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気が付けばエルフ  作者: 味醂
章間閑話
36/144

章間 閑話2

こんにちは。

味醂です。


気が付けばエルフ 第36話 章間 閑話2公開です。


お楽しみ・・・いただけるんですかね、これ?


 章間 閑話2



 まだ夜も明けない早朝の事、事実上私室と化しているその部屋の前で私は今日こそはと意気込んでいたのです。


 ドレスルームの責任者という肩書と、この部屋の専属給仕を兼任している私にとって、この部屋に泊まっているあるお客様の存在は非常に厄介なものでしたので。


 この部屋に泊まっている、とあるお嬢様。

 そしてその専属メイドのお嬢様。


 元々貴族も泊まることの多いこの宿で、旅を共にできるメイドは多くないものです。

 そういったお客様にも普段通り快適に過ごして頂けるように、私のような専属給仕が各スィートには配属されているのでございます。


 だというのに、私がこの部屋でお仕えしようとするたびに、お嬢様が頑なにそれを拒否し、お召し替えもご入浴のお手伝いも、挙句にはお茶の用意などに至るまでさせてもらえないので御座います。


 主たるお嬢様だけに限れば、それもまぁ、あきらめのつく事ではあるのでございます。しかしメイドのお嬢様のお世話すらさせてもらえない。



 そう、まるで子猫が互いをなめ合うように、それは愛おしそうに。



 しかしこのままでは専属給仕の沽券に関わると、今日は意を決して早朝からお仕えする機会を窺おうと、今こうして部屋の前に立っていたのでございます。



 そうとなればお目覚めの前にお傍に控えておくしかないと。


 そう思い私は意を決してベッドルームのドアを静かに開けようと、ノブに手をかけたとき

 微かに聞こえるソレに気が付いてしまったのでございます。


 衣擦れの音。


 静かに響く『雨だれ』の音。

 何かに耐えるような、切なげな吐息。


 ああ、やっぱりそうなんだと、私は控室から歩み出るタイミングを見失いその場にへたりこんだのでございます。


 どれくらいかして、お二人が出て行った後の寝室は、既にベッドメイキングが終えられており、ほのかに甘い香りを残すのみとなっていたのでございます。



「お二人とも、そう言って頂ければ……わたしはどんなことでも致しますのに。」


 ぽつりと呟く独り言がむなしく響く中、私はそっと温もりの残るベッドに身を寄せるのでありました。



 ――とある女性専用客室に配属された専属給仕の懺悔より





 礼拝堂の奥、人目につかない廊下の隅に、その小部屋はあった。

 先程までの懺悔の内容をまとめた羊皮紙を私は手にして、どうしたものかと迷っていた。


 やがて『彼女』は何事かを呟いて、その羊皮紙をそっと懐に忍ばせて宿舎へと戻るのだった。


 今日、ここにはどなたも懺悔にはいらっしゃらなかった。そうなのです。


 そう呟いたこの場を去ったシスターの足取りは、どこかソワソワと、嬉しそうだったという。






こんにちは。

味醂です。

気が付けばエルフ 第36話 章間 閑話2をお読みいただきました皆様ありがとうございます。


今回もSSです。


ちなみに、エリスとリーリカはGLに目覚めつつある状態ですが

今回の2名に関してはまあ、ただのアレですね。


大人の事情があるため深く追求しないでください。。


それではまた次回 気が付けばエルフ 第37話でお会いしましょう。


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