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ユーリの誕生日と山の異変

今日はダンジョン攻略はお休みして、苺のタルトの下準備をした。

服も、町に行くだけなので、ワンピースとサンダルだ。

要らない素材を売りたいっていうのもある。けど申告すれば年齢表示が変わる。

そう。今までは制限ありだったけど、今日からは一人前の冒険者だ。


それにゴーシュの町はまだ入ってもないし、ダンジョンで採れる果物が売っているかもしれない!

あとは教会かな?一応アリエール様の眷属の四神獣全部に会って私自身と、眷属達にも加護を頂いたからお礼が言いたい。

考えてみたら暫く教会に行ってないし。神様達全員から加護を頂いている上に管理者にも貰ってる。良く考えなくても恩知らずだ。

加護が欲しくて頑張っている人もいるのに罰当たり?


元々無神論者だったとか言い訳にもならない。ただ、習慣づいてないのは確か。


日頃心の中では感謝してるけど、伝わっているかは不明だし、各町に教会はあるんだから行っておくべきだよね?


チャチャとエメルは亜空間でお祝いの料理の準備をしてくれるみたいだ。

ムーンとモコが一緒に来てくれる事になったんだけど、エメルに強制的に手伝いをするために残された。


別に護衛は不要だけど、ムーンはちょっと不器用だから料理には向かないし、私一人は問題外らしい。

この辺の魔物にやられる程弱くないんだけどな。


町に入る時に冒険者カードを見せたら物凄く首を傾げられた。まあ、今の私の格好はどう見ても冒険者じゃないからね。

割とすぐにギルドがあったので、先に寄った。


買い取りカウンターに素材を置いて、受け付けに行く。

「年齢の更新をお願いします」

「はい。…ええと、リロルの町で、年齢制限が解かれたらBランクになるとなっているので、今日からBランクですね。おめでとうございます」


へえ。リロルまで行かないと駄目だと思ってた。

「シタールダンジョンでブラッディーウルフの素材も売られてますね?ユーリさんも参加されてますか?」

「ええ。まあ。随分詳しい情報まで見られるんですね?」

「ランク上げは慎重に行わなければなりませんからね。それでしたら、依頼をお願いしたいのですが」

「いえ、今日は誕生日だから休みたいですね」

「明日からで構いません!実は先週から北の山から強い魔物が降りてきてるんですよ。町は領主様の兵士が守って下さってますが、北の山の調査は難航してまして…ギルドにも依頼が来たのですが、怪我人が多く、ポーションの在庫も少なくなり、請け負える高ランク冒険者も、今はハイポーションの材料を集めに行ってまして」


ああ。だからみんな躍起になって花びらを集めてたのか。

「じゃあ、商業ギルドにポーションを納めた方がいいかな?」

「出来ればこちらに!」

それっていいのかな?

「本数が多くなければ問題ないです。それと、作れるのでしたらそちらもお願いします!」

「まあ、エルダーフラワーは昨日倒してたし」

ハイポーションを作れる材料なら他にもあるしね。


「なら、出せるだけ買い取りカウンターに卸します。それと、帰ったら追加で作りますね」


依頼に関しては私達家族の情報も伝わっているだろうし、ムーンの存在も大きい。なりたてBランクと、年数と実績のあるBランクじゃ、実力的にも全く違うだろうからね。

実際はAランクになってもおかしくないレベルに私も達しているけど、それはそれで面倒みたいだし。

指名依頼なんて物に縛られたくはない。


「とりあえず買い物に行こうか」

明日からの準備もしないといけない。


食料品店にはやっぱりダンジョンの果物が売っていた。

ただし、傷まない物だけかな?クランベリーはドライフルーツになって売っていた。

それと栗だ!嬉しくていっぱい買った。


ダンジョンで見た事がないフルーツも売ってる。柿とオレンジだ。ここで買うのはちょっと負けた気がしたので、買わないでおいた。

一応薬屋も覗いたけど、やっぱりポーションの在庫はない。特に珍しい素材もなかったし、帰ってポーション作りをしよう。


亜空間に戻って事情を説明したら、戦いの合間にも食べられるサンドイッチや串焼きを作ってくれる事になった。

「なら俺は、外で狩りをしてくる」

「いいけど、気を付けてね?強い魔物もいるかもしれないし」

「危険と判断したら、無理はしない」

まあ、ムーンが危険と判断するなんて、余程の事態だとも言えるけど。


まずは新しい素材のエルダーフラワーの花びらからハイポーションを作ってみる。

いつも作っている薬草の物より若干飲みやすいかな?まあ、私は要らないけど。

「ポーション、作る!」

モチのポーションか…まあ、ちゃんとした物だし、いいかな?

「じゃあ普通のポーションでいいよ。魔力切れには注意してね?」

瓶に詰めるのはモチには無理だから、モコにお願いしよう。


おっと。モチ用の水の容器が空っぽだ。モチも水魔法使えるし、軟水みたいな味で美味しいから自分で補充すればいいのに。

前に私とムーンで西に旅してた時は普通の水だと飲まなくて、テッドが水魔法を使ったら、渋々ながら飲んだらしい。

モチもグルメだな。私には分からない魔力の味が分かるのだろう。

そしてスライムには水は必須。だからたっぷりと補充した。


慣れたら大鍋で作る。こっちの方が効率的だし、魔力は使った側から回復していく。

ただし、精神的な疲労はたまる。これには癒しの聖域が効く。

「モコ?手が空いてたら癒しの聖域お願い」

モチとまとめてかけてもらった。

エメルが気分転換に効果があるハーブティーと、プリンを出してくれた。

「ありがとー!丁度甘い物が欲しかったんだよね」

モチは水の方がいいみたいだ。さっき補充した水を飲んでいる。


飴をなめながら、マジックポーションも作る。誰かが買い占めたのか、在庫は1個もなかったからね。

そういえば、町に行ったら行こうと思ってた所…まだあった気がするけど、思い出せないなー?

ギルドは行った。食料品も見た。


まあ、そのうち思い出せばメモしとけばいいや。


なんて考えてたけど、ムーンが獲物を持って帰って来た瞬間に、綺麗に忘れてしまった。

「結構あるね。もしかして町の北に行った?」

「少しだけな。ソルジャーオークやブレードラビット等に皆、苦戦していた」

「南の方にはいないよね?」

「やはり北の山に普段はいるような魔物らしいな。何か原因があって降りてきてるのだろう」

「お疲れ様、ムーン」


タルトは久しぶりだな。苺も程よく酸味があって、甘いクリームとの相性も抜群だ。

「成人は15歳だけど、ギルドにはもう一人前だと認められた訳だから、これからは子供扱いは嫌だよ?」

「年齢なんて関係ないよ。ユーリはボクの妹だから、これからも守ってあげるんだよ?」

「そうだな。親らしい事はしてないかもしれないが、ユーリは娘なのだろう?」

「幾つになっても娘は可愛い物よ?」

「私も、ユーリは一番大切」


うん。私達は家族。それはずっと変わらないよね?




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― 新着の感想 ―
[一言] あらあら(^^; 教会に行くのすっかり忘れてる 街に納品に行った時にでも 思い出してくれるといいけど。
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