様の面倒も見なきゃいけないから、もう少しこの町にいよう。仕方ないから)

(ユーリったら。唯一の人族の友達なのに、そんな言い方して)

(だって生意気なんだもん)

友達というより、弟みたいなものだ。


前に泊まっていた安宿に部屋を取り、いつものごとく鍵をかけて亜空間に入った。

それにしても、今朝は失敗した。遅くまで起きていたのがいけなかったのか、朝寝坊した。畑仕事もしばらくしてないから、緊張感が無くなったのかもしれない。


(そうだ。みんなにお土産があるんだよ)


それぞれにお土産を渡し、エメルの髪を結ってやる。

(ユーリのも結ってあげたいけど、短くしてしまったのね)

(子供はこれでいいんだって)

「この国の風習でしゅね。他国はあまり関係ないみたいでしゅ」

そんなもんなんだ。

(ねえユーリ…このワンピースって、女の子が着る物だよね!)

(いいでしょ?私とお揃い)

(うっ…ユーリとお揃いはちょっといいなと思うけど、ボクは雄なのに)

(大丈夫。モコは可愛いから)


私も買ったばかりのワンピースを着てみる。

(うう…ユーリは可愛いけど…)

(大丈夫、モコも可愛いよ)

(着てみたらどうだ?ユーリとお揃いなのだろう?)

(それは嬉しいけど…ええい!)

モコはいつもの服を脱いで思い切ってワンピースを着る。

(モコ、可愛い)

(チャチャもそう思うよね!)


だって本当に可愛いのだ。将来は確実に美人になるだろうな。

(まあ、人化した姿なんて所詮は仮の姿だから別にいいんだけど、ボクが雄だって事は忘れないでね!ユーリ)

(忘れてはいないけど、モコに似合う格好をたまにはして欲しいな)

それはエメルもチャチャも一緒だ。冒険者として活動する時は仕方ないけど、仕事がない時は可愛い格好をして欲しい。


山の素材は高く売れる。ミノタウロスの角を出した時なんて驚かれたけど、肉も出して欲しいって言われたけど、それは出すはずがない。

売れる素材はギルドにあった魔物の本で大体は確認している。

クイーンキャットやモノクロームの事も知りたかったけど、図書館で調べられなかった。

そのうちまた行って調べたいな。珍しいらしいけど、それがどれ位なのか。


雪狼の事は載っていた。氷を操る種族で噛みつきと足の速さに注意が必要。

ムーンはレベルも高かったから、弱ってなかったら、従魔にするのも難しかっただろうな。


午前中は調べ物をしたから、午後は薬草採取の依頼を受けようと思う。

常設依頼だから一々ギルドを通さずに摘める。

というのも、ポーションの賞味期限は三ヶ月位しかなくて、しかも最初の1ヶ月を過ぎると徐々に効果が落ちていって、飲用できなくなるのは三ヶ月位だけど、その頃には効果が三割位しかないみたいだ。あとは効果の低い物は直接かけるか、中身の交換だけなら少しお得になる。

薬草採取が常設依頼になるのも納得がいくね。


マジックポーションも似たような感じらしい。従魔達に渡しているポーション類は、もっとこまめに変えなきゃだめだな。

私の作ったマジックバッグには時間遅延の効果も付いているけど、完全に時間停止する訳じゃないからね。


瓶自体に時間遅延効果のある術式を刻んで効果を遅らせる方法もあるけど、普通のポーションにそれをやったら却って単価が高くなってしまうという。


ポーション瓶に時間遅延の効果を持たせるのは、やってみたいな。ギルドにその本はないけど、図書館ならあるだろう。


また図書館に行きたい!1日じゃ足りないから、何日かかけてもいいな。


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― 新着の感想 ―
[一言] (((o(*゜▽゜*)o)))★★★★★ 丁寧な面白い作品ありがとう! 続きがとても楽しみです。
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