表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/226

ダンジョン23階層

果物は、その日のうちにジャムにして、翌朝のパンに塗って食べた。

「凄く美味しいわ!これは森で集めてきたの?」

「ええ、まあ」

「あの山を越えて来られる冒険者は限られてしまうけど、却っていいかもしれないわね。目的はダンジョン、それか聖域から流れてくる聖水になると思うけど、荒らされたら堪らないものね」

「それに青龍様を怒らせてしまう冒険者が現れてしまうとも限らない。そこはシーナから旦那様に良くお伝えして欲しいな」

「分かっているわ。レイシア」


さて。今日もダンジョンだ。

「私達だけで今日は13階層で頑張るつもりだから、ユーリちゃん達家族は、好きな階層に行っていいわ。いつまでもムーンさんの力に頼っていたら、実力も見誤りそうだし」

「なら、ポーションとマジックポーション余分に持って行って下さい」

「え?…そういえばユーリちゃんは錬金術も使えるのよね。本当に多才」

「ええ。自作なのでお金とかも要らないです」


「それはだめよ!魔道具を使って分かったけど、ユーリちゃんの錬金術師としてのレベルはかなりのものだわ。商業ギルドに登録していなくても、ちゃんとした作品は、作り手の権利が守られないとだめなのよ」


自分たちで使う分を作っている、半分趣味みたいなものだけど、認めてくれるのは嬉しいな。そうだ。炊飯器の魔道具も頼まれていたんだったな。

「分かりました。でもプロではないので、安くていいです」

エーファさんやテッドが持っているなら、賞味期限とか関係ないからね。


「なら、テッド君に付き添うのはモコでもいいですか?もし下に行くなら、ユーリに付いていたいんです」

「そうね。モコちゃんなら、回復魔法も使えるから安心ね。いいかしら?」

「ボクはいいよ。22階層は後でも行けるし」


とはいえ、21階層の階段はまだ見つけていない。でもムーンが一緒なら、火魔法で有利に戦えるかな。

「私達が21階層まで行けるとは限らないから、なるべく下までの情報も欲しいしね」


「じゃあ、22階層を目指してみようか」

「そうだな。行こう」


21階層は、松茸を見つける為にかなり歩き回っていたから、割とすぐに階段を見つける事が出来た。

今日のみんなは、最大限警戒して、魔物姿だ。スキルが制限された状態で未知の場所に行くのは危険だからだ。


あれ…気配がない?しかも迷路状態になっていなくて、珍しく真っ暗だ。

けど、魔力関知で探ると確かにいる。

(みんな気をつけて、鳥系の魔物がいるよ。気配を上手く隠してる)

ライトを使おうかと思ったけど、何となく嫌な予感がしたので、止めた。


そろそろと進むと、一羽が焦れて攻撃してきた。多分、ライトを使っていたら、一斉に襲いかかってきただろう。

空に浮いているエメルに飛びかかって来たけど、エメルの硬い甲羅には傷もつかない。

シャドーオウルか。ムーンの爪にあっさりと切り裂かれたら、光る何かを残して消えた。


するとその何かに集まってくるようで、みんな夜目が使えるから、それぞれに倒している。

私はその光るドロップアイテムを集める。

平面だけど、ここには罠もある。感知系がないと苦労しそうな階層だな。


ただ、迷路ではないから、階段はあっさりと見つかった。

慎重に23階層へと進む。


「…は?オーク?」

剣や槍を持っているけど、見覚えのある姿だ。強いて言うなら色黒だけど。

(只のオークじゃない。強いぞ!)

ムーンには余裕みたいだけど、ユーリの剣はなかなか届かない。

動きが速いのもだけど、オークより背が高い。

…ふむ。そういう事なら。


双剣の先にダークソードを出す。さすがにミスリルだ。簡単に出せる。

普通の剣のように持ちかえて、切りつける。

うん。切れ味も抜群だね。


やっぱり普通のオークとは違うみたいだ。分厚い脂肪がない。


鑑定 ソルジャーオークの肉 脂肪分は少ないが、肉自体は柔らかく美味


へえ。オークの上位種って所かな。それに魔物のくせに剣や槍の扱いが上手だった。ゴブリンなんかも木から作った棍棒とか持っていたりするけど、扱いは全然だもんね。ただ滅茶苦茶に振り回しているだけ。

しかも罠ありの階層だな。ダンジョンの魔物は、何故かああいう罠に引っ掛からないんだよね。ダンジョン産の魔物がダンジョンの罠に引っ掛かってたら間抜けだけど。


思い切り戦えるから、私にとっては面白い階層かな。肉にも期待できるし。


その日は、とんかつにしてみた。ジューシーで美味しい!


その日は各自反省会だ。23階層までの魔物の情報も教えて、シャドーオウルのドロップアイテムを出した。


そういえば確認せずに拾っていた。

「…。ガラスに綺麗な石…何かゴミばっかり」

「そうでもないぜ?これは蛍石だって」

「…テッド、それ、ガラスの原料だから」

「…あ、これは翡翠だ。こっちはルビー」

「たまに当たりが混じっているんだね。宝石自体にはあんまり興味ないけど」


「アクセサリーは作ったりしないの?付与も出来るんだし、加工すれば売れると思うわ」

うーん。それは微妙かな。石の大きさも小さいし、銀じゃ付与の容量も小さい。

あれ?宝石自体に付与を付けられるのかな?


うん。物によって違うけど、付けられる。そういえば、魔道具でも宝石を使うやつあったな。

図書館に行きたかったんだよな。今は無理だけど、調査が終わってテッド達を送って行ったら、行きたいな。


「そういえば今日、14階層を覗いてきたのよ。あそこは魔法がないと辛い階層ね。レイシアはナイフを投げていたけど、迷宮の壁で大分潰れてしまったわそこでユーリちゃんにお願いなのだけれど…」


「メンテナンスですか?やりますよ」

「ありがとう。ユーリちゃん」

「僕の矢もお願いできる?」

「いいですよ。でも折れてしまった物に関しては無理です」

「それはこの間の休みの時に木を削って作っておいたから、矢じりをお願い」


ダンジョンの壁はとても硬いから、ナイフや矢じりが消耗するのは仕方ない。14階層はキラーバットだしね。

シーナさんはきっと早く15階層に行きたいだろうし、明日はお供しよう。


「テッドは5階層に行けた?」

「階段が見つからなかった。モコも覚えてないっていうし」


「テッド、もし行けたらシロップをたくさんお願いね!母さんの為に!」

「…へーい」

シーナさん、いい荷物持ちを手に入れたね!

「私達も頑張って15階層を目指すわ!蜂蜜の為に!」

「燃焼石はいいんですか?」

「そうね…リロルには売っているけど、少し補充しておいてもいいかもね。それなりの値段するし、テッドかエーファ君に持たせればいいものね!」

「…出来ればテッドの方に」


話しを聞いていると、エーファさんの収納庫はそんなに大きくないみたい。少なくとも私よりは確実に小さい。エルフだし、ルーン様の祝福も頂いているから、普通の人よりは大きいと思うけど、普通ってどの位なんだろう?モコもそんなに入らないし、モコと同じ位だったら人前では気をつけないとだめだね。


「テッドの収納庫はまだまだ入るの?」

「エーファ兄さんから日用品を預かったけど、あとはチーズとか肉が少しと、ウルフの皮も入っているけど、大きな物は入れてないし」


後で外で獲物を狩った時にどの位入るか実験してもらおう。


またやりたい事が増えたな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] もふもふに吸い寄せれ数十話その生活を見てるせいか急に急に人間と関わりだすと、え?ってなる… テッド関連はスローライフからかけ離れていってない…? [一言] 面白かったです。更新ゆっくり…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ