表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/226

冬支度と…

 気温も大分低くなってきた。もう冬が近い。

 雪に埋もれる前に、収穫できそうな物はしないと。

 それと、いつの間にかアオが加護を授けてくれたようだ。

 

 青龍の加護 効果は、物作りに成功補正大


 ありがたい。料理や魔道具だけじゃなくて作る事全般だから、かなり役に立ってくれそうだ。


 大根や白菜も、収穫が間に合った。雪がちらついてきたから危なかった。

 それはそれで雪下野菜になって美味しくなるのかもしれないけど、自分の身長よりも雪が積もるんだから、収穫なんて出来そうもない。


 次の日、10センチ位雪が積もっていてびっくり。

「あーあ。山菜も終わりか」

(今年はずいぶん採れたじゃない)

 そうなんだけどね、ちょっと残念なのさ。

(今からダンジョンでしょ?)

 そう。牛乳が少なくなっていたんだ。幼児にカルシウムは必要だと思うし、チーズも使う機会が多い。

 

 今回は、二手に分かれる。5階層で花の蜜や、野菜も欲しいから。

 私とフレイ、エメルでモーモー達と戦って、チャチャとモコは5階層。

 ムーンは鹿肉が欲しいので、一人で11階層まで行くと言ってる。充分に気を付けるように言ったけど、ムーンなら大丈夫だろう。


 モーモー相手に双剣の練習。動きの鈍い突進だから、確実に避けられる。

 うーん。グラタンも食べたいな。ポテトグラタンしか出来ないけど。

 マカロニはショッピングで買えないんだよね。同じ小麦製品なのに。

 確か粗挽き小麦で作らないといけないんだよね。

 アオの言う感じだと、一度作ればこの世界にあることになるから、いつかは買えるようになるかもしれない。

 

 思考は食欲に走っているけど、今の私にモーモーは本当に余裕。

 レベルが上がってから体力も上がって、疲れにくくなった。

 雪が積もると移動が困難になるため、食料品の補充は欠かせない。

 自由に動けるのはムーン位だし、何よりも寒い。

 一番最初に作るのは、ホッカイロの魔道具かな…。


 温度調節が厄介だけど、作り方はもう調べてある。

 そう難しくはないし、大きめに作れば電気敷き毛布のようにも使える。

 炬燵は亜空間を覚えるか、ちゃんとした家に住めるようになるまでお預けだ。

 欲しい物はたくさんある。まあ、冬は家から殆ど出る事はないと思うから、時間はたっぷりとある。

(ユーリ、まだ集めるの?)

 収納庫にはまだまだ余裕がある。というより、特製マジックバッグと同じで容量無限?と思う程だ。

 この辺の容量は、精神の値にも関係あるらしい。

 私はシャンドラ様のおかげで精神と魔力の値がかなり高いのだと思う。


 エメルのマジックバッグの中身はパンパンになっている。中身を私の収納庫に移して、空間把握してみると、かなりの量だ。

(チャチャ達に合流しようか)

 マジックバッグが一杯で野菜がダンジョンに吸収されたら悲しいし。

 

 5階層に降りて行くと、二人が走ってきた。待ってたらしい。

(ボクのもチャチャのもマジックバッグ一杯だよ!ユーリ遅い!)

(ごめん、念話で呼んでよ)

(戦ってる最中だったら悪いなと思って)


 外側の大きさは一緒なのに、実は容量は大して変わらない。

 大体50キロ分位?だから大きな魔物は余分な所を落とさないと中に入らない。

 オークが100キロ近くある事を考えたら、やっぱりもっと容量が欲しい。

 ダンジョンなら切り身だけど、外で食用魔物が狩れた時に困るから。

 これは重力魔法と時空魔法のレベルにも関係あるのかな。他のマジックバッグを知らないから分からないな。


「フレイ、他の冒険者が持ってるマジックバッグは容量どの位なの?」

「自作のマジックバッグは、殆どありましぇんね。殆どがダンジョンの宝箱から出てきた物で、容量が大きければ高くなりましゅ」


 まあ、時空魔法と重力魔法、加えて付与魔法が使えないと作れないからね。

 落ち人でもないと、難しいかもしれないな。もし聞かれたら、親の遺産て事にしておこう。


 西にある越えなきゃいけない山は、結構強い魔物が住んでいるそうだ。少し不安。

 

 みんなでムーンの所に行くと、下層に降りる階段近くにいた。

(もしかして階段下りた?)

(少し様子を見てきた。足がたくさんあってうねうね動く虫系魔物がいたな)

 げ。ゲジゲジ?ムカデ?どっちにしろちょっと苦手かも。

(毒持ちかもな。虫系はそういうのが多い。行くなら毒対策はしっかりしないとな)

(一応キュアポイズン持ってるけど…ていうか多分私には無効だけど、うーん)

(ユーリは蟹は食べるのに虫は嫌なの?)

(蟹も海老も虫じゃないし…ちょっとだけ様子見てくる)

(俺も行く。エメルはモコ達と鹿肉集めていてくれ)


 下にいたのは、ムカデだ。しかもデカい。私と身長変わらない!

(ムーン、毒持ちだから気を付けて!)

 

 甲殻は少し滑るけど、頭を狙って斬りつけたら案外簡単に刃が通った。まあそれは、ブレードディアの角が優秀なのかもしれないけど。

 ムーンも上手く爪で攻撃している。数が増えると、吠えて追い払いながら戦ってる。

 ドロップアイテムは毒の小瓶か甲殻一枚だけど、どっちも要らない。

 多少距離があっても最近やっと覚えた暗黒魔法の中に、ダークソードがあって、それで剣先を伸ばしている。

(ムーン、出来ればこのまま下の階段見つけよう!みんなをここで戦わせたくない)

(ユーリが行けるならそうしよう)


 なかなか見つからない。けど、時折ムーンにキュアポイズンをかけながら、進んだ。


(やっと階段見つけた)

 階層を有効化して、11階層に戻った。

(もう…お願いだから無茶はしないで。本当に心配したのよ。私も状態異常耐性が取れたんだから連れて行ってくれればよかったのに)

(え。いつの間に?)

(もう。たまにはステータス確認して。耐性だから絶対ではないけど)

(私も。毒消しポーションがあったから、鍛えたら取れた)

(ええ!みんなずるいや)

(ちょっと待ってよ。危ない真似しないで!)

(ユーリのポーションはよく効く)


 確かにチャチャの毒消しの減りは速かった。まさか自分から毒を?

(大丈夫。植物の弱い毒から取れたから)

(チャチャ…本当にもう)

(ボクも欲しい!どの植物?)

(今はもう生えてない)

(ちょっとやめてよ!危ない事しないで!)


(すあまもいるし、ボクも強くなりたい!足手まといは嫌だ!)

(足手まといじゃない!お願いだからやめて!もし死んじゃったら取り返しがつかないんだよ?だから)

(ユーリの魔法は?弱い毒とか出来ないの?)

(そうイメージすれば…でも怖いよ!)

(分かった。無理はしないよ。だからそんなに悲しい顔しないで)

(絶対だよ?)

(うん。ユーリを悲しませるわけにはいかないからね)


 よかった…従魔達のステータス確認は、ちゃんとやろう。でももう、12階層は通る必要はないから安心だね。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ