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エメルとハイポーション

 エメルが帰って来た。たくさんの海の幸を持って。

(どう?コンブはある?)

(残念。ないよ。元々ないかもしれないし、ここにあるのは海草サラダにすれば食べられるから嬉しいよ)

 鰹節だって木だったのだ。昆布もないかもしれない。

 それにアジタケを干せばシイタケみたいにいい味出るし、今はコンソメにも挑戦中だ。

 肉の臭みを取るハーブがあるから、鶏ガラや魔物の骨と煮込んでいる。

 魔法で水分を抜いたりすれば、コンソメの素ができないかな?


(それにしても酷い臭いね)

(そうなんだよ。エメルからも言ってよ!骨ばかり煮込んでいるんだ)

(ごめんね。実験したいから)

(ならモコは離れていたら?私がユーリの護衛するから)

(んー。分かった。何か獲物を採ってくるよ!)

(アジタケもお願いね!)

 とりあえず人の姿になれるモコなら、綺麗に採取出来る。


 アオさんの所にも行きたいな。今回の海草サラダとか、茶碗蒸しも持って行きたい。それならお腹にたまらないから、アオさんにも食べてもらえるだろうし、アオさんにも海産物は珍しいだろうから。


(そういえばさ、ザリビーにまたやられたよ)

(あら。まだ川魚も欲しいの?)

(んー…まあ、また違った味わいもあるし、今は農業の方で忙しいから、釣りもなかなかできなくて)

(というかさ、そんな虫如きに拘るなんて、ユーリも子供っぽい所もあるのね。安心したわ)

 はっ。そういえば。

 大人なら普通に諦めるよね。だって向こうだって餌狙いなんだから仕方ないし。

 やっぱり精神年齢も下がってる所もあるのかな。


(なら、川でも獲物を採ってきてあげるわよ。ただ、普段見ない魚は毒持ちとか分からないから、ちゃんと鑑定して)

(あ、だめだよそれは!無理しないで、川にもたまに毒持ちの魚とかいるし)

(うーん。でも耐性もあるし、ユーリの作った毒消しも持っているから。それにむざむざ先制攻撃なんてされないから大丈夫よ)

(それでも、心配だから)

 川魚よりも、海の方が危険は多い。まあ、危険な場所には行かないけど。

(ユーリがそう言うならやめておくわ。そういえばダンジョンは?もう下を覗いたりした?)


 そうなんだよね。15階層はすごく気になるから早く行きたいけど、残念偶数階層をクリアしないと行けないし。

(そうだね。早い物はもう収穫まで行ってるけど、もう少しハイポーションを作る為の薬草の様子を見たいけど…銀も採りに行きたいんだよね。冬の間に使いまくったから)

(そうなの?下に行く時は絶対私も連れて行ってね!)

 まあ、モコも強くなったし、いいかもしれないな。


 ハイポーションは、是非とも欲しい。私がいる時は大丈夫だけど、モコも聖魔法は覚えたけど、ポーションだと200位しか回復しない。他の子の体力がどれ位か分からないけど、それ以下は絶対ないと思うし、マジックポーションと毒消しポーション、それとハイポーションも出来れば常に持ってて欲しい。


(エメル、これ、とりあえず1本しかないけど、ハイポーションね)

(へえ。凄いのね。どれ位回復するの?)

(800位?ちょっとミスしたら、効果が下がったよ)

 本当は1000位回復するはずなのに。この辺の技術も上げていかないと。折角のアオの加護が役に立たない。いや、立ったからここまで回復するのかな。

 1回で作れるのは5本分。植えて増やすのを考えたら1回しか作れなくて、緊張して失敗した。これじゃフレイに何も言えない。


 まだ根付かないんだよね。というか萎れる寸前だ。

 元々生えていたのが聖域の近くだから何かが違うのかな。

 本当なら乾燥させちゃった方がいいんだろうけど。

(シソ草以外にもフレイに聞いたらハイポーションの材料になる草はあるみたいだけど、見つかってないから何とか増やしたいんだけど、あれじゃ無理かな)

(私には詳しい事はさっぱり分からないわ。鑑定なんてどうやって取るかも不明だし)

  

 植物に回復魔法って効かないのかな?試しに…ヒール?

 え!ちょっと元気になった?なら、ハイヒール!

(え?草にも魔法って効くのね…)

「やろうとする人は少ないのでしゅけど、理論上は可能でしゅ」

「え?なら教えてくれても」

「迷ったんでしゅけどあの場所に行けば生えてましゅし、他の材料を見つけるのもいいと思ってました」


 うーん。鑑定もスキルなんだから、その方がスキルアップにはつながるとか。まあ、そもそもフレイは私がやる事に基本口出ししない姿勢だし、干渉にもなる。

「スキルの練習は、頑張るよ」


 そう。モコ見ててよく分かるけど、最初は人化しても二足歩行も覚束なかった。獣の部分も多く残っていたし、長く保つ事もできなかった。

 今は少しは慣れてきたけど、やっぱりまだ人には見えない。

 まあ、猫耳と尻尾が残るのは獣人には見えるからいいけど。


 うん。でもとりあえず枯れる心配はなさそうだ。なら、安心して出掛けられる。

(明日はダンジョンに行こうか)

(ふふっ。楽しみね)


 エメルやムーン等は、私が居なければどんどん奥まで行きそうだな。実力もあるし。

 

 スープの素?的な物は出来た。ただ、煮詰める必要はなかったかも。錬金術の分離で水分だけ分離して、あとは抽出。

 けど、薬を作るのもそうだけど、スキルで作るよりもちゃんと手順を踏んで作った方が味が柔らかい気がする。

 効果的には変わらないから、急ぐ時にはスキルで作ればいい。


 早速何か作ろうかな?海産物もたくさんある事だし、お昼はお弁当になるから、魚はフライにしてもいいな。

 ついでにじゃがいもと玉葱も揚げて、ついでに夕ご飯用にとんかつも揚げよう。


 そう。油といえばオークの脂からもかなりの量動物性の油がとれるけど、チャチャがオリーブの実を見つけてきてくれたお陰で、オリーブオイルも使える。

 勿論場所を教えてもらってかなりの量を確保した。

 そうなるとやっぱりパスタが食べたい。

 石臼用の石はまだ見つけてない。何しろここは海が近いから、大きな石はないのだ。


 

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