表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
173/226

シタールダンジョンと、鰻

シタールダンジョン12階層。テッドも一緒に探索だ。

雨が降っているのは相変わらず。カエルを倒しながらゴムになる皮を集める。

正直要らないけど、需要が多い。ゴムの代わりなんだから、使われる所はたくさんある。


部屋の隅に若干紫がかったカエルがいる。

「怪しいよね、あれ」

「かなりあからさまだな」

「とりあえず毒だけは気をつけて」

普通のカエルでも毒はあるけど、より毒々しい。

なるべく距離は取るけど、接近戦で戦うチャチャが毒を受けた。

「痺れる」

麻痺毒か。上位種が混じってるのかな?通常フロアでそういう事が起きるのは珍しいけど、ダンジョンだからな。

モチの技、超音波ブレードを飛ばして倒した。ドロップアイテムは同じたけど、丁度遮られていた壁に階段があった。


13階層は、ブレードラビットと出た。角がかなり鋭くて、素早い。

ドロップアイテムは、肉か鋭い角。ただこの角は、煎じると薬になる。カルシウムみたいな物で、ハイポーションに合成すると、時間は多少かかるけど、骨折も治してくれる。

ちゃんと固定すれば2~3日で治る。


その代わり肉はラビットの肉と同じ味で少々残念だ。

私もモコもハイキュアを使えるから骨が折れても即座に治る。

錬金術の練習の為に集めるけど。特にテッドは魔道具ばかりだから、たまには薬も作った方がいい。


14階層は、…鑑定したくない…巨大なカマドウマに見える。実はかなり嫌い。エアーカッターを放つと、青緑の血が出た…嫌過ぎる。

「エメル、私この階は無理」

「いいわよ?私の後ろに隠れてて」

たまに魔石を落とすけど、クリーンをかけてからでないと、触りたくない。

「虫系の魔物は、人族は嫌いな人が多いわね?」

「俺は平気だぞ?この血はちょっと嫌だけど」

とりあえず死体は残らない。それだけでも救われる。


「階段はまだ?」

「お前な…まだ探索始めたばかりだろうが」

目を瞑って歩くのはエメルに掴まっていてもかなり怖いな。

ましてやここはダンジョン。下は結構デコボコしている。

でもここで超感覚を使ったら、見たくない物まで見えてしまう。


私が見るのは地面だけ。みんながちゃんと倒してくれるから、他は見ない。


時間がやけに長く感じる。まだかな…


音だけは聞こえる。聞くと想像しちゃうけど、それ位は耐えなきゃ。


「おー。あったぞ」

眷属達からもほっとしたような感覚を感じたので、ユーリも目を開けた。

「ふぎゃ?!」

まだダンジョンに飲み込まれる前の死体を見てしまった。


気を取り直して15階層。

あれ?また水…でも気配はいっぱいある。黒く細長い生き物で、ヌメヌメしてる。


鑑定 ヌメヌメウナギ ぬめりで攻撃が通じにくい。美味


鰻っ!!

倒すと、切り身かヌメヌメ成分が残った。これはお肌の保湿にいいらしい。化粧水と乳液の合体したような物かな?

化粧をする前に塗ると、お肌のケアをしつつ、化粧ののりを良くしてくれる、人気商品。


どうりで冒険者の数が多い訳だ。みんな網を手に、捕まえる事に必死だ。

胴回りが10センチ位あって、長さが2メートル位あるからみんな苦労しているみたい。槍で刺そうとしても、つるりと滑ってしまう。

木魔法で作った罠を投げて捕まえ、引き上げて頭を重力魔法で潰す。

ヌメヌメはあんまり要らないけど、実験用に幾つか残してあとは売却予定。

それよりは鰻!残るのは10センチ位の切り身だけど、いっぱい採る!

テッドも鑑定したのだろう。目を輝かせて採りまくっている。


雷魔法も効くんだ。岸に上げてモコが使っているし、他の冒険者も使っている人がいる。

なるほど。ここでマジックポーションを使うから、足りなくなるのか。


ヌメヌメだから、物理攻撃はなかなか通らない。盾で潰そうとしてもぬるんと抜けてしまう。なんとも厄介だけど、それでもここの冒険者が多いのは鰻とヌメヌメのせいか。


見た目は大きいけど普通の鰻。でもこれだけヌメヌメが出ると、ヌタウナギの場合もある。

まあ、食感で分かるかな?ヌタウナギの姿はちょっと食欲なくすよね。まあ、美味しいから食べるけど。


大人になったらヌメヌメウナギの液に私もお世話になるのかな?


(ユーリ、階段を探さなくていいのか?)

(今日はいいや。鰻をたくさん集めたいからね)

(うむ。なかなかとどめをさしにくいが、努力する)

スコルの姿ならきっと噛みつき攻撃でやられるだろうけど、ここでは無理だもんね。それに火魔法だと消えちゃうし。

でも元々の得意魔法、氷魔法でやっつけている。


「鰻~!蒲焼き白焼き鰻丼鰻重ひつまぶし!」

楽しみ!


亜空間に戻って、早速調理する。柔らかい食感。普通の鰻の方だな。けど、ヌタウナギの味わいも微妙に感じる。

「鰻重がいいな」

「重箱がないから鰻丼だよ。まあ、味は一緒だから」

味を調節しながら多めに作る。たくさん集めたからね。米もいっぱいあるし。


緑茶がないからハーブティーだけど、お腹いっぱい食べて満足だ。

また鰻たくさん集めよう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ