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テッドも強くなった?

麻痺消しポーションを作っていたら、テッドが覗いてきた。

「何作っているんだ?」

「マジックポーション?」

「…いや、材料違うだろ」

バレたか。テッドも錬金術をやるようになったから、誤魔化しは効かないかな。

「麻痺消しのポーションだよ。材料が手に入ったから」

「けど、この辺の魔物は…この前からどこに行ってるんだ?」


「まあ…そのうち話すよ。ほら、レイシアさんが呼んでるよ?早く行ったら?」

「まあ…早く12階層に行きたいし」

まだブレードディアと戯れてるんだ。


護符を作るのにはまだ材料が足りないからまだ液体ポーションだけど、どうしようかな。

因みにモコモコの肉はまだ隠している。どこで狩ったかって話になるし。

フレイの事はテッドも知らないけど、別に知られてもいい。落ち人に担当妖精がいるのは知ってるし、その妖精の手伝いをしただけだから。


今日はエメルは海に行ってるから、米を採りに行こうかな。

「ユーリ、久しぶりに釣りがしたい」

釣れた時は嬉しいし、嵌まる気持ちも分かる。それに魚は大歓迎だ。

「なら私は、山菜採りに行きたい。モコも」

「えー、ボクは…うん。別に何をする事もないや。この前のモコモコの毛でユーリの新しい防寒具を作っても良かったけど、まだ時間はあるし、食糧の方が大事だよね」


うちの子達はいい子だな。


何度も出入りして米を集めていると、たまにモチゴメの大きな稲穂が生える。

どういう確率なんだろう?まあ、地道に集めるのさ。


亜空間の中はほの暗いけど、日光とは全然別物らしく、もやしの水耕栽培が普通に出来る。

光はまずいはずなのに、変なの。お陰で助かっているけど。

普通の緑豆もやしの他に、大豆と黒豆もやしも作っている。

豆はそんなに高くないから、遠慮なく買えるし使える。

学校に行ってる間は畑の世話は難しいけど、終わったらまたどこかに畑を作りたいな。


冒険者になって旅に出ても亜空間移動が便利過ぎるから、きっと毎日世話も出来ると思う。

何より好きな野菜は収納庫にいつでも確保しておきたいし、使う頻度の多い野菜も確保しておきたい。

まあ、じゃがいも、玉ねぎ、人参の3種類だけでも使いまくれるのは凄く嬉しいけど。


特にじゃがいもは、ポテトチップやフライドポテトなど、おやつにもなる。塩味のみなのが残念だけど、贅沢は言えない。


記憶にはなかったけど、テレビで見たか、ググった事があるのか、にがりの作り方を記憶から再生して調べられた。

案外簡単で、海水を煮詰めた最初の不純物を取り、浮いた塩の結晶のあとに残る水分がそうだとか。

お陰で豆腐が作れた。冬が楽しみだな。

錬金術の分離でも出来そうだけど、どんなミネラルが含まれているか正確に分からないと、難しい。ミネラル自体がイメージしにくいから、分離は難しいだろうな。


冷奴にしておかずで出したら、見たこともない食材だったらしく、レイシアさんに色々訊かれた。

モコも豆腐の上に削り節をたくさん乗せてあげたら気にいったみたい。ついでにねこまんまもモコのお気に入りだ。


木の削り屑かと思うと微妙だけど、味はしっかり鰹節なんだから不思議だよね。

海には鰹はいないのかな?いても魔物だろうけど、鰹の刺身もいいよね。

エメルが採ってくる魚は食べられる物限定だけど、上の世界に似た魚も多い。


マグロは採るのが難しいみたいだけど、また食べたいな。

贅沢は言えないけど、私が喜ぶ魚の種類をエメルは把握しつつある。


身体に纏わせる結界と、呼吸補助の魔法を使えば近海なら私も行けると思う。

並列思考が多重思考に進化したから、いくつもの違う魔法を操る事が出来るようになった。

重力魔法もさらに使えば海の底まで行けるだろう。ウニとか貝類も探したいし、何より自分で蟹が採れるようになれば嬉しいな。


テッドがどれ位強くなったか見てみようかな。

11階層へ降りて気配を探ると、随分奥まで行ってるみたいだ。

テッドの投げたワイヤーがブレードディアの首に巻き付く。勢いで首が切れる。

うん。かなり上達しているね。もう11階層から抜けてもいいんじゃないかな。


「ユーリ?何だ?」

「どんな感じかなと思って」

「明日は12階層に進もうと思っていました。複数の魔物にも対応出来るようになりましたし」

「ふふん。この調子なら母さんにも自力で採った蜂蜜をお土産に出来そうだ」

「ワニは強いよ?」

「確かに、体が堅いですから、魔法を併用する必要がありそうですね」

「魔法ならそこそこ自信あるし、大丈夫だよ」


テッドの問題は命中だったから、それを得た今はまあ、そこそこ行けるだろう。

「19階層は遠いな」

「まだ米、諦めてなかったの?」

「そりゃ…自力で採りたいし」

17階層はエメルに頼めば連れて行けるけど、シーナさんが悔しがるかな?

「約束は私とシーナでした事ですから、テッド様が進めるなら私は止めません」


「まあ、もう少しすればコーベットでも収穫出来るんだし、そこそこ頑張って」

テッドには、私に対抗したい気持ちもあるんだろうな。かなりの負けず嫌いだし。


てか、よくこの短期間で戦えるようになったよね。レイシアさんの助けもあったとはいえ、根の詰めすぎは良くないと思うんだけど。


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