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私の幸せ

最終回になります。読んで頂いて本当にありがとうございました。

これ以上書いても似たような話しか自分には書けないのではないか。そんな風に考えたら書けなくなってしまいました。

最後はグダグダになっても、強引に終わらせてしまい、申し訳なく思います。

元々は自分で読みたい物だけを書いていたはずなのですが。

他の方の作品を読んでしばらくはリフレッシュしたいと思います。

ありがとうございました。



これからの生活…ユーリ達がいなくなった時、生活は随分変わるだろう。

一度側を離れて、ユーリが側にいない時に、いかに依存していたかを思い知った。

装備一式どころか、毎日の食事まで頼り切っていた。

他の冒険者と比べて、この年齢にしては確かに実力はあるだろう。まあ、ユーリを見てるとそんな自信も呆気なく崩れてしまう。


こんなんじゃ、駄目だ。側にいたいなら、もっと実力をつけないと。

人族の限界といわれるレベル99の壁。きっとユーリは越しているんだろう。

どんなに我武者羅に頑張っても、けして追い付けない。

けれど、諦めるなんてしたくない。いつか必ず、追い付いてみせる。


「モチ、今日はモチの番だよ」

「分かったの」

ぴょんと跳ねて、すっぽりと腕に収まる。結構重い。


「モチ、今日もぷにぷにすべすべね!」

アリエール様にモチを取られた。

「今日も問題は特になし…ん?」


ぴよちゃんの所に軍隊…ああ。加護をつけろって…そんな威圧が眷属神に効くわけないのに。

「何か問題あった?」

「いえ、特には」

「ユーリ、抱っこなの」

しかしこの言葉使いは誰の真似をしたのか。

「あ、そうそう。ルーンが相談があるって…モチは置いてね?」

「アリエール様、モチは私の眷属なんですけど」

「帰って来たらちゃんと返すから」

モチは癒し担当。そんなにスライムがいいなら自分で育てればいいのに。



「…アリエール様?」

酷い。私にあちこちお使いさせておいて、モチの上で寝てるなんて!

「見つかっちゃった」

てへっ…て、そんな可愛らしくウインクして。


「あ、アリエール様、ぴよちゃんが直接相談したいそうですよ?」

「朱雀ね、了解」

モチを神様達の所に連れて行くのは聖域の空気に慣らす為だけど、そろそろ必要ないかな。


この二重生活も大分慣れた。初めは神様達の前で緊張してたけどみんな優しくしてくれるし、空気が心地いい。

眷属達も少しずつ慣れてきたと思う。

私の場所も作ってもらったから、許可を取らなくても自由に行けるようになった。


テッドには、便利なスキル習得方法を教えて私が忙しい時に眷属達とスキル習得に励んだ。


「成る程。透明になる魔法は後ろの景色を歪ませて自分の所に写し出す感じなんだな?」

「イメージとしては。こういう説明の方がテッドには分かりやすいよね?」

「なんとなく?」

補助魔法はイメージが一番大事。脳内マップのないテッドだけど、私の森羅万象とリンクする事で3Dマップも扱えるようになった。


これでテッドも便利な補助魔法を色々扱えるようになった。触手は要らないよ?ロングハンドを持ってるし!要らないったら要らない。


「…よし!見えなくなってるか?」

「習得成功してるけど、覗きには使わないでね」

「俺が見たい物はそれこそ超感覚でも習得しないとな」

「そればっかりはね…目のお陰だし、せめて従魔でもいればだけど」

というか、やっぱり何か覗きたいものでもあるのかな?


「とにかく、今は元々の使命を果たす事だけ考えてよ」

落ち人の救済。まあ、無視していい例外はいるけど。

牢屋からは出られたみたいだけど、相変わらず侯爵の世話になっているみたい。

自立する気のないあの人は、解放されない方がミルドラの為になる。侯爵が見限ったらどうなるかは分からない。クズでも何故か母性本能につけ入るのがうまかったから、それなりにしぶとく生きていきそうだ。


「いつか必ず、側に行く」

「期待しないで待ってるよ」

教会に来れば、私が忙しくなければ話しもできる。忙しくてもモコ辺りが喋ってそう。

自由に人が住む地に行ける眷属達が羨ましい。


「じゃあ、バイバイだね」

「また会おう、だ」

「うん!またね!」


見習い神からアリエール様の副神に。眷属達は私の眷属神に。

雑用の雑用。それでも自分の意見も出せるし、楽しい。


迂闊だった。神様って歳取らないんだ。

「ねえ、見て見て!テッドがバイクに乗ってるよ!」

おお…出来たんだ。あ。コケた。舗装されてる訳じゃないからね。


でこぼこした所を二輪車で走るのは危ない。いくらケガしても簡単に治るとはいえ、痛いのは嫌じゃないのかな?


それから数年後。やっとテッドが野良神になり、協議の結果、アリエール様預かりとなった。つまりはテッドの仕事は雑用の雑用の雑用。


でも助かってる。私が感覚だけでやっちゃうような所をテッドはきちんと計算した上で細かく拘ってやる。

しっかり者のチャチャとはいいコンビだ。


エメルはお休みの時、今でも海に行ってるし、ムーンはやっぱり釣りが好き。


やる事が変わっても、私達は相変わらずだ。人化する事が少なくなったから、好きな時にもふれる。


ミルドラに落ちて、ううん、落ちる前に全て失ったと思っていたけど、今の私には大切なものがたくさんある。

今の私は間違いなく幸せで、きっとこれからも幸せだ。



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― 新着の感想 ―
[一言] 先日はお返事くださいましてありがとうございました。 その後、最終回まで楽しく読み通させていただきました。 まったりほのぼのとした感じを 私はとても気に入りましたので 過去に投稿された別の作品…
[良い点]  連載でちゃんと決着(完結)をつけ続けてくれている所です。 [一言] 完結おめでとうございます! 完走お疲れ様でした!  楽しんで読ませていただきました~。  連載をちゃんと書ききれるの…
[良い点] 大変楽しく拝読致しました。 [一言] お疲れ様でした。 又いつかなろうでお会い出来る日を夢見て。 (^o^)/
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