表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
163/226

モチ、無双

今日はモチに付きそってダンジョンの一階層に入った。

どうしてもモチが戦いたいというので、危なくなったら影に入れるという約束で。


モチは大きなまま丸くなり、硬化して転がりながらビックコッコを押し潰していく。

そ、そんな戦い方ってありなの?後ろを追いかけながら、鶏肉を拾っていく。

飛ばした超音波がビックコッコをなぎ倒し、跳ねて押し潰すと呆気なく倒れた。


モチ、無双。


ドロップアイテムの回収も、溶かさずに体内に取り込む事で出来るみたいだ。

キングスライムはテイムすると、ギルドに登録が必要と聞いた。確かにこれは、登録しないとまずい強さだ。


二階層も問題なし。三階層まで来てしまった。

「モチ、ここのドロップアイテムは欲しいな」

「了解」

突進がヤバそうなら回収しよう。


けどモチは、核の位置をずらす事で対処してみせた。そして体の一部を槍に変化させてモーモーを貫いた。

「強くなったね、モチ」

「主役立つ、嬉しい」

「うん。でも無理は絶対にしないでね?そして、一人では絶対に中に入っちゃだめだよ?」

「了解」


モチが拾ってくれたチーズを受け取り、収納庫に入れる。この調子なら、5階層位までなら大丈夫かも。

進化って凄いな。イナゴやもぐらしか倒した事のなかったモチが、一気に強くなった。


キングスライムは自然に進化する事は滅多にない。スライムをテイムし続けて、希にそこまで進化するのもいるとか。

皮のなめしをやってくれるから、スライムはギルドでも飼われている。

テイムされてない状態でもやってくれるけど、過去にはそこからキングスライムに進化した例もある。そのキングスライムは処分されたけど、モチを見てるとそれも仕方ないのかな。


5階層でもモチは大丈夫だった。仮にポイズンフラワーから毒を受けても自前で薬液精製して治してしまうだろう。

でも、ここまででいいかな。

さすがにアーマードボアやブレードディアと戦わせる気はない。

「じゃあ、これからはシロップとかここの野菜が欲しくなったらモチにお願いするね?だから、ここまでね?」

「…了解」

残念そうだけど、さっきはキャロが危うくモチの核に届く所だったんだから。


「ここまで来られるだけでもすごく助かるよ?モチキング、だね」

「モチキング!モチキング!」

お、喜んでいる。


今日のモチの活躍を夕飯の時にみんなに話したら、褒めてくれた。

「シールドトータスにキングスライム。ユーリちゃんはテイマーとしても優秀ね」

「魔物をテイムするには魂を繋げるので、上位種になるほど多くをテイムするのは難しくなるのだとか。アリエール様の加護あってこそだろう」

うーん、それに加えてクイーンキャットとモノクローム。それにスコルをテイムしてて、更には眷属化出来ているのは、凄い事なのかも。まあ…レベルが99を越えると超越者とも呼ばれて、人の進化系とも呼ばれるみたいだけど。


「失礼を承知で聞きますけど、レイシアさんてレベル幾つなんですか?」

「レイシアは凄いのよ!99を越えたんだから。ギルドに申告すればSランクになれるのに。私は99で止まっちゃったけど。あ、アル君には内緒ね?」

「すげー!そうなれば国にも知られて指名依頼を受けたりするんだろ?」

「私は人族ではない。それに、今みたいな穏やかな暮らしも悪くないと思っている」


その気持ちは分かるな。ムーン達の事もある。魔物が人化していると、一生ばれないって保証はどこにもない。

私も落ち人だから、目立ちたくない。亜空間移動は既に覚えているし。


「シーナさんはそんなに強くなったら、冒険者も辞めたくなかったんじゃないですか?」

「うーん。確かにそうなのよね。だけど、恋は人を簡単に変えちゃうのよ。アル君だって、私と初めて会った時は、酷いものだったわ。きっとキースがいなかったら領主としてやっていけなかったんじゃないかしら」


ほうほう。そこからどうやって夫婦に?

「俺、もう寝るよ」

「もう。ここからがいい所なのに」

「一回聞けば充分。てか、恋愛の話は好きじゃない」

「テッドはお子様だもんねー?」

「な!年齢は一緒だろ!」

「そういえば、エメルさんはどうしてムーンさんと結婚する気になったの?私もだけど、子供がいる人と結婚するって結構勇気いるわよね?」

「え…ええと」


「ユ、ユーリに母親が必要だと思ったから」

「モコちゃんは?」

「モコは、大丈夫だ」

「ムーン、あなた大分変な事言ってるわよ?」

「そう…か?」

「あははー、私達はもう寝ますね!」

居眠りしていたモコは、チャチャが運んでくれた。


(何か、まずかったか?)

(うーん、仕方ない所もあると思う。実際ムーンとエメルは私の眷属で、お互いにとっては仲間だもんね)

(町の人達は誤魔化せても、シーナさん達みたいに親しくなった人達には誤魔化しきれない所もあるのかも?)

(興味本意だと思うよ?まあ、そんなに気にする事ないよ)


アルフレッドさんはシーナさんが冒険者を辞めてもいいと思える位、素敵な人だったって事だよね。…いいな。私も今度こそ男の人では失敗しないようにしよう。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ