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冬に向けて

 スラミーと、モチと、スライムその1。ちょっと迷っている。モチよりも古株なのに名前も与えずに仕事だけしてもらっている。

(スラミーやモチはまた分裂するよね?だったらこのまま名前なしの子もそのままでいいかな?)

 

 そういえばフレイは、スライムに念話は無理だって言ってたっけ。

 スラミーとモチの反応は薄い。あまり関心がないようだ。

 スラミーと比べると、モチは若干好戦的だ。前にも家の前でうろついていた魔物を、攻撃しようとしてた。

 結界石の効果で入ってこられないのに、というかその範囲から出たら攻撃されるのに、無茶をしたから怒った。


 何故従魔でないスライムその1がここにいられるかというと、スラミーから分裂したからのようだ。

 私とは繋がっていないけど、スラミーとは僅かに繋がっている。

 とはいえ、親子関係的な物はない。


 とはいえ、結界石の効果も絶対ではないみたいだ。

 使用者と、あまりにも実力が違いすぎると、破られる可能性がある。

 エメルによると、森の奥はここより魔素が濃いから、強い魔物も居るらしい。


 あれから何度か肉じゃがを作った。カレー用の薬草セットは、まだ育っていない。

 この世界は、というか水魔法なんかを使って育てると、野菜は速く育つ。

 自給自足のスローライフも、ここでは夢じゃないのだ。


 町には行ってみたいし、冒険者の仕事にも興味ある。

 どっちにしろ、もっと大きくならないと、旅もできないんだけど。


 モコの毛と、蜘蛛の糸を使って作った大きめの毛布には、温度調節とクリーンの付与を付けてみた。

 最近ちょっと肌寒くなってきたから丁度いい。もふもふのふわふわだ。


 今まで扉を作る必要がなかったから開いたままにしていた入り口だけど、冬になる前に何か考えないといけないかもしれない。

 そして、この洞穴の家には、当然窓がない。夜目のスキルがあるから見えない事はないけど、目が悪くなりそうだから、いる間は、ライトの魔法を使っている。

 完全に閉じると暗くなるな。でも、どれだけ寒くなるかは分からないけど、隙間から風が吹き込んでくるのは嫌だし、寒いのは嫌だな。

 

 火鉢的な物も必要だろうな。ここには燃焼石という物があって、衝撃を与えると高熱を発する石があるらしい。

 スペシャルショッピングでも買えるけど、普通はダンジョンで拾ってくるものらしい。

 となると、あのダンジョンを攻略すれば出てくるかも?

 料理にも便利そうだ。


 魔鉄で槍も作ったし、蜘蛛対策はばっちりだ。付与も、突き強化と重量軽減、クリーンまで付けられた。

 槍というよりは先端がナイフのようになっている薙刀風の物だ。

 念の為にこの辺の魔物で使う練習もしていたら、槍術のスキルも手に入れた。

 

 ただし、かなり重いので重量軽減の付与は付けたけど、自分にも身体強化をかけておく。

 そんなに魔力を使わないから、槍を使う時は常時発動させるようにしておこう。


 蜘蛛対策はばっちりだ。これなら下の階層にも行けるだろう。


 それと、炊飯器の魔道具も作った。恐らくは落ち人が開発したと思われる物で、レシピだけスペシャルショッピングで手に入れた。

 銀は古い食器が買えたから、錬成し直した。

 

 鉱山やダンジョンでも手に入るらしいけど、鍋で炊くとこびりつくので勿体ないから、多少無理してでも速く欲しかった。

 沼で採れた種籾は、一食分だけ炊いて、あとは来年用の種籾にする予定。

 魔法を使えば2回位収穫出来そうだ。


 鍛冶をするには本当はちゃんと熱したり叩いたりした方が良い物が出来るみたいだけど、今回は何もないから魔法だけで作った。

 慣れないうちは魔鉄の錬成だけでかなりの魔力を持って行かれたけど、スキルに慣れればそこまでの魔力は必要なくなると思う。


 槍作りも魔道具もかなり苦労した。だから秋はあっという間に過ぎた。

 だから防寒服を作る時間が取れなくて、寒くなった今頃慌てている。

 レベルの大分上がったモコは、毛生えのスキルも充分に扱えるようになったから、毛を集めるのはそんなに大変じゃなかった。

 大きめに作ってサイズ自動調節の付与もつけたから、来年までは持ちそうだ。


 来年の冬にはどれ位大きくなっているかは想像の範囲でしかないから、一冬しか持たない可能性もあるんだけど。

 最初から履いていた皮靴は、もう小さくなってきている。

 幼児の成長は速くて困る。


 こんな僻地にいなければ買いに行く事もできただろうに。

 スローライフのはずが、特に最近全然スローライフじゃない。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] 何かで読んだか聞いたかしましたが のんびりライフとスローライフは別物らしいです。 スローライフって効率とは縁遠い物らしく 実はやたら忙しいのだとか。 中途半端に田舎住みな私にスローライフは …
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